【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

悠里

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◇同居までのetc

「とけすぎ」*優月 ※

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「……んっ――――……んん……ふ……」

 キスだけしか、されてないのに。
 熱くて熱くて。息が、上がって。

 うまく吸えなくて、少し唇を外すとくぐもった声が上がるけど、そこをまた深く塞がれる。


「……っん……ん、ぁ……っ」

 玲央の背中に回した手で、服を握り締める。
 舌を絡め取られて、吸われて、舌が引きつると、声が漏れる。
 少し、痛いような。――――……でも、また柔らかく舌を噛まれると。ゾクゾクして。際限ないみたいに熱くなって、汗が、滲む。


「……っんン……」

 少し顔を引いて玲央の唇を外して、ふは、と息を吸うと。


「鼻で吸えって……」

 甘いとしか思えない声で、柔らかく笑う声がして。
 顎を掴まれて、また重なってくる。


「……ん、んん……っ」

 頭んなか、真っ白。
 気持ちよくて。

 いつもそうなんだけど、勝手に、涙が浮かんで、瞳を開けても視界がぼやける。


「れ、お……」

 後ろ、洗面台によりかかってるみたいにされて。
 玲央の手にも、支えられて。
 

 ひたすら、上向いて、キスされる。


「――――……ん……っン……ん、ぁ……」


 吸われてた舌が戻されて、玲央の舌が、オレの口内に入ってくる。
 ぎゅ、と目をつむると、涙が零れてくけど、そんなの構ってられない。

 いつも、されると、やばいこと。
 玲央の舌に、上顎をなぞられると――――……。


「――――……っっ!」

 びく、と全身が震える。


「……優月、あっつ……」

 唇の間で笑いながら、玲央の手が、下に触れてくる。

「……んん……っ……だっ、て……やだ、さわんないで……」

 玲央を見上げて、そう訴えると。
 じっと見つめられて。――――……ふ、と、苦笑いされる。


「だめだよ、優月」
「……っ……?」

 だめって……?
 玲央を見上げると。

「え。……あ」

 ベルトを外される動きに下を向いて、少し焦る。待って、ともう一度見上げるけれど。一瞬見つめ合った後、クスッと笑われる。

 左手を背中に回されて、ぐい、と抱き寄せられる。
 
「そんな涙目で見られんの、可愛すぎて無理」

 熱っぽい声で耳元で囁かれて、ぞく、と背筋が震える。
 可愛すぎてとか、そんな訳ないと思って、すごく、恥ずかしいのだけど。


 右手は、オレのに、直接触ってくるし。
 抱き寄せられて、深く深くキスされて。


「……っん……ん…… っ、ふ……」


 ダメ、もう無理無理。
 触れられてすぐだけど。もう、無理。

 無理無理、と、めちゃくちゃ首を振ろうと思うんだけど、玲央の左手が後頭部をおさえてて、全然顔、動かせない。


「……っんっ……んー……っ!……っっ」

 玲央の手の中で、すっごく、簡単に。あっという間、に。
 ――――……ていうか。


 早過ぎ……。


「……っふ……」

 なんだか、恥ずかしいのか何なのか、もう複雑すぎる感情に、ぼろ、と涙が零れたら、玲央がびっくりした顔で、オレを見て、少し唇を離してくれた。


「泣くなよ……」

 クスクス笑いながら、玲央が涙を舐める。


「……はは。かわい」

 よしよし、と後頭部を撫でられる。
 そのまま少し離されて。じっと、見つめられて。


「……っ……?」

 なに? と首を傾げると。
 ふ、と玲央が、悪戯っぽく笑う。



「どう? とけた?」

 一瞬、何のことか、分からない。

 とけた?
 あ、とけた。

 さっきの話。
 もう頭、まっしろで、消え去ってた。


「…………っとけ、すぎた……」


 もう、完全にキャパオーバーだよ……。

 オレに触れてる玲央は、まだそのまま、触れたままだし。もう、また反応しそうだし。

「手、離して……?」
「無理」

 笑み交じりで言われて、ちゅ、と頬にキスされて、そのまま、首筋に、かぷ、と噛みつかれる。

 びくん、と、震える。


「……っ」

 オレが、無理だよう……。
 もう、なんか、全部、ビクビクしてる。



 見上げると、本当にこういう時、色気だらけになっちゃう、玲央は。
 ふ、と目を細めて笑うだけで。めちゃくちゃ、カッコよくて。

 ほんとに。
 …………たちうちできないと、思い知る。
 




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