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◇同居までのetc

「際限なく」*玲央

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 バスルームから出てきて、コーヒーを淹れながら。
 ソファに座って、ぽわぽわしてる優月に視線を向ける。


 優月と学校で別れた後は、皆でカラオケに行った。
 面倒だからって、昔からのグループに適当に誘いを入れたらしくて、結局男女あわせて、十五人位が集まった。一通り歌ったり食べたりしたところで、そういえば、と話が振られた。
 オレが最近マジで付き合い出したという噂が飛んでるらしくて。それが男だってことも。まあ、隠す気もないから、そう、とだけ答えて、優月の名前までは出さなかった。何となく、大騒ぎで触れ回られるのも嫌だったから。

 オレがそうしたからか、勇紀達も名前は出さず、ただ、相当デレデレだから、みたいな事を言ってた。

 で、皆にからかわれながら、先に切り上げて、優月を迎えに行って――――……優月は優月で、オレの家のことを心配して、オレの名前は言わなかったらしい。……まあ、バレていた気がするけど。

 連れて帰ってきて。
 ――――……とけるキス、とか、可愛すぎる優月に、キスしまくって、触れて、イかせて。どろどろにとけるみたいに、気持ち良くして。

 最後まではしなかったけど――――……結局、びくびく震えて喘ぐのが可愛すぎて、まあ。
 さんざん乱して、触れて、最後また、一緒にイッて。


 綺麗に洗ってやってから出てきたけど。
 ドライヤーをかけてる間から、こっちに来ても、なんだかもう、ぽけーと、のぼせてるみたいな顔をしてる。


 コーヒー淹れてやるから待ってて、と言ったら、ふらふらー、とソファに歩いていって、ソファに乗っかって、クッションを抱き締めて寄りかかってる。


 ふ、と苦笑い。

 あれ、復活するかな。
 ……ちょっとやりすぎたかな。

 キス、しすぎたし、イかせすぎたかも。
 だって、なんか、すげー可愛すぎて。やばいんだもんな、優月。


 外で見てると、純粋というのか、純朴っていうのか。
 可愛いしかないんだけど。

 キスして触れると、ものすごく素直に、気持ち良いのを受けとめるというか。反応も可愛くて。涙目で見られると、一気にクるし。

 ――――……余裕なくなって、待って、とか言われてんのに、待ってやれなくて、無理、なんて言って触り続けて乱すとか。
 ……ちょっとやりすぎで、ひどかったかな……と自覚する。

 シャワーからこっち、何もしゃべんないんだよな……。
 さすがにちょっと、怒ってる……?


 思いながら、コーヒーのマグカップとアイスを、優月が居るソファのサイドテーブルに置いた。

「あ」

 近づいたオレを、優月が、ふ、と見上げる。

 じ、と見つめて。
 それから――――……。


「……ありがと」

 ぽわん、とした顔のまま。
 にっこり、微笑む。


「――――…………」


 ……可愛い。
 なんなの、これ。


 すり、と頬を撫でる。


「……しゃべんなかったけどへーき?」
「ん?……あ、うん……」

 頬に触れてる手に、すり、と頬を寄せてくる。


「なんか……きもちよすぎて、頭、ずーと、ぼーとしてて……」

 ほわわん、としか表現できない顔で笑って。
 オレを見つめてくる。




 ――――……ヤバいな、これ。 

 際限ない位、可愛いって思うんだけど。どーすっか……。



 いや、どーすっかも何も、アイス、食べさせてやんないと。


 思って、優月にアイスを差し出すと。
 また、ありがと、とぽわぽわ笑う。


 ……だめだオレ。
 いつからこんな、ぽわぽわが、こんなに愛おしくなってんだか。


 ヤバすぎる。
 もう可愛い、しかない。





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