65 / 77
第3章 キャンプ
番外編☆バレンタイン♡蓮×樹
しおりを挟む「ほう。なかなか様になるな。おまえの可愛いところに、風流なものがぶら下がって。ほら、」
「ああっ」
紐部分とおなじく古代紫の糸房の先を、男はおもしろがって指差す。
「うう……」
竹弥は屈辱に呻いた。
だが優美な糸先が、竹弥自身からからまり落ちている様は、滑稽でいて、なんともいえない雅やかさがあり、たしかに男が笑いながら言うように、〝絵になっている〟のだ。
「いいな。色っぽいぞ」
感心したように言うと、思い出したようにさらに男は告げた。
「せっかくだから、これも写真に撮っておくか」
竹弥は悲鳴をあげていた。
「や、やめろ! た、たのむ、止めろ!」
すでに恥ずかしい姿を写真に撮られているが、あらためてこんな生き恥さらしている姿を後に残されるのかと思うと、いっそ今ここで死にたい。
「やめろったら!」
杉屋は聞く耳もなく、写真を撮る準備にかかっている。その後ろ姿に竹弥は毒づいた。
「畜生! やめろったら!」
竹弥は無我夢中で首を横にふり、必死に懇願し、やぶれかぶれになって言いはなった。
「よ、よせ! 後生だから、頼むから! くそぉ、舌噛んで死んでやるからな!」
「それは困るな」
杉屋はすこしも困っていない様子で、辺りを見回すと、室の片隅にまとめて置いていたらしい衣服に目をむけた。竹弥の着ていたものだ。
「ふうむ」
一瞬、考えこむような顔を見せてから、背をかがめた。
息も絶え絶えになっていた竹弥は、ふたたび近づいてきた杉屋が手にしているものを見て目を剝いた。
「舌を噛まれたら困るからな。これでも咥えていろ」
「あうっ!」
男が口のなかに強引に突っ込んできたものが、自分の下着だとわかると、壮絶な憎悪と悔しさに竹弥は全身を火のごとく燃やした。
だが、戒められた身体ではそれ以上抵抗もできず、男のまえにその後も生き恥を晒しつづけるしかない。
「ああっ」
紐部分とおなじく古代紫の糸房の先を、男はおもしろがって指差す。
「うう……」
竹弥は屈辱に呻いた。
だが優美な糸先が、竹弥自身からからまり落ちている様は、滑稽でいて、なんともいえない雅やかさがあり、たしかに男が笑いながら言うように、〝絵になっている〟のだ。
「いいな。色っぽいぞ」
感心したように言うと、思い出したようにさらに男は告げた。
「せっかくだから、これも写真に撮っておくか」
竹弥は悲鳴をあげていた。
「や、やめろ! た、たのむ、止めろ!」
すでに恥ずかしい姿を写真に撮られているが、あらためてこんな生き恥さらしている姿を後に残されるのかと思うと、いっそ今ここで死にたい。
「やめろったら!」
杉屋は聞く耳もなく、写真を撮る準備にかかっている。その後ろ姿に竹弥は毒づいた。
「畜生! やめろったら!」
竹弥は無我夢中で首を横にふり、必死に懇願し、やぶれかぶれになって言いはなった。
「よ、よせ! 後生だから、頼むから! くそぉ、舌噛んで死んでやるからな!」
「それは困るな」
杉屋はすこしも困っていない様子で、辺りを見回すと、室の片隅にまとめて置いていたらしい衣服に目をむけた。竹弥の着ていたものだ。
「ふうむ」
一瞬、考えこむような顔を見せてから、背をかがめた。
息も絶え絶えになっていた竹弥は、ふたたび近づいてきた杉屋が手にしているものを見て目を剝いた。
「舌を噛まれたら困るからな。これでも咥えていろ」
「あうっ!」
男が口のなかに強引に突っ込んできたものが、自分の下着だとわかると、壮絶な憎悪と悔しさに竹弥は全身を火のごとく燃やした。
だが、戒められた身体ではそれ以上抵抗もできず、男のまえにその後も生き恥を晒しつづけるしかない。
110
気に入って下さったら、感想など聞かせてくださると嬉しいです♡
お気に入り登録もお願いします(^^) by悠里
お気に入り登録もお願いします(^^) by悠里
お気に入りに追加
640
あなたにおすすめの小説

もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中


怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。


好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる