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第39話 一度も。※
しおりを挟むめちゃくちゃキスされてから、服を脱がされて、一緒にシャワーを浴びた。
キスされながら、体に触れられて、前も後ろもドロドロに溶かされる。
のぼせてきたところでバスルームを出て、寝室。
水を飲ませてくれて、そのまま、押し倒された。
もう、受け入れる準備は出来てて……というか、もう早く繋がりたくて、颯の首に抱き付いた。
「……ぃやだ、もう……早く」
「……慧」
颯はオレの唇をキスで塞いで、舌を絡める。そうしながら手際よくゴムを付けると、オレの脚を開かせてそこに、あてがった。
「……っ」
あの最初のヒートみたいなので、熱に浮かされてた。あれ以来、初めて颯とつながる。
「……っ」
抱かれる側になるなんて。あの時まで、想像も、してなかったけど。
いま既にもう、早く、と望んでしまうオレが居るみたい。
「慧……」
キスしてくれながら、中にゆっくり入れられる。
中で、颯を受け入れるの。
めちゃくちゃ嬉しい。
「ん、……っ……!」
ゆっくり、途中まで。また少し引いて、慣らすみたいに、ゆっくり。
……好き、だなぁ、颯。
ぎゅ、と抱きつくと、思いが溢れて、止まらなくなる。
「……っぁ……」
は、と息を止めると、頬に颯の熱い手が触れた。
「……慧、平気か?」
呼ばれて、見つめられると、胸の奥が。
……苦しい。
「平気……てか……早く」
涙目を細めて、先を促す。ぽろ、と涙が零れた。
颯が、ふ、と笑んで、またキスが重なる。奥まで入れられて、引きつった舌が、優しく噛まれて、ん、と声が漏れる。
フェロモンて……
ヒートの時だけじゃないんだ。そっか。
好きて思うと出ちゃうのかな。謎。勝手に出ちゃうんだもんな。
颯の匂いも。オレを包んでるみたいな感覚。
こんな風になるの知らなかったけど。
オレ、Ωになって、良かったな。
「……はや、て、……っあ……」
「慧……」
「……っん、ン……きも、ちぃ……」
「――――は。そういうのは、素直……」
ふ、と笑いながら、乱れた前髪を掻き上げて、オレを見つめる。
なんか、食われちゃいそう。そんな風に思う、視線。
「……ほんと、かわいいな」
もう遠慮なく、激しくなって、オレはもう、感覚についてくだけで精一杯。オレのに触れられながら、奥に受け入れると、もうなんか。
体も頭も、変になりそう。
気持ちよすぎて。Ωって、大変。αって、ちょっと怖い。
……でもオレ。
Ωになっちゃったけど。一度も、それを嫌だって思ってない。
なった瞬間から、颯が居てくれたから。
気持ちいい、に翻弄されながら。
なんかずっと、颯が好きって、思ってた。
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