61 / 216
第61話 宣言?
しおりを挟むめちゃくちゃ、激しくされて、終わってから少ししてシャワーに連れこまれた。ぼーとしながら、全部洗い終えて、浴槽に二人で入った。
何となく離れて座って、正面に颯。
膝を抱えて、見つめ合うのは恥ずかしすぎるので、お湯の表面をじっと見つめてると。
「ぼーとしてンな?」
「……颯のせいじゃん」
そう言うと、颯は、ふ、と笑った。
「そんなに良かった?」
「……っっ!!」
ぼぼ、と真っ赤になってしまい、もう、なんか颯から思い切り顔を背ける。
「からかうなよ」
むむ、と膨らんでいると、颯がクスクス笑いながら。
オレの腕を掴んで、あれよあれよと、体勢をかえられて、くるん、と回転。
背中を颯に預ける感じで、寄りかかる。
「……これも恥ずかしいんだけど」
「見つめ合うのとどっちがいい?」
「……これでいい」
言うと、クックッと颯が笑う。
笑ってるのが体越しに伝わるのとか。……なんか幸せ。照れるけど。
「……颯って、いつも何時くらいに寝るの」
「家にいるなら、二十三時前後?」
「居ない時もあった?」
「まあ。出かけてたり。あるだろ?」
「ある」
今後はどうしたらいいんだろ。
……飲みに行ったりとか。
「そういうのも色々決めた方がいいかもな。二人で話してさ」
ちょうどそう思ったとこ。「ん」と頷くと、颯はオレを少し覗き込んだ。
「飲みに行くのは? あり?」
「あり。だってオレも行きたいし」
「だよな。友達と会ったりするのもありだろ?」
「あり。オレも会いたい」
……あ。でも。
…………ほんとの友達なら、いいけど。
颯のこと好きな奴は……ちょっと遅い時間までとかは嫌だなあ。
そんなことを考えて、ちょっと黙っていたら。
「あとさ」
「ん?」
「Ωは浮気がしにくい体ってこと、知ってる?」
「ん?」
「番以外のαのフェロモンとか、キツく感じるし」
「あ、うん」
「でも、αは一応何人でも番になれるよな、体質的には」
「……ん」
そう。そうなんだよ。α、ずるい。ほんと、特権って感じ。ずるし。
「宣言しとくな?」
頬に触れられて、そのまま、顔を覗き込まれて。
ふ、と笑った颯が言ったのは。
「絶対お前以外と、番にならないから」
「――――……」
「絶対」
「……浮気は?」
「しないよ」
「……皆言うんだよ、最初は。しないって」
ぶつぶつ文句を言ってると、ちゅ、とキスされる。むむ。なんか黙らされた。
「つか慧さ、オレが浮気したり、他にも番作ったら、どうする?」
「は? 作んの? すんの、浮気」
めちゃくちゃパンパンに顔、膨らんでやると、ぶにゅ、と頬を潰された。
716
お気に入りに追加
4,036
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
待鳥園子
恋愛
グレンジャー伯爵令嬢ウェンディは父が友人に裏切られ、社交界デビューを目前にして無一文になってしまった。
父は異国へと一人出稼ぎに行ってしまい、行く宛てのない姉を心配する弟を安心させるために、以前邸で働いていた竜騎士を頼ることに。
彼が働くアレイスター竜騎士団は『恋愛禁止』という厳格な規則があり、そのため若い女性は働いていない。しかし、ウェンディは竜力を持つ貴族の血を引く女性にしかなれないという『子竜守』として特別に採用されることになり……。
子竜守として働くことになった没落貴族令嬢が、不器用だけどとても優しい団長と恋愛禁止な竜騎士団で働くために秘密の契約結婚をすることなってしまう、ほのぼの子竜育てありな可愛い恋物語。
※完結まで毎日更新です。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる