【ひみつの巣作り】

悠里

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第70話 Ω会議(?) 6

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「何かオレ、今日、いっぱい聞きすぎて、情報過多かもー」

 皆と結構飲んで、いい気分。
 あははー、と笑いながら、そう言うと、皆はクスクス笑った。

「また分かんなくなったら、聞いてね」
「慧くん、ずっと友達だったけどさ、これからはΩ友達だもんねー」

 紗良と奈美が笑って言ってくれる。隣で、啓太もオレを見て、ポンポンと背中を叩く。

「困ったことあったらすぐ、連絡しろよな」

 うん。ありがと~、と礼を言う。
 ありがたいなぁ。やっぱりネットで見るのと、直接聞くのとは、全然違う。

「あっそうだ。あのさ、巣作りってさ?」
「うん?」

「ヒートの時しか、しないものなの?」

 何でも使っていいよって言われたけど、いつ使えばいいんだろう??
 ヒートで颯が居ない時、なんて、いつ来るのかな。

「まあ、耐えられなくなってっていうのはヒートの時かもだけど……」
「別に決まってないんじゃない? ほら、Ωになってさ、αの匂いには敏感になってるでしょ?」
「うん、そうかも……」

「その匂いに包まれたくてするものだから。いつでもいいんじゃない? 巣ってほどじゃなくてもね」
「なんでもない時でも、恋人の服、着たりすると、幸せじゃん?」
「うんうん。匂いに敏感なのって、良いよね」

「――――……」

 喜んでる皆の感じに、ほーなるほどーそうなのかー、と頷く。

 颯のものを借りるってことは、ないなぁ、今のところ。
 ……へー。ふーん。幸せ、か。なるほど。

 ちょっとお酒もいい感じだし、なんだかご機嫌で、うんうん頷いていると、三人は、クスクス笑った。

「なんかしようと考えてる?」
「んや、まだ、何していいか良く分かんないけど……」

「あ、なんか服とか借りるなら、洗濯前がいいからね?」
「柔軟剤の香りになっちゃうし」

 ぷぷ、と冗談ぽく言って、紗良と奈美が言ってくる。
 確かに! そっか。洗濯しちゃだめなのか。ふむふむ。なるほど~。

「なんか今日は色々ありがと。ちょっと色々整理してみるね」
「うん」

 皆クスクス笑いながら頷いてくれる。
 時計を見ると、二十三時前だ。あ。結構遅くなっちゃったな。

「皆って、時間平気なの?」
「今日は、このまま紗良んちで二次会するから平気」
「あ、そうなんだー。いいなあ楽しそう」
「慧は新婚さんだからしないほうがいいよ」

 啓太に言われて、ん、と頷く。

「じゃあオレはそろそろ、帰ろうかなぁ。ちょっと待って、颯に帰るって送っとく」

 言って、スマホに触れると。

「一応、電話入れた方がいいと思うよ」
 啓太に言われて、少し考えた後、何で? と尋ねる。

「Ωの恋人……ていうか、もう奥さんか。遅くに一人で歩いてほしくないαって居るから」
「……そぉなの?」

 そういえば、帰る時連絡して、て言ってたかも。
 ……今から帰るねと、送信するだけのつもりで頷いたんだけど。

「電話してみる」
 言って、颯のスマホを呼び出す。

 なんか。……ちよっといまさらな気もするのだけど。
 ずっと颯の話とかしてた後だし。

 ……颯の声が聞こえてくるのがちょっと、楽しみで。
 なんだかドキドキしつつ、コール音を聞く。



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