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◇2人の関係

「分かんねえ」*玲央

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 それから、めちゃくちゃキスしながら、優月の体に、触れた。

 何をしても、びくびく、震えすぎ。
 何度か分からない位イかせて。喘がせて。抱き付かせて。

 もう無理、と落ちそうな優月に気付いて、昨日と同じで、一緒にイって、終わりにした。

 またしても、目があけてられないと言った風で、ふ、と意識を手放した感じ。めちゃくちゃ、ぐったりしてる。

 しばらく、頬に触れ、髪を撫でて、見つめて過ごした。
 無邪気な寝顔が、可愛く見えてしょうがない。

 シャワーを浴びてから、優月を軽く清めて、同じ布団に脚だけ入れて座ったまま、ぐっすり眠ってる優月を見下ろす。


 2日続けて、同じ奴と過ごすの、久々。
 ……可愛いとか、こんなに思ったり、相手に言ってしまうのは、初、かも。


 勘違いさせないように。執着させないように、余計な事を言わないで付き合って来たのに。

 ……なんか、優月なら、大丈夫なんじゃないかと――――……。
 思っちまってるのかな。

 可愛いと、優月に言っても。
 あんな風に、モメたりすることには、なんねえかな、とか。


 まだ会ってからほんの数日。
 1日目は、ほんの数分。で、昨日と今日、夕方から過ごしただけ。

 一緒に過ごした時間、ものすごく、短い。

 まだどんな奴か、分かったと言えるほどの時は、過ごしてない。


 ――――……つーか。

 セフレが嫌だとか。
 ――――……体全部オレのにしたいとか。


 よっぽどオレの方が、執着してる気がする。


 なんだ、オレのにしたいって。
 ……何言ってンだ、オレ。


 自分が、とんでもない事を言ってるのに気づいた。



 セフレは、お互い干渉しない、束縛しないって。
 ……どの口が言ってんだ。


 ――――……つか、でも。

 この関係をセフレにしようっつったのは、優月で。
 ……オレじゃねーし。

 1日中モヤついていた事が、またよみがえってくる。


 ――――…………お前、ほんとに、セフレでいーの?


 そっと、頬に触れる。



 でも……よく考えたら、こいつって、なんでオレと会ってんだ。

 男無理って言ってたし。もともとは、男は対象外なんだろうし。

 オレを見てすぐ赤くなるし、態度を見てても、好意はあるんだろうけど…。

 「セフレ」って。
 優月の、柄じゃねえよな。
 
 真剣にお付き合いした人としか、そんな事はしませんって、
 そういう事を、誰よりも言いそうなタイプな気がするのに。


 …………付き合ってください、じゃなくて。
 セフレにして下さいって。


 …………良く考えたら、マジで、何だそれ?


 優月は、オレが他の奴抱いても、全然良いって事か?
 ……そこまで考えてないとか?

 ……オレも、確かに、「寝てみないか」っていう誘い方、したし。



 だとしたら、今って、「寝てみてる」だけ……か?



 優月、最初に会った時、オレと一緒に居たいかも、て言ったよな。
 ……居たい、かも。


 ……かも。



 ――――……ちょっと意味わかんねえ。



 考えてる事全部、全く答えも出ないし、考えていても意味すら分からない。


 知らず長いため息をついて。
 肘をついて、優月の方を向いて、横になった。空いてる手で、優月の髪や頬に触れる。


 そもそも何をどう考えたいんだか、よく分かんねえな。


 なんだかものすごくモヤモヤするのだけれど。
 無邪気な寝顔をじっと見てると、ふと、口元が緩む。


 それに気づいて、少し顔を引き締めて。



 またよく分からない感情にモヤモヤしながら。
 かなりの時間、優月を見て過ごしてしまった。








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