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◇2人の関係

「特別?」*玲央※

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「優月……言う事、聞けるか?」
「……」

 じ、と見つめてくる。

「……笑わないなら、聞く」
「……ん」

 返事しながらも、ふ、と口元が緩んでしまう。

「なあ、オレ――――……バカにしてるとかじゃないから」
「……」
「……可愛く思ってるだけだから」
「……っ」

 また赤くなる。
 ほんと……可愛いな。

「優月、うしろ、一旦力入れて、締めてみな?」
「――――……っ」

 息を潜めて、後ろに力を入れて締めて。
 少しすると、ふ、と力が緩む。


「緩めるのこんな感じ。……覚えて」
「……っ……っ」

 緩んだ中を少し進めて、ゆっくり慣らす。

「……ふ……っ……」

 鏡に完全に上半身を預けて、腰だけこちらに向けてて。
 泡だらけの、びくびく震える、体も。――――……全部エロ過ぎ。

 このまま入れて、めちゃくちゃ揺さぶりたい。
 なんて。
 ヤバい衝動が、沸き起こるけど。


「――――……この、かっこ……っ恥ずかし……っ」

 体勢だけで恥ずかしがってるし。
 ……こんなとこじゃ無理。分かってるけど。

「……中、痛くはないだろ?」
「……っ」

 こくこく、頷いてる。が、しかし。
 なんか――――……全身、力、入りすぎ。


「優月…」

 耳元で囁く。びく、と揺れた体を後ろから支えて、空いていた左手で胸に触れた。

「……っあ」

 胸の先端を刺激すると、短く声が上がる。
 胸に気を取られてる間に、少し奥まで挿し入れて中を慣らしていく。

「……んっ……や…」

 両方の刺激に耐えられないのか、ぶるぶる首を振ってる。


「――――……指2本入れたけど……痛い?」
「……っ」

 首を横に振ってる。


「我慢できてエライな、優月……」

 くす、と笑ってそう言うと。後ろがきゅ、と締まった。
 ――――……なんかもう、小さな反応すら全部可愛い。


「……優月……泡流すよ」
「……っ」


「指抜くから。……力、抜いてみな」
「……っ」

 ゆっくりゆっくり、力を抜いた優月。そっと、中から指を抜いた。
 体の泡を流して、中の泡も綺麗に流して。

 真正面から向かい合って、ぼうっとした顔してる優月に、クスクス笑ってしまう。笑うなと言われるけれど……可愛くてしょうがない。

「……どうだった?」
「……どうだったって……」

 困ったみたいにオレを見上げ。
 それから、んー……と考えて。

「……入る、んだって……びっくり……」

 あ、そこの感想か。
 気持ちいいとか、気持ち悪いとか、じゃなくて。

 入るかどうか、が来るわけね。

 くす、と、笑ってしまうと。

「……っ……何で玲央って、笑うの?」

 あ、また拗ねた顔してる。

「玲央、昨日もよく、笑ってたし。こういう時、笑うもの……?」
「――――……普段あんま笑わねえけど」

 今だって、こらえなければ笑ってしまいそう。

「……可愛くて、笑ってる」
「玲央、可愛いって、めちゃくちゃ言うんだけど――――何が……」
「……何がって――――……全部……」


 ……ああ、オレ。
 普段誰にも……可愛いとか、言わないようにしてんのに。
 
 全部可愛いとか、もう、ほんと、何言ってンだ、オレ。

 しかもめちゃくちゃ言うとか、優月は言ってるけど。
 オレ、思った回数の半分も、言ってないはず……。

 

「――――……」

 ちゅ、とキスして。
 深く唇重ねると、息をするのに一生懸命。
 でも少し、舌で応えてくるようになった気がする。

 ……可愛すぎ。
 なんでこんなに、ツボなんだろ。 


 よく考えたら、学校で会った奴にいきなりキスして誘うとか。
 さすがに、あんな事、初めてだったし。


 ……乱したら、どうなるかなんて、
 そんな風に思ったのも、初めてだった。



 初めて会った時から。
 笑った顔に、惹かれて。
 ……触りたいとかキスしたいとか。


 ――――……なんか、特別だったんだな、と改めて思ってしまう。






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