【ひみつの巣作り】完結

悠里

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第61話 宣言?

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 めちゃくちゃ、激しくされて、終わってから少ししてシャワーに連れこまれた。ぼーとしながら、全部洗い終えて、浴槽に二人で入った。

 何となく離れて座って、正面に颯。
 膝を抱えて、見つめ合うのは恥ずかしすぎるので、お湯の表面をじっと見つめてると。

「ぼーとしてンな?」
「……颯のせいじゃん」

 そう言うと、颯は、ふ、と笑った。

「そんなに良かった?」
「……っっ!!」

 ぼぼ、と真っ赤になってしまい、もう、なんか颯から思い切り顔を背ける。

「からかうなよ」

 むむ、と膨らんでいると、颯がクスクス笑いながら。
 オレの腕を掴んで、あれよあれよと、体勢をかえられて、くるん、と回転。

 背中を颯に預ける感じで、寄りかかる。

「……これも恥ずかしいんだけど」
「見つめ合うのとどっちがいい?」
「……これでいい」

 言うと、クックッと颯が笑う。
 笑ってるのが体越しに伝わるのとか。……なんか幸せ。照れるけど。

「……颯って、いつも何時くらいに寝るの」
「家にいるなら、二十三時前後?」
「居ない時もあった?」
「まあ。出かけてたり。あるだろ?」
「ある」

 今後はどうしたらいいんだろ。
 ……飲みに行ったりとか。

「そういうのも色々決めた方がいいかもな。二人で話してさ」

 ちょうどそう思ったとこ。「ん」と頷くと、颯はオレを少し覗き込んだ。

「飲みに行くのは? あり?」
「あり。だってオレも行きたいし」
「だよな。友達と会ったりするのもありだろ?」
「あり。オレも会いたい」

 ……あ。でも。
 …………ほんとの友達なら、いいけど。
 颯のこと好きな奴は……ちょっと遅い時間までとかは嫌だなあ。

 そんなことを考えて、ちょっと黙っていたら。

「あとさ」
「ん?」

「Ωは浮気がしにくい体ってこと、知ってる?」
「ん?」
「番以外のαのフェロモンとか、キツく感じるし」
「あ、うん」
「でも、αは一応何人でも番になれるよな、体質的には」
「……ん」

 そう。そうなんだよ。α、ずるい。ほんと、特権って感じ。ずるし。

「宣言しとくな?」

 頬に触れられて、そのまま、顔を覗き込まれて。
 ふ、と笑った颯が言ったのは。

「絶対お前以外と、番にならないから」
「――――……」
「絶対」
「……浮気は?」
「しないよ」
「……皆言うんだよ、最初は。しないって」

 ぶつぶつ文句を言ってると、ちゅ、とキスされる。むむ。なんか黙らされた。

「つか慧さ、オレが浮気したり、他にも番作ったら、どうする?」
「は? 作んの? すんの、浮気」

 めちゃくちゃパンパンに顔、膨らんでやると、ぶにゅ、と頬を潰された。



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