【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

悠里

文字の大きさ
上 下
215 / 838
◇週末の色々

◇可愛い*玲央 ※

しおりを挟む


 食事を終えて、速攻片づけてもらい、2人きりになって即バスルームに連れ込んだ。

 まだ一緒にシャワーを浴びるのに全然慣れなくて、恥ずかしがってる優月は可愛くて、本当はもう、今すぐ触れてめちゃくちゃに抱きたい気分だったけれど、バスルームだと優月に負担がかかりそうだし、ベッドでと決めた。

 優月の頭を洗ってやって、体も洗い終えると、今日はさっさとバスルームから連れ出した。

 バスタオルで巻いてやると。
 何か、クマの着ぐるみが似合いそうだなと。
 めちゃくちゃ可愛いと思ってしまって、キスしてしまう。

 なんなの、この可愛いの。
 もう、20歳だよな? オレとタメだよな? ……なんでこんなに可愛い訳。

 キスしてしまうと、余計に、マジで早く触りたい。

 ――――……けど。
 優月の髪だけは乾かしてやりたい気もして。
 ドライヤーの準備をしていると。

「……なんか、何してても、カッコイイんだもん。 バスローブ着てるだけで、こんなにカッコいい人、居ないと思う」

 役者とかどう?とか聞いてるし。
 何を言ってんだか、優月。

「役者……考えた事ねえな」

 思わず笑ってしまう。
 向かい合ってドライヤーをかけてやってると、優月は俯いている。

 大人しい優月が可愛くて、優しく手で髪に触れながら温風を当てていると。
 ――――……出会ってから毎日、こうして優月の髪に触れているなあなんて、しみじみ思って。


「お前の髪、ほんと気持ちいい」

 なんか、ほんとに可愛いなと思ってしまう。

 乾いてきたな。
 ふわふわしてきた。
 
 そこでふと。優月がずっと俯いたまま、全然顔を上げない事に気付いて。
 どうかしたか?と言おうとした瞬間。

「?」

 優月の手がゆっくり動いて。バスローブから中に入って、胸に触れてくる。

「……優月?」

 どうしたんだろうと思って。ドライヤーを終わらせると。


「――――……あ、のね……」
「うん?」

「あの……なんかオレ……」
「……」


「玲央に触りたくて……」

 ぎゅ、と瞳を閉じて、言われて。ドライヤーを置いて、引き寄せる。

 ――――……人が、どんだけ、我慢してると思ってんの、優月。

 まだ、経験、浅いし。
 そんなにがっつくわけにもいかない、と思って。緩くしてやってるのに。


 深くキスして。

「……んっ……」

 少し苦し気に、声が漏れるけれど。
 ――――……そのままキスしたまま。
 優月の手を、オレの胸に触れさせる。

 自分から触れてきて、触りたいとか言ったくせに、触らせたら、ものすごく、恥ずかしそうで。

 ドキドキしてますって、顔、してて。


 あーもう、ほんと、可愛いな。



「……ん……ふ、は……っ」

 遠慮がちに、すり、と触れてくるのが可愛すぎて、思うままキスしてると、苦しそうに喘いで、離れようと引く。

「息、吸って」

 少しだけ待って、また塞いで、今度は逃げられないように、優月の頭を手で引き寄せたまま、キスする。


「……んン――――……」

 びく、と体が震えるのが。
 愛おしすぎて。



「……れ、お……」

 熱っぽい声で名前を呼ばれたら。
 もう、限界で。

 優月を引き寄せて、抱き上げた。


「……も、ベッドいこ、優月」
「あ、玲央、髪……」

「髪?」

 って何だ?

「ドライヤー……」

 ――――……今、この状態でドライヤー?
 かけてくれようとしてんの?

 なんかほんと――――……笑ってしまいそうになる。


「オレはいい。つか、無理。待てない」
「――――……」

 言ったら、優月は言葉に詰まって。
 オレに抱き付いてきた。



 ほんとに。
 ――――……なんでこんなに可愛いかな。



 可愛いだけなら、そのまま撫でてやってりゃいいけど。
 ――――……なんで、こんなに、興奮すんだか。


「…玲央」

 抱き付いてる優月が、名前、呼んでくる。



 ……暴走しそうで。
 ――――……は、落ち着け、と思いながら。小さく息を付いた。









しおりを挟む
感想 791

あなたにおすすめの小説

オメガの復讐

riiko
BL
幸せな結婚式、二人のこれからを祝福するかのように参列者からは祝いの声。 しかしこの結婚式にはとてつもない野望が隠されていた。 とっても短いお話ですが、物語お楽しみいただけたら幸いです☆

学園の俺様と、辺境地の僕

そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ? 【全12話になります。よろしくお願いします。】

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

【完結】守護霊さん、それは余計なお世話です。

N2O
BL
番のことが好きすぎる第二王子(熊の獣人/実は割と可愛い) × 期間限定で心の声が聞こえるようになった黒髪青年(人間/番/実は割と逞しい) Special thanks illustration by 白鯨堂こち ※ご都合主義です。 ※素人作品です。温かな目で見ていただけると助かります。

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

【完結】ここで会ったが、十年目。

N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化) 我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。 (追記5/14 : お互いぶん回してますね。) Special thanks illustration by おのつく 様 X(旧Twitter) @__oc_t ※ご都合主義です。あしからず。 ※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。 ※◎は視点が変わります。

公爵家の五男坊はあきらめない

三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。 生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。 冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。 負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。 「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」 都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。 知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。 生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。 あきらめたら待つのは死のみ。

処理中です...