115 / 825
◇お互いに。
「可愛いとしか」*玲央※
しおりを挟むキス。 したい。
……可愛い。
「……ん……っ……」
絡めた舌を、ゆっくりと外した。
ふ、と瞳が開く。
「……れお……」
じ、と見つめられる。
「……ゆづき?」
「……玲央、あのね……」
「ん?」
「……舐めていい?」
「……ん?」
今なんつった?
「玲央の、舐めたい」
「――――……」
キスでぽわんぽわんしてる顔で。
――――……じっと下から見上げてくる。
「オレの? ……フェラすんの?」
「……っ……うん、する」
はっきり口に出したら、一気に赤くなって。でも、うん、と頷いてる。
「……いーけど。何でしたい?」
「――――……玲央、ばっかりするから……オレも何かしたい」
……なんだそれ。……可愛い。
「……いーよ。ここ、座ればいい?」
「……うん」
一生懸命な顔をしてるのに笑ってしまいそうになるけれど。
そこはちょっと堪えながら、バスタブの端に腰かける。
意を決したような顔で、足の間に入ってきて。
手でそっと触れて、じっと見つめてから、ぱく、と口に含んだ。
「――――……ん……」
……んー。
――――……まあ。……下手、なんだけど。
つか2回目。うまい訳ないんだけど。
「優月、こっち、向いて」
頬に触れて、顔上げさせようとすると。
ちら、と上を見て目が合った瞬間。
ぎゅ、と目を閉じて、下を向いた。
「……恥ずかしい?」
「……っ」
うん、と頷いてる。見つめあったままやる、とか、無理か。
くす、と笑ってしまう。
「――――……最初は無理に口に入れなくていいよ。舐めて?」
「ん……ふ……」
うまくはないんだけど。
一生懸命なのが可愛くて、興奮する。
「ん、そこ、強くして」
「……ぅん……ん、ふ……」
たぶん、オレがやってるの、まねしようとしてるんだろうけど。
まだまだ拙くて――――……どこまでも、可愛い。
「優月の口んなかの気持ちいいとこに、当てて?」
「……ぅん……」
下に居る、優月を見てると、目に映る乳首。
悪戯したくなって。そっと、胸に手を這わせて、乳首をきゅ、とつまんだ。
「――――……っ」
ぱ、と咄嗟に口を離す優月。 オレは、優月の頬に触れて、撫でた。
「そのままやってて。口、入れられる?」
「 ン――――……んん……っ」
爪先で、弄り続けてると、何度か口から外しそうになりながらも。
また頑張って、続けてる。
首筋につ、と指を這わすと、「ん」と声を上げて。
しばらく頑張っていたみたいだけど。
ふる、と首を振って、見上げてきた。
「れお、でき、ないから……さわんないで」
とろん、と上気した顔で。
完全に涙を浮かべた瞳で、途切れ途切れ言われると……。
「……可愛いなぁ、お前……」
涙を拭き取って。親指で唇に触れる。
「オレ、最後までしたいから、邪魔しないで……?」
「――――……分かった」
ふ、と笑ってしまいながら、手をバスタブの端に戻す。
292
お気に入りに追加
5,207
あなたにおすすめの小説
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
転生令息の、のんびりまったりな日々
かもめ みい
BL
3歳の時に前世の記憶を思い出した僕の、まったりした日々のお話。
※ふんわり、緩やか設定な世界観です。男性が女性より多い世界となっております。なので同性愛は普通の世界です。不思議パワーで男性妊娠もあります。R15は保険です。
痛いのや暗いのはなるべく避けています。全体的にR15展開がある事すらお約束できません。男性妊娠のある世界観の為、ボーイズラブ作品とさせて頂いております。こちらはムーンライトノベル様にも投稿しておりますが、一部加筆修正しております。更新速度はまったりです。
※無断転載はおやめください。Repost is prohibited.
浮気されてもそばにいたいと頑張ったけど限界でした
雨宮里玖
BL
大学の飲み会から帰宅したら、ルームシェアしている恋人の遠堂の部屋から聞こえる艶かしい声。これは浮気だと思ったが、遠堂に捨てられるまでは一緒にいたいと紀平はその行為に目をつぶる——。
遠堂(21)大学生。紀平と同級生。幼馴染。
紀平(20)大学生。
宮内(21)紀平の大学の同級生。
環 (22)遠堂のバイト先の友人。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる