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◇「周知」
「プレゼント」*玲央
しおりを挟む【side*玲央】
優月と昼休み後別れて、授業に出た。
5限まで出て、同じ授業だった奴らと駅まで帰る。
「何で今日は駅? セフレんとこでも行くの?」
そう聞かれて、買い物、と答える。何を?と聞かれて、チョコ、と答えると、なんか似合わないと笑われる。
「ってああ、プレゼントか」
と急に納得されて。
プレゼントって程じゃねえけど。味が分からないってちょっと泣いてたな、と優月の事を思い出して、思わず笑いながら、そう、と頷くと。
「何笑ってんの。今何思い出した?」
と突っ込まれる。
「――――……」
優月のことだけど。
「何で? どーいう意味だよ?」
オレを面白そうに見てる相手を見て聞くと。
「なんか、玲央っぽくない顔して笑うからさー。何、相手、可愛い?」
「――――……何、オレっぽくないって」
「えー。……そう聞かれるとよく分かんねえけど。なんか、思いだし笑いとかさ、しないだろ?」
「――――……まあ……」
そういやそうか。
……いやでも最近は。良くしてる気がする。
「相手がすげー可愛いから」
「――――……うわ、すげ。玲央のノロケとか、初めて聞いたかも」
ちょうど駅について。
なんか心底驚いたって顔をしてるそいつに、じゃーな、と言いながら、駅ビルの方に足を向けてから、あ、と振り返る。
「言い忘れた」
「え?」
まだびっくりしてる顔を見ながら。
「オレもう、セフレ居ないし、遊ばねえから、そう思っといて」
「え。……ええっ? そうなの?」
「そーだから。じゃーな」
「ちょ、玲央! 明日話聞かせろー」
「気が向いたらな」
オレが離れる後ろで、「何々? どーした?」と他の友達が聞いてる。セフレが居ないって、あんな感じで全員に広まってけばいーけど。
そんな風に思いながら別れて、店内の案内表示で、あのチョコの店の場所を見つけてまっすぐ向かう。
先週も結構遅くまでやってたし、そんなに急ぐ必要はないと思うけど。
遅れて外で待たせるとかは嫌だし。
そんな風に思うと自然と足が速まる。
「いらっしゃいませ」
店員に2つずつ全種類を詰めてもらうように頼む。
「プレゼントですか?」
頷くと、包装の種類を聞かれる。
――――……めちゃくちゃキラキラした金の包み紙に、リボンがかかった派手な包装を選んでみる。
すげー「プレゼント」って感じ。
可笑しくなりながら頼んで、少し待って受け取った。
……チョコ食べさせて、キスしてた時の優月。
すっげー可愛かったなー……。
何であんな、可愛いんだろ。
もう、そのままベッド連れてって、あのトロトロした顔、そのまんま、もっと――――……と。
すぐそっちの方に思考が行く自分に呆れつつ。
――――……でも可愛いから仕方ないなと思いながら歩いていた時。
香水の店の前を通りかかった。
中に入ってみると、香水だけでなく、石鹸や入浴剤やアロマオイル。
いい香りの物がたくさん置いてある店だった。
入浴剤、買ってって、一緒に入ろ。
と思って、いくつか選ぶ。
ふと、香水にも手が伸びて。いくつか嗅いでいると、店員が近寄って来た。
持ってたのが「瑞々しい」と書いてあった女物だったからか、「プレゼントですか?」と聞かれて。何となく頷くと。
「どんな彼女さんですか?」
興味津々で聞かれる。
……彼女、ねー。 彼氏、つーのか?
「素直で可愛い感じ、ですかね……」
そう言うと。うわー、いいですねーと、ハートマーク飛ばしてそうな勢いで、あれやこれやと出してくる。
「中性的なのが良いんですけど」
そう言うと、また新たな香水を出してきて並べていく。
その中でふ、と気になったのを手に取ると、試しの紙に香水をしみこませたのを渡される。
「こちらは、男女問わず使って頂けますね。つけ始めはレモンやミントの爽やかな香りで、時間が経つと、今嗅いでいただいた、ムスクが香る落ち着いた香りになります。温かみのある香りなので、人気の商品ですよ」
オレが興味を持ってるからか、ものすごく細かく説明してくれる。
似合うかも。つけてみよ。優月に。
……何もついてないのも可愛いけど。
それを購入して、店を出ると、マンションに向かって急いだ。
チョコ、喜ぶ顔を思い浮かべながら買うのも。
誰かに似合うかも、なんて想像しながら香水を買うのも。
……マジで、初めて。
先週優月の服買ったけど、あの時なんて比べ物にならないくらい、今は優月が可愛くて、選んでるから。
なんか、すごく気持ちが弾む気がする。
――――…… 好きな奴にもの買うのって、こんな感じかーと。
なんか、くすぐったい、感覚がする。
(2022/1/17)
おしらせ♡
◇ ◇ ◇ ◇
こんばんは♡
昨日もお知らせしたんですが♡
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by悠里♡
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