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◇同居までのetc

「補給時間」*優月

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「んん……」

 なんか……きもちいなあ……。

 キス。
 玲央とすんの、好き……。


 ――――……。


 そこで、はっと、気が付いた。
 あ。オレ。思い切り、キス、しちゃったけど……。

 玲央、ベッドで寝てていいよって言ってたし。
 ……まだ終わってないんだよね。

「……玲央……」

 そっと、回してしまっていた腕をほどいて、少し顔を引いて、キスから離れる。

「……どした?」

 目の前で優しく微笑む玲央に、自分の顔が緩むのが分かる。
 優しいなあ……玲央。

「ごめんね、先、寝てるね」

 起き上がって、足を床についてそう言うと。
 膝をついてた玲央が、オレを少し見上げる感じ
 
 見上げられると、なんか。……きゅん、とする。

 そっと伸びてきた手が頬に触れる。

「眠い? 優月」
「……うん。眠い」

 そう答えると、玲央がクスッと笑う。

「そか――――……寝る前にトイレ行く?」

 そう聞かれて。
 
「え? トイレ? うん……行く、かな……」
「じゃ行っておいで」
「うん……?」

 よく分からないけど言われるまま、トイレで用を済ませて手を洗って、玲央の部屋に戻ろうと思ったら。ちょうど玲央が部屋から出てきて、ペットボトルのお水を渡された。

「飲みな?」
「うん……」

 またまた言われるまま飲み終えると、何となく、見つめあう。

「……じゃあね、玲央、頑張ってね」

 笑顔で玲央を見上げると、ふ、と笑んだ玲央に肩を抱かれた。
 そのまま歩いて、寝室に一緒に入る。

「玲央、寝るの?」
「まだ」

「?」

 でも一緒に寝室に入って、ベッドに近づいて。
 あれよあれよという間に、ベッドの上で、玲央に抱き寄せられて。薄い布団の中で、ぎゅー、と抱きしめられた。


「……玲央?」
「優月が寝るまで、居る」

 優しい、笑いを含んだ声が、聞こえる。
 

「――――……」

 とくんとくん、と玲央の心臓の音が聞こえる。

 ……愛しい、なあ……。

 すぽ、と腕の中に入り込んで。きゅ、と玲央の背中に手をまわした。


「……どした?」
「ん……早く寝ようと思って」

 言うと、玲央は少し黙った後、クスッと笑う。

「――――……優月の補給時間、取んないで」

 腕の中から、引き出されて、ぽふと頭を枕に沈められる。
 二人で、寝転がったまま、向き合うみたいな感じ。

「――――……」

 頬に玲央が触れて、そのままゆっくり、唇が触れてくる。

「……優月」
「うん……?」


「すげー好きだよ」

 クスクス笑いながら、頬にキスしてくる。
 これが嬉しくない人、いないよね……。そんなことを思いながら、微笑むと。
 
「……可愛くて、たまんないんだけど」

 玲央の両手が、頬から首に触れて、髪の毛に入ってきて。そのまままた、頬に戻ってきて。
 両頬を挟まれたまま、キスされる。

「――――……」

 ゆっくりキスして、じっと見つめあう。

「……オレも好き」
「ん。知ってる……」

「……知ってる?」
「知ってる……」

 ふ、と笑って、玲央がオレを腕の中に抱き込む。


「……また明日な、優月」
「――――……うん」

 もう、ほんとに、優しくて。
 ……あったかい。


 
「――――……」

 さっきから眠かったんだけど。
 急激にウトウトして。


 玲央の鼓動、聞きながら。
 あっという間に、眠りに、ついた。



 



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