【ひみつの巣作り】本編完結・番外編中💖🌟奨励賞

悠里

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第13話 いつもはどうなの?

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 ……可愛いしかねーって。
 颯がオレに、可愛いしかねーって。
 つか、なんか、颯って、「可愛い」とかいう単語、口にするんだ。意外。

 クールなイケメンって皆が言ってて。
 何がクールだよ、かっこつけすぎなんだよ。……とか思っていたオレなのだけれど。

 まあ、なんか。涼し気、て言葉がぴったりくる顔ではあると密かに思ってはいた。暑苦しいとかいう表現とは、対極にいる感じの雰囲気。汗すらかかなそう。体温、低そう。とか。そんなイメージ。

 ……でもなんか。
 抱かれてると、めちゃくちゃ体熱いし、手も熱くて気持ちいいし。
 汗ばんでるの。色気がすごすぎるし。
 声も熱をはらんで、なんかエロすぎるし。
 ……可愛いとか、言ってくれちゃうし。キスも、めちゃくちゃ、甘く、感じる。

 思い出しただけで、ゾクリと、体の奥が、震える。
 うわ、ヤバい……また、抱かれたいフェロモン、漏れ出ちゃいそう。ぎゅ、と瞳を伏せると。

「慧……」
 なんか笑いを含んだ、颯の声がして、唇が、また重なってきた。

「続き、しよ」
 言われて、期待に体が反応する。もうこれ、どうしようもなさそう。

「な……なあ、颯……?」
「ん?」

 ちゅ、と首筋にキスされて、びく、と震えながら、颯を見上げた。

「αとΩって、いっつもこんな風になるの? なんか、ヤバいね……」

 ああ、なんか。また、抱かれたくなってるし。
 いままでだって、どんだけシてたんだって感じなのに。早く、繋がりたい、とか。

 ……ていうかオレ、初めてなのに、もう、乱れまくりだし。
 恥ずかしいとか、言ってられない。もう、ほんとに気持ちよくて。
 ほんとヤバいぞ、この体。

 颯の手が頬に触れる。手。熱い。ほんとに体温高いなー、颯……。

「いつもじゃない」
「……ん?」

「いつもは、ならない」
「……? なんないの?」

「こんな風になったこと、ない」

 言いながらキスされて、また言葉を奪われた。

 いつもはなんないのか。
 ……? いつもならないなら、いつもはどうなの、颯。

 聞きたいけど、また始まってしまった行為に、すぐに喘ぐ以外できなくなって。
 ……またあとで聞こ、と思いながら、颯のキスに、頑張って応えた。




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