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◇2人の関係
「何やってんだ」*玲央
しおりを挟む頼んだ朝食は15分足らずで運ばれてきた。マンションの下に入ってるコーヒーショップのモーニング。マンションの住民にはデリバリーしてくれるのは知ってはいたけど、朝は初めて頼んだ。
トーストと卵とサラダとコーヒー。
テーブルに並べていると、優月が何だか戸惑った顔をしながら現れた。
「どーした?」
「ん……何か、下着」
「ん?」
「……履き心地良すぎて、なんか逆に違和感がある」
何かもぞもぞしてる優月に、むくむくと悪戯したい気持ちが湧いてきて。
「……どれ渡したっけ?」
「黒の……なんかツヤツヤした……」
「見せて?」
「え?」
びっくりしてる優月に近付いて、ベルトを外して、ズボンを少しずらす。
「……っ」
「あーこれね。シルクのだな」
言うと、優月は真っ赤になったまま、じろ、と睨んでくる。
「……っ玲央、からかって遊んでる、でしょ」
「――――……まあ、ちょっと楽しいけど」
「も、離して」
オレに背を向けて、ズボンをちゃんとしようとしている優月を、後ろから抱き寄せた。
「……っ玲央?」
「触りたくなった。少しだけ」
「……っ……」
それ以上何も抵抗しない優月。顔、赤い。
ああ、なんか、すげえ楽しい。可愛いな。
ほこほこ温かい優月を抱き締めて、シャツの下に手を滑らせた。
「ひゃ……っ!」
「……あったけえ」
少しの間すべすべした肌の感触を楽しんでから。
きゅ、と胸の尖りを摘んでみた。
「……や……っ」
思った以上にびくついて、上げた声に自分でびっくりしたらしく、口元を咄嗟に手で押さえてる。
ちゃんと、乳首、感じるようになってんな……。
体すげえ、ぴくぴくしてて、可愛いし……。
そういう恥ずかしそうな態度されると――――……余計……。
ボタンを外してはだけさせて、後ろから、その肩に唇を当てる。舐めるように、噛むように、それから少し吸い付くと。
押さえた口から、んん、と息が漏れる。
……やば。
胸を弄る度、優月の体が小さく震える。
唇を噛みしめて押さえているので、最初みたいな声は出さないけれど、漏れるのがまたエロいって――――……分かんねえかな。
昨日散々、胸と下だけ弄って、気持ちいい事を教えた。
――――……素直に覚えていれば。
そう思って、優月のズボンを少し降ろして、下着の上から触れてみた。
「…………っ……」
ふるふる、首を振って、オレを振り返ってくる。早くも、瞳は涙で潤んでる。
「――――……昨日あんなに出したのにな。もう反応してる」
クス、と笑って、言い、形をなぞるように触れると。
少しのけ反る。
「……っ……んっ……」
「下着汚れちまうから、直にしようか……?」
「………っ」
少し葛藤したらしい。けれど、何秒か後、こく、と頷く優月。
既に熱くなってるそれを、ずる、と引き出して。
直に触れる。ますます、反応する。それはもう、容易く。
なんか。
すげえ可愛いんだけど、どうすっかな……。
「――――……」
……可愛い、優月のこれ。
擦ると、頬も首も火照って、すぐ、ほんのり赤くなる。
「……ふ……っ……」
まだ、口元押さえて、声、出さないようにしてる。
――――……けど、抑えきれないみたいで、漏れて来る。
「……あ……っ」
びく、とのけ反って、柔らかい髪の毛が、肩に触れる。
「れ、お……」
そのまま、すり、と頬にすり寄られて。
どき、とこっちまで胸が弾む。普段あんまり無い感覚に驚く。
……あー……。
……猫みたい、お前。 可愛い。
耳の中を舌でくすぐってやると。
「っやだ……や……っあ……っ!」
すぐ手の中でイッて。 数秒後、涙目で、オレを見上げて。
かと思ったら、そのまま、ぺたん、と床に座り込んでしまった。
「っと……優月?」
「……っ……」
小さく首を振って、俯いてる優月。
「――――……ちょっと待ってろよ?」
手を流しで洗い流して、ローテーブルに置いてあるウェットティッシュを数枚抜いて、少し嫌がる優月の後始末を何とか済ませた。
下着とズボンを上げてやって、外したシャツのボタンを合わせてると。
「……もう……ひ、どいよー……」
「ん……?」
ずっと黙ってた優月が、息を吐きだすのと一緒に、完全な涙声でそう言った。苦笑いが浮かんでしまう。
「……朝からもう、なんか……頭、おかしくなっちゃうよ……」
ペタンと座り込んだまま、ぐし、と涙を拭ってる。
「……ごめん。泣くなよ」
「……っ」
涙を拭い、頬に触れ、髪をなでる。
しばらくそうしてると、優月は、じっと、オレを見つめた。
「も、大丈夫……ごめんね……」
「何でお前が謝んの?」
「……っ直に触ってって、オレ、頷いたのに……泣いて……」
カッと赤くなりながら言った優月の頬に、キスする。
「まあ、それもオレが言わせたんだけど……」
「……なんか、オレばっかり、こんな風にしてて、玲央は、楽しいの?」
「……それがさあ。何でか、すげえ楽しいんだよな……」
思うままそう答えたら。きょとん、とした優月が、ぷ、と笑った。
「なんでかって……」
クスクス笑ってる優月の前髪に触れて掻き上げる。
まっすぐ、涙目と視線を合わせる。
少し恥ずかしそうに、視線が下に向いた。
「―――― 食べれそうか?」
「…うん」
腕を軽くつかんでひくと、立ち上がった優月がズボンを直して、ベルトをしめてる。まだ上気したままの頬が可愛く見えて。
顎に手を掛けて、キスすると。
驚いて大きくなった瞳は、けれどすぐに伏せられて。
おずおずと脇腹のあたりに回った手が、服を握り締めてる、ただそれだけすら、可愛く感じてしまった。
……ほんと。オレは、朝から何やってんだ。
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