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◇「周知」
「ため息」*玲央
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店に入って、優月が食べたいっていうものを、注文して。
食事をし始めてから。
「――――……美味しい?」
目の前で、モグモグ食べてる優月をしばらく見ていたのだけれど。
ついつい笑ってしまいながら、そう聞いてしまった。
「うん。美味しい」
初めて一緒に食べた時から、何かずっと、思っていたけど。
――――……食べ方が、可愛いって思うって。
一緒に居るってことにおいて、すごく大事なポイントな気がする。
なんかもう、色んな所から、美味しいもの取り寄せて、優月の前に置いてやりたい
……とか思ってしまう。
さすがに自分でも笑えてしまうから、言わないけど。
「玲央は、ここって初めて来たの?」
「ああ。初めて。今から行く所への途中に何かないかって探したから」
「そっか」
「良かった?」
「うん。美味しいー」
連れて来て良かった、と思う。
――――……優月を食事に連れてくと、いつも思うけど。
「あ。そういや――――……明日、優月、なんかある?」
「ううん。授業終わったら無いよ」
「――――……勇紀達と、夕飯行くか?」
そう言うと。優月は、思った通り、「うん、行く」と笑う。
その返事を聞いて、思わずため息をついてしまった。
「え?」
優月がオレを見て、首を傾げてる。
「何でため息?」
「――――……勇紀がうるさいから誘ったけど…… 行ったら行ったで、絶対もっとうるせーだろうなって思ったら、自然と……」
優月は、ぷ、と笑って、オレを見てる。
「笑い事じゃねーぞ、絶対、あれこれすげー聞いてくるだろうし」
「……喜んでくれてるんだよね、勇紀」
ふ、と嬉しそうに笑う優月。
「――――……」
……何だか、少し言葉を奪われる。
……まあ。喜んでるのは分かるけど。
それでもうるせー、と思ってしまうけど。
……こんなに嬉しそうに、そんな風に言われてしまうと。
もう、何も言えない。
「――――……抱き合ってたもんなー」
「え?」
「勇紀と。 ……で、ちょっと泣いてたもんな?」
「――――……だって。なんか……あんなに喜んでくれると……嬉しくなっちゃって」
少し恥ずかしそうに言って、優月が水を飲んでる。
ほんと可愛いな。
しみじみ思いながら。
「……まーいっか……聞いてみる。あ、木曜でも平気か?」
「うん、水木どっちでも」
「とりあえず両方送っておくか……」
「うん」
優月の返事を聞いて、3人とのグループトークの画面にメッセージを送る。
『優月、明日か明後日なら夜空いてるって』
入れて、数秒。既読が1人ついた。
「もう誰か見たな……」
「早いね。誰かなあ?」
優月が食べながら、ふふ、と笑ってる。
『絶対明日―! 皆平気だよね? ていうか平気にして』
と。勇紀からすごい勢いを感じる返信。
苦笑いしながら、優月にスマホを向ける。
「ん――――……? あはは。おもしろい、勇紀」
優月がめちゃくちゃ楽しそうに笑ってるが。
いくら優月が可愛くても。ちょっとげんなりしてくる。
――――……やっぱり、すっげー、うるさそう……。
騒いでも良い店、探そう。個室だな、絶対に。
食事をし始めてから。
「――――……美味しい?」
目の前で、モグモグ食べてる優月をしばらく見ていたのだけれど。
ついつい笑ってしまいながら、そう聞いてしまった。
「うん。美味しい」
初めて一緒に食べた時から、何かずっと、思っていたけど。
――――……食べ方が、可愛いって思うって。
一緒に居るってことにおいて、すごく大事なポイントな気がする。
なんかもう、色んな所から、美味しいもの取り寄せて、優月の前に置いてやりたい
……とか思ってしまう。
さすがに自分でも笑えてしまうから、言わないけど。
「玲央は、ここって初めて来たの?」
「ああ。初めて。今から行く所への途中に何かないかって探したから」
「そっか」
「良かった?」
「うん。美味しいー」
連れて来て良かった、と思う。
――――……優月を食事に連れてくと、いつも思うけど。
「あ。そういや――――……明日、優月、なんかある?」
「ううん。授業終わったら無いよ」
「――――……勇紀達と、夕飯行くか?」
そう言うと。優月は、思った通り、「うん、行く」と笑う。
その返事を聞いて、思わずため息をついてしまった。
「え?」
優月がオレを見て、首を傾げてる。
「何でため息?」
「――――……勇紀がうるさいから誘ったけど…… 行ったら行ったで、絶対もっとうるせーだろうなって思ったら、自然と……」
優月は、ぷ、と笑って、オレを見てる。
「笑い事じゃねーぞ、絶対、あれこれすげー聞いてくるだろうし」
「……喜んでくれてるんだよね、勇紀」
ふ、と嬉しそうに笑う優月。
「――――……」
……何だか、少し言葉を奪われる。
……まあ。喜んでるのは分かるけど。
それでもうるせー、と思ってしまうけど。
……こんなに嬉しそうに、そんな風に言われてしまうと。
もう、何も言えない。
「――――……抱き合ってたもんなー」
「え?」
「勇紀と。 ……で、ちょっと泣いてたもんな?」
「――――……だって。なんか……あんなに喜んでくれると……嬉しくなっちゃって」
少し恥ずかしそうに言って、優月が水を飲んでる。
ほんと可愛いな。
しみじみ思いながら。
「……まーいっか……聞いてみる。あ、木曜でも平気か?」
「うん、水木どっちでも」
「とりあえず両方送っておくか……」
「うん」
優月の返事を聞いて、3人とのグループトークの画面にメッセージを送る。
『優月、明日か明後日なら夜空いてるって』
入れて、数秒。既読が1人ついた。
「もう誰か見たな……」
「早いね。誰かなあ?」
優月が食べながら、ふふ、と笑ってる。
『絶対明日―! 皆平気だよね? ていうか平気にして』
と。勇紀からすごい勢いを感じる返信。
苦笑いしながら、優月にスマホを向ける。
「ん――――……? あはは。おもしろい、勇紀」
優月がめちゃくちゃ楽しそうに笑ってるが。
いくら優月が可愛くても。ちょっとげんなりしてくる。
――――……やっぱり、すっげー、うるさそう……。
騒いでも良い店、探そう。個室だな、絶対に。
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