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◇週末の色々
◇しあわせ*優月
しおりを挟む朝は、ホテルのルームサービスを玲央が注文してくれたので、それを待つ間に、一緒にシャワーを浴びた。
ドライヤーで髪を乾かしてくれて。今日は、オレもちゃんと玲央の髪を乾かした。朝から、そんなやりとりだけで、めちゃくちゃ幸せで。
ちょうど乾いた頃、食事が届いて、一緒に食事を始める。
「めちゃくちゃ、美味しい。何、このコンソメスープ……どうやって作るんだろう。今まで飲んだ中で一番美味しいかも……」
透き通ったコンソメスープの美味しさに、感動していると、玲央がふ、と瞳を緩めた。
「ほんとお前、美味いもん、幸せそうに食べる」
クスクス笑って、玲央が言う。
「そういうとこ、すげー好き」
「――――……」
――――……起きてから1時間位の間に。
何度も、玲央にキスされて。
なんか。好きってめちゃくちゃ言われて。
現実感が無いというのか。
なんか。なんだろう、この、玲央の好き好き攻撃。
なんか、幸せ過ぎて。嬉しいけど、どうしたらいのか分からないような、変な感じ。
ひたすら幸せ気分で食事を終えて、昨日のスーツを着て身支度を整えた所で、急に玲央に、抱き寄せられた。
「まだ時間、あるよな」
「ん、30分位」
「じゃちょっと来て」
「ん」
ソファに、並んで一緒に座る。
改まって、なんだろうと、ドキドキしながら玲央を見つめると。
「まだこの話、ちゃんとはしてなかったと思って……何となく話してたしもう大体分かってると思うんだけど」
「うん」
「……オレが何で恋人作らず遊んでたかって話」
「あ、うん」
「……1人と付き合うと、その子の嫉妬すごくてストーカーみてぇになったり……他の女子ともめたり、結構色々あってさ。最初はオレが悪いのかと思って色々試したけど――――……最後はいつも修羅場でさ……オレ、そういうのがものすごく嫌で」
「――――……」
「もう楽しめればいいやと思って、セフレでもよければいいけど、とか言い出したら、結構それでも良いっていう奴も、多くて……それが楽になって」
「……ん。それはオレも、いいよって言っちゃったから……分かる」
きっと、その人達は、玲央の事が大好きなんだと、思う……。
ふ、と玲央が苦笑い。
「オレ、恋人っていう言葉に、拒否反応が強くて」
……うん。
……モテすぎるのも、ほんと、大変なんだなあ……。
皆、玲央を束縛して、自分ので居て欲しい、んだろうなあ……。
……分かるけど。
「――――……で、オレが気になってるのが、さ。優月さ」
「ん?」
「男同士だし恋人は無理って、言ったよな」
「……うん。言った」
「今も、無理なのか?」
「……あれは……違う、そういう意味じゃないよ」
じっと、玲央を見上げる。
「女の子でも本気になったら終わるって聞いてたから……男なのに恋人になりたいなんて、言える訳ないから、そう言った」
「――――……んじゃあ……」
「うん?」
「オレと恋人の可能性はある?」
可能性……?
「可能性って、いうか……」
なりたい、けど。なれるなら。
そう言おうと、思って、玲央を見上げたら。
「あ、待って.オレから言うから」
「……?」
「恋人は無理って言ってたのが気になって聞いてるだけ……オレから言うから少し待ってて」
「あ、うん……無理っていうのは玲央が無理だよねって、ことだったから」
「ん、わかった。悪いな、片付いたらって思ってんのに、オレんち来てとかだけ、先に言って」
よしよし、と髪を撫でながら、玲央がそんな事を謝ってる。
「……だってそれは今日もどうするかって話だから、先なんでしょ?」
「ん。そう」
「大丈夫だよ、玲央。まださ、オレ達、会ってから1週間なんだし。全部、そ
んなに急いで完璧にしなくても全然平気」
「……」
「オレ、セフレにしてもらおうと思ってた位でさ……玲央が会いたいと思ってくれる時に、会ってもらえればいいと、思ってた位なんだから……今の状態、夢みたいだし」
玲央はふ、とオレを見て、それからぎゅーと抱き締めてきた。
「――――……優月」
「……ん?」
「…………可愛い」
更にむぎゅと抱き締められて、何だか笑ってしまう。
甘えられてるみたいに、すり寄られて。
なんかまた、玲央が可愛いなあ、なんて思いながら、背中に腕を回した。
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