【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

悠里

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◇「周知」

「可愛い」*玲央

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 優月が、大きな窓から外の景色を見ている所に近付いて。
 肩から前へ腕を回して、後ろからぎゅ、と抱き締める。

「――――……」

 優月が黙ったまま、オレを見上げてくる。

「……ん?」

 見つめられて、ふ、と微笑んだら。

「ご、めん。ちょっとはしゃいじゃった」

 優月がちょっと照れたみたいに笑う。

「はは。何で謝ンの」

 言いながら、すり、と優月の顔に頬を寄せると。
 ふふ、と笑いながら、オレを見つめて。


「何しに来たんだろうって、思ってないかなって……」

 一応、ここに来る意味は分かってるみたいだなあと思って。
 そんな言葉に、クスクス笑ってしまう。


「探検楽しそうだなと思ってた」

 笑いながら言うと、優月は、あ、やっぱり、と苦笑い。

「ごめんね、なんか思ってたとこと、大分違うし、なんか色々興味が……」
「今度もっと、ラブホっぽいとこ行くか?」

 オレがクスクス笑いながらそう言うと、優月はふ、と可笑しそうに瞳を細める。

「どういうとこが、ぽいの?」
「もっとド派手なとこ? バスルームが透けて見えるとか… 部屋がキラキラするとか?」
「何で透けるの?」
「さあ…? 透けて見えるって、エロイんじゃねーの?」

 思わずクスクス笑いながら答えると、優月は、透けるってエロイのかーと、頷いてる。……多分よく分かってねえな、これ。赤くもなんないし。
 ……面白ぇな。


 前に回っているオレの腕に、優月が触れて、きゅ、と握ってきた。

「ね、玲央、さっき歩いてた海って、あっちだよね?」
「そう。向こう」

「海、月明かりで綺麗だったねー…」
「ん。そうだな」

 のどかな言葉と声と、手にきゅっと触れてる優月の手。
 それを、可愛いなと思いながら頷いていると。優月が、くるっとオレを振り仰いだ。

 瞳を細めて、顎を、少し上げて、オレを見つめてくる。


「ん?」
「……キス、する……?」

「――――……ん、する」


 ……マジで、可愛い。

 回していた腕を動かして、優月の顎にかけて、そのまま体をオレの方に向けながら、唇を重ねた。

 重ねると同時に、優月が少しだけ唇を開く。
 そういえば、自然と開くようになったなあと気付いて。愛おしくなる。

 舌、入っていいって事だから。

「――――……ン……っ」

 優月の舌に触れながら、深く重ねて、舌を差し入れて絡める。
 舌の裏、弱い。上顎も。そこに触れると、ぴくん、と震える。
 何度も触れながら、舌を吸うと、ぎゅっと瞳を伏せて、ぶる、と体を震わせる。

「――――……ん、ん……?」

 舌を絡めながら、顎と頬に触れてた指をするりと滑らせた。
 耳の周りに触れてから、中をくすぐると。

「っあ」

 咄嗟に声が漏れて、唇が離れた。

「――――……っくすぐ、ったい」
「……ん。そうしてる」

 そう言って笑うと、優月は何も言わず顔を赤らめたまま。
 オレがもう一度キスしようと近づくと、また薄く唇を開きながら、瞳を伏せていく。



「――――……」

 初めてキスした時は、びっくりしてて、目を見開いてて。
 ――――……オレは、まさか優月がキスが初めてだとは思わずに、口開けてって伝えたんだっけ。



「……ン――――…… ん、っ……」

 何も言わなくても口を少し開いてくれて、呼吸も少しうまくできるようになって。絡める舌に、応えてくれるようにもなった。

 指を滑らせて、耳をくすぐって、そのまま、首筋を伝って、鎖骨に触れる。


「……ン、ふ……ぁ………っ」


 ふる、と震えながら、優月の手がオレの腕に触れる。


 気づいて、目をあけて、優月を見ると。
 
 僅かに、眉を寄せて。
 頬、赤くて。睫毛は涙で濡れてるし。

 なんだか、ぞく、と――――……一瞬で、そそられる。


 あーもう……。

 ――――……どーしてこんなに、可愛いかな……。




 ぐい、と腕の中に抱き込んで。
 さらに深く、口づけた。





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