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◇週末の色々

◇愛しい*玲央

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 優月が、愛しくてどうしようもなくて。
 結局、思うままに抱いてしまった、気がする。

 上擦ったみたいな声で、何度も名を呼ばれてる内に、可愛すぎると思って、あんまり呼ぶなと言ったら、ものすごい不思議そうな顔されて。もう、マジで可愛いと思ったら。耐えられなくて。

 終わるつもりがなかったのに、我慢できないとか。
 初めてだったかも。

 はー。……かっこ悪。

 向かい合わせで抱き合って。
 それからまた、ベッドに寝かせて、めちゃくちゃ、抱いた。

 中を突くと、乱れて。
 いつもの可愛らしい優月は、完全に居なくなって。

 まだ、それがそんなに気持ちいいのが信じられないみたいで。
 涙、いっぱいにして。

 めちゃくちゃ色っぽく、喘ぐから。
 途中から加減が出来なくなって。


 結果。
 ――――……終わると同時に、優月は。
 オレの腕の中で、完全に、寝落ちてしまった。
 


「――――……優月……」


 くた、と腕の中で、柔らかい。


「――――……」

 涙。零れた後。
 ああ、もう。本当に。

 ――――……可愛いし。

 優月の頬に触れて、涙の跡を、すり、と擦る。 
 目の下のほくろ。これほんと、エロい……。

 くす、と笑って、すりすり触れる。


 昨日、一度繫がりはしたけど。
 ちゃんと、最後までしたのは、初めてだったのに。

 善がって、しがみついて――――……ほんとに可愛かった。


 普段、純粋な奴が乱れると。
 こんなエロいのかな……。

 いつも優月が眠ってしまった後は、離れて、拭いてやったりするのだけれど。今日は何となく、離したくなくて。


 目が覚めるまで、こうして居ようと思って。
 そのまま、腕の中に抱き込んだ。



『最初、のキスからずっと、気持ちいいしか、ないよ』


 抱いてる間、ずっと可愛いこと言ってたけど。
 このセリフが。
 マジで、愛おしかった。


 最初のキス。
 ――――……初めて会って。

 いきなり、キスしていい?て聞いて。
 ――――……優月のファーストキス。奪って。

 今思うと、こんな純粋な奴捕まえて、とんでもない事したけど。

 あれ、1週間前か。
 ――――……ものすごく、遠い昔な気がする。
 
 こんなに可愛いと思うようになるとか。
 ……想定外だけど。



 その時。
 ぴくん、と優月の手が動いて。

 のろのろと、腕が、上がった。
 自分の額に手を当てて、多分、どうしてたかを思い出してる。

 後ろから体を起こして、優月の背をベッドに組み敷いて、上からのぞき込んだ。

「玲央……」
「大丈夫か?」

「……うん。――――……オレ、どれくらい、寝てた?」
「ほんの少しだよ。抱いてたから、寝辛かったのかも」

「ううん。平気……」

 じ、と下から見つめられる。
 自然と笑んでしまいながら、ちゅ、とキスした。

「――――……なんか離したくなくて、今日はまだ後始末、してない」
「……いいよ、そんなの。ていうか……いつもごめん」

 困ったように言う優月に、ごめんじゃないよ、とまたキスする。


「――――……」

 そのまま、ぎゅと、抱き締める。


「――――……なんかオレ今、会った時の事、思い出してた」
「……そうなの?」

 優月に、クスクス笑われる。


「結構、オレ、とんでもないよな。いきなり初キス奪ってさ。オレと寝ようとか誘ってさ……」

「――――……んー?」


 優月が、間延びした感じでゆるーく返事をして、ぷ、と、笑ってる。


「玲央じゃなかったら――――……何回もキス、してないけどね」


 そう言って、じっと見上げてから。


「……あんな風に、キスする人は、なかなか居ないと、思うけど」

 クスクス笑う。




 

 
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