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◇同居までのetc

「キスしたいなあ」*優月

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【side*優月】


 ふっと、目が覚めた。
 一瞬で、どうやって眠ったかを思い出して、顔どころか、全身が熱くなってしまうような感覚。


 ……バスルームで、めちゃくちゃ触られて、気持ち良くて。
 なんか、すごく、ほわほわっとした感覚のまま、しばらく過ごした。

 なんか――――……気持ちいいのが、ずっと、ほわほわ続いてるような。

 なんだろう。ずっと気持ち良くて、玲央が、肌に触れるだけで、そこから急にゾクゾクしたものが広がるみたいな感覚まであって、不思議でしょうがなかった。

 ベッドに入ってからの玲央はもう。
 ……オレのゾクゾクを、もう最大限迄、めちゃくちゃいっぱいにしてきた。


 …………玲央って、ほんとすごいなあ。

 ――――……今までのセフレの人達のことも、あんな感じで、気持ち良くしてたなら。そりゃ、玲央と、そういうことしたい人は、絶対いっぱい居ただろうなあ……と、しみじみ思ってしまう。

 オレに触ってる時の、優しい瞳が、あんな風に、他の人にも向いてたのかなと思うと、ちょっぴり胸が痛いのは、これが嫉妬というものなのかなあ。なんて思ったりもするけど。


 ……でも、前のことは言ってもしょうがないし。
 今の瞳が、オレをまっすぐ見てくれてるのは信じてるし。

 今の玲央が、大大大大好きなので、そこのちょっびりの胸が痛いのなんて、遠くに簡単に投げ捨てられる気がする。


 玲央は、そういうこと、経験がたくさんあって。
 なんかもう、それを最大限オレに使ってる気がする……。

 もう、死にそうに気持ち良くて、怖くなる位。
 なんか、頭、ぷちってなって、どっか行っちゃうんじゃないかなとか。
 真っ白になってるのに、さらに続けられると、なんかもう我慢できなくて、すごい泣いちゃうのだけど、玲央は、それを可愛いって、すごく言う。


 いつもめちゃくちゃ優しくて。
 でも、だんだん激しくなってきてからの玲央は――――……なんか、すごく強引に、なって。
 少し逃げようとすると、ダメだよ、と止められる。
 めちゃくちゃ、気持ちよくさせられて、息もまともに出来ないオレにめちゃくちゃ激しく触れて。


 ……なんか。


 オレを組み敷いて、逃げないように押さえて、オレを、抱く玲央は。
 すごくすごく色っぽくて、カッコいい。

 見上げて、玲央を見てるだけで、心臓が壊れそうにドキドキするし。
 抱き付いた玲央の体が、汗ばんでて、すごく熱いっていうだけで、玲央が興奮してるのかと思うと、ゾクゾクして、死にそうなくらい。

 もう無理って感じになって――――……。
 


「――――……」


 玲央は、オレが少し動くと起きちゃうので、どこも動かさないように、そーっと、視線だけ上にあげて、オレを抱いてる玲央を見つめる。


 ……カッコいい。綺麗。
 ――――……いつも優しすぎる位、優しいのが、少し強引になる所も。


 ……めちゃくちゃ好きで。


 もう、死ぬほど好きなんだけど、どうしたらいいんだろう。
 とか。

 真剣に思ってしまう。


 ――――……唇が、目の前にある。



 シてる時の、玲央の息が、熱くなるのも。
 は、と息遣いが耳元で響くのも。

 思い出しただけで、死にそう……。


 きゅー……と、締め付けられて、胸が痛い。



 ヤバい。
 

 キス、したい。



 ――――……したら、起きちゃうかな。
 ……起こしたくはないな。

 オレ、肌、サラサラしてるし。
 きっとまた、綺麗にしてくれてから、寝たんだよね。

 オレ、いつ、寝ないで済むようになるのかな……。
 いっつも綺麗にしてもらって、申し訳ないけど……。


 ……だから、せめて起こしたくはないんだけど……。



 ――――……キス、したいなぁ。

 じー、と玲央の唇を見上げて、瞬きを繰り返す。




 

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