21 / 838
◇初めての夜
「余裕なんか」*優月※
しおりを挟む「――――……誰かと2人で浴びるのも、初めてだよな?」
「うん……」
「洗ってやるよ」
ふ、と笑った玲央がシャワーを止める。
それから、 ボディソープの泡のついた手が、する、と体を滑る。
「…っ!」
普段自分で体洗うのとき全然違う。くすぐったすぎる。
「あ、……や、待っ、て……っ」
「……覚悟してきたんじゃないの?」
クス、と笑われて。
「……っオレ、洗われてるだけで、変になりそうだから……」
「なっていいけど」
「……っ自分で洗いたいんだけど」
「――――……ダメ。色々、確かめながら、洗うから」
「……っ……ん」
確かめるって……なに……。
首筋に手が滑って、やらしい手つきで、触れられる。
「あ、だ、め……むり……」
ゾクゾクしすぎ。
「……お前がどこが気持ちいいか知りたいから、我慢、しなくていいよ」
「――――……っ」
「あと声、漏れないから、声出していいよ」
「……っ」
背中、腕、胸。
泡のついた手でツルツル滑らされる。
何でこんなとこで、と思うような所で、体が震える。
「……今ぞく、てするとこ……お前がもともと、気持ちいいとこ」
くす、と笑って。
玲央が、そんな風に言う。
……もともと気持ちいいとこが、ありすぎなんじゃ……。
どこ触られても、気持ちいいって……。
てか、玲央の触り方がやらしいからなんじゃ……だって、オレ、今まで、誰と接触してきたって、こんな風になったことないし。
普通に生きてて、触られたり、抱き合ったり、肩組まれたりと、普通のレベルの接触、どんなにしてたって、何も感じた事なかったし。
パニックを起こしそうになった時、そっと顔を上げさせられた。
「――――……ン……」
深いキス。――――……玲央の息が、舌が、なんか熱い。
少しでも、その気になって、くれてるのかなと思うと。
なんか、ホッとしてる自分が居る。
……オレは、玲央に何されても気持ちいいけど、玲央はいつも慣れてる人達としてる訳で。つまらないんじゃないかなと、どうしても気になる。
薄く目を開けて、玲央を見つめると。
急に目を開いた玲央と、ばっちり目が合った。絡んでた舌を、咄嗟に離すと。
「――――……なんか、考えてる?」
「……っ」
「余裕あるなら……も少し進めよ」
「……え、ちがっ」
っ無い無い。
余裕なんか、無い。
ぶる、と首を振るけれど、後頭部を押さえつけられて、唇が塞がれる。
「……ん、ぅ……っん」
無いのに……っ。
「……ん、あっ……!」
胸の先端をなぞった指に、声が漏れた。
咄嗟にキスが離れたけれど、すぐにまた舌が絡んでくる。
舌が奥まで入ってきて、まともに、声が出せない状態で。
胸をしつこく弄られて。
ぞくぞくした感覚が腰に来る。
熱い。なんか脳みそ、溶けそう――――……。
「……ふ……気持ちよさそ……」
唇を離した玲央が、オレを見つめて、そんな風に囁く。
ああ、なんか――――……玲央、色っぽい……。
523
お気に入りに追加
5,432
あなたにおすすめの小説
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕


君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿

陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)
ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。
僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。
隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。
僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。
でも、実はこれには訳がある。
知らないのは、アイルだけ………。
さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪


もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる