【ひみつの巣作り】完結

悠里

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第17話 オレ達、運命?

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「オレと慧、そうだと思うんだけど」

 颯が、なんだかすごくまっすぐにオレを見つめて、なんか良く分からないことを、超真面目な顔で言った。

「そうって?」
「運命」
「……オレと颯が?」

 なんだかびっくりで、近づいてくる颯をただ、じっと見つめる。

「いつもはこうじゃない、って言ったろ」
「え。……あ、うん」

 言ってた。いつもは違うって。

「――――……っ」

 颯が、オレの腕を引いて、首筋に、顔をうずめた。
 

「……慧、オレとこないだすれ違ったの、覚えてるか?」
「――――……あ、うん。正門で?」

「あん時、すれ違った時、目が合って――――……なんか、匂った」
「え」
「お前、ぐあい悪そうだったけど」

 ……覚えてる。颯に会ってから、ますます具合悪くなったんだ。颯のせいかと思ってた。なんか周りに颯大好きΩ達がいっぱい居たし。そのせいで気分悪、みたいな。

「ずっと気になってた。さっきも、校舎の窓からお前が見えて――――……また具合悪そうっつーか……あん時の匂いが、気になって、下に降りたんだ」
「――――……」

 ……てことは、偶然じゃなくて、オレのところに、来てくれたの?
 なんだか、ぽわん、と心の中が暖かくなる。

「今日も、目があったら、お前、ヒートみたいになったろ」
「……うん」

「まだ、完全なヒートには弱い気がするけど。……でも、お前はオレに反応するし。オレは、お前のそれに惹かれる。……こうしてると……」

 颯が少しオレを離して、顔を見つめてくる。
 至近距離で、見つめられると。どく、と体の奥が、震える。

「っ……」

 ぶる、と体が震えて、ぎゅ、と瞳を閉じると。
 ちゅ、と唇が触れてきた。

「――――……」

 そのまま、今度は瞼にキスされて、ゆっくりと誘われるように開く。
 颯の瞳と、この距離で視線が絡むと。

「……っぁ」

 また、体温が、ぶわっと急上昇。

「ほら。……もうこんなだろ」
「――――……っわ、かんないよ……」
「分かんないか?」
「だって……オレ、初めて、で……颯以外にも、こうなるか、わかんない、し」

 は、と息が上がる。

「お前、今日だって、ずっとαの奴らといただろ。反応したか?」
「……して、ないけど……」

 ……颯と会った時に、こうなった、けど。

「慧」
「……?」

「お前が分かんなくても……オレは、分かる。お前以外に、こんなに熱くなったこと無い」
「――――……っわぁ、もう……押し付けないでよ」

 もう硬いし。 ……どんだけするんだろ。

「あっ! そっか」
「ん?」
「そ、いえば、αって、絶倫の奴が多いんだっけ……」

 息を顰めながら、オレが言うと、颯は、また一瞬止まって、顔を背けて笑った。

「……経験ないくせに、変な知識だけ入れてくんな」

 ぶに、と頬を潰されて、その指が、オレの唇を割る。

「……性的に強い奴は多いかもしれないけど。……誰にでも、じゃねえよ」
「颯は……相手、いっぱい居るんだろ。経験、多そうだし」

「……ヤキモチか?」

 くす、と笑う。

「可愛くて、ほんとヤバいな、お前」

 舌に指が触れると、は、と熱い息が零れてしまう。
 可愛いとか、言われると。もう、一気に体温が上がって。体の奥が、きゅう、と疼く。


 ヤバいのは、お前だー!
 ぎゅう、と目をつむったところで、深く、キスされて。ん、と声が漏れた。



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