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「電話」*司
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――――……あ。20時。
「湊、塾終わった?」と入れると「今帰り道」と入ってきた。
少しやり取りをして、「あとでまた連絡する」と入れたそれに返信はない。
女の子だと、やたらに入ってくる可愛い絵文字が一切ない、とってもシンプルなメッセージ。
湊らしいなーなんて思って、微笑んでる自分に気付く。
うーん。
これが独りよがりだと、すごいやばい奴だよな。
と自分でも思うのだけれど。
やっぱり、とにかく、嬉しい。
宿題とか予習を済ませながら、しばらく時間を置いてメッセージを入れる。
「湊、今何してる? 勉強中?」と入れたら、少しして、「今、夕飯食べ終わって、自分の部屋きたところ」と返ってきた。
「電話、してもいい?」と入れると、すぐ、「うん」と返ってきた。
少し、ドキドキする。
「もしもし、湊?」
『……司……』
初めて電話を通して聞く、湊の声。
……少し、幼く聞こえる。
……可愛いな。
「なんか、すげー嬉しい』
『え?』
「ちゃんと、湊と繋がってる事が嬉しい」
『――――……何言ってんの』
思うままに伝えたら、しばらく黙った湊から、そんな答え。
苦笑いが浮かんでしまう。
「だって、今まで時間とか天気が合わないと会えなかったし、話せなかったじゃん? これで、約束とかも出来るし。会えない日も話せるし。今日、あそこで会えて良かった」
そう言っても、返事はない。
いつもの感じだと、なんて答えていいか分からなくて、黙ってる、て感じかなと思うので、話を続ける。
「今日会ってた2人って、幼馴染って言ってたよな?」
『……うん』
「仲良さそうだったな」
「そう?」
うん。仲良さそうだった。
幼馴染って言ってたから――――……長く一緒に居るんだろうな。
湊が安心してるっぽいのが、いいなーと、思ってしまったけど。
「湊、明日は会える?」
『明日は5時間目の後あそこにいるけど』
「そっか、じゃ明日な。天気もよさそうだし」
『……うん』
頷いてくれると、嬉しい。
「……なあ、湊」
『うん?』
「オレさ、お前と繋がれて、ほんとに嬉しい……お前も少しは嬉しいと――――……いいんだけど」
『――――……』
「えーと……聞いてる?」
多分困ってるんだろうけど。
音声がまったく返ってこないので、ついついそう聞いたら。
『うん。聞いてたけど……何て言っていいか分かんなかっただけ……』
そう言うので、やっぱりそっか、と思って笑ってしまう。
会ってると、表情で分かるけど、電話だと、ここはちょっと難しい。
「とりあえす、迷惑では、ない?」
『……ないよ』
そう言ってくれたので、よかった、と答えた。
「じゃあ明日な」
『……うん』
「おやすみ、湊」
『……うん、おやすみ』
初めての、通話、終了。
――――……スマホの画面が切り替わる。
――――……おやすみ、って、初めて言った。
あーなんか……。
ゴロゴロと、ベッドに寝転がって、スマホの、湊とのメッセージの画面を開く。
大好き 湊
そう入れたら――――……。
何て返ってくるのかなあ。
――――……無視、かもしれない……。
ぷ、と笑ってしまう。
――――……なんだろ。
湊のそんな反応も、面白くて、ちょっと好きだったりする。
あーオレ……。
ほんとに、なんで、オレ、湊の事がこんなに好きなんだろ。
――――……明日は、会って、話せる。
スマホの、湊の名を眺めたまま。
明日が楽しみで仕方が無かった。
「湊、塾終わった?」と入れると「今帰り道」と入ってきた。
少しやり取りをして、「あとでまた連絡する」と入れたそれに返信はない。
女の子だと、やたらに入ってくる可愛い絵文字が一切ない、とってもシンプルなメッセージ。
湊らしいなーなんて思って、微笑んでる自分に気付く。
うーん。
これが独りよがりだと、すごいやばい奴だよな。
と自分でも思うのだけれど。
やっぱり、とにかく、嬉しい。
宿題とか予習を済ませながら、しばらく時間を置いてメッセージを入れる。
「湊、今何してる? 勉強中?」と入れたら、少しして、「今、夕飯食べ終わって、自分の部屋きたところ」と返ってきた。
「電話、してもいい?」と入れると、すぐ、「うん」と返ってきた。
少し、ドキドキする。
「もしもし、湊?」
『……司……』
初めて電話を通して聞く、湊の声。
……少し、幼く聞こえる。
……可愛いな。
「なんか、すげー嬉しい』
『え?』
「ちゃんと、湊と繋がってる事が嬉しい」
『――――……何言ってんの』
思うままに伝えたら、しばらく黙った湊から、そんな答え。
苦笑いが浮かんでしまう。
「だって、今まで時間とか天気が合わないと会えなかったし、話せなかったじゃん? これで、約束とかも出来るし。会えない日も話せるし。今日、あそこで会えて良かった」
そう言っても、返事はない。
いつもの感じだと、なんて答えていいか分からなくて、黙ってる、て感じかなと思うので、話を続ける。
「今日会ってた2人って、幼馴染って言ってたよな?」
『……うん』
「仲良さそうだったな」
「そう?」
うん。仲良さそうだった。
幼馴染って言ってたから――――……長く一緒に居るんだろうな。
湊が安心してるっぽいのが、いいなーと、思ってしまったけど。
「湊、明日は会える?」
『明日は5時間目の後あそこにいるけど』
「そっか、じゃ明日な。天気もよさそうだし」
『……うん』
頷いてくれると、嬉しい。
「……なあ、湊」
『うん?』
「オレさ、お前と繋がれて、ほんとに嬉しい……お前も少しは嬉しいと――――……いいんだけど」
『――――……』
「えーと……聞いてる?」
多分困ってるんだろうけど。
音声がまったく返ってこないので、ついついそう聞いたら。
『うん。聞いてたけど……何て言っていいか分かんなかっただけ……』
そう言うので、やっぱりそっか、と思って笑ってしまう。
会ってると、表情で分かるけど、電話だと、ここはちょっと難しい。
「とりあえす、迷惑では、ない?」
『……ないよ』
そう言ってくれたので、よかった、と答えた。
「じゃあ明日な」
『……うん』
「おやすみ、湊」
『……うん、おやすみ』
初めての、通話、終了。
――――……スマホの画面が切り替わる。
――――……おやすみ、って、初めて言った。
あーなんか……。
ゴロゴロと、ベッドに寝転がって、スマホの、湊とのメッセージの画面を開く。
大好き 湊
そう入れたら――――……。
何て返ってくるのかなあ。
――――……無視、かもしれない……。
ぷ、と笑ってしまう。
――――……なんだろ。
湊のそんな反応も、面白くて、ちょっと好きだったりする。
あーオレ……。
ほんとに、なんで、オレ、湊の事がこんなに好きなんだろ。
――――……明日は、会って、話せる。
スマホの、湊の名を眺めたまま。
明日が楽しみで仕方が無かった。
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