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本編

内見

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 朝食を取って、朝一番で、お店へ向かう。

 今回のガイルの希望は・・・。

 なんと、僕の作業部屋がある家が良いと!?
 ガイルの家なのに!?

 「ガイル。流石に、僕の家じゃないのに、僕専用の作業部屋は・・・」

 「家で、仕事するんだから、作業部屋あった方がいいだろ?広めの机に、本棚やなんだって、色々あるんだし」

 「それじゃ、まるで、僕の家みたいだ」

 「だから、自分の家だと思って言ってるだろ」

 「えー・・・。良いのかな」

 「俺が、良いって言ってるんだから、良いんだよ。細かいこと気にするな」

 「う、うん」

 ガイルの家なのに、本当に良いのかな。

 「後は、大きめのベッドを置くから、寝室は、広めの家が良い」

 「畏まりました。3ヶ所であれば、すぐにご案内出来ます。クリーニングし、保護魔法で状態をキープしてありますので、気に入りましたら、すぐに入居も可能です」

 「それはいいな。じゃ、早速、案内して貰おうか」

 物事がスムーズに進みすぎて、凄い・・・。
 もしかして、ガイル・・・今日、家決めちゃう勢いなんじゃ!?
 家って、そんなに簡単に買うものなの?

 「ほら、ぼーっとしてないで、いくぞ」

 「うん」

 1件目は、街中に有り、冒険者ギルドともそんなに離れて居なく、ガイルが住むには良さそうな立地だなと思った。
 家自体は、広さはそんなにある感じではなかったけど、希望通り、寝室広めで、別に作業部屋もあった。

 「んー・・・。作業部屋が少し狭いな」

 確かに・・・。
 僕も少し狭いかなって思ったんだよね。

 2件目は、街の外れにあり、冒険者ギルドからは、少し離れてしまうけれど、静かで、気の温もり感じる家だった。
 一目で、ここが良いなって思ったけど、3件目を見ていないので、決められない。
 
 でも、全体的に、部屋それぞれが広めの作りで、作業部屋も大きな窓があり、明るい。
 良いかも。

 「ここは、結構希望通りな感じだな。イズも気に入った見たいだし、決めるか?」

 「え!?まだ3件目見てないし、それから決めよう?」

 「そうか?」

 3件目も、街の外れにあり、静かという点では、同じだったけど、何となく、周辺が廃れている雰囲気があり、あまり良い感じがしなかった。

 家に入る前に、周辺環境を見て「うーん」と唸ってしまった。
 それは、ガイルも同じだったようで、少し眉を顰めていた。

 と言うこともあり、3件目は、サッと見ただけで、すぐ家を後にし、店に戻ってきた。

 「如何されますか?」

 「2件目に見た家がいいな。イズも良いだろ?」

 「うん。素敵なお家だったね」

 「じゃ、そう言うことで、頼むわ。今日から住むことは出来そうか?」

 「問題ございません。契約が済み次第、鍵をお渡ししますので、そのままお住み頂けます」

 「よし。じゃ、ささっと契約済ませようか」

 そうして、午前中には、新居が決定してしまった。
 え!?早すぎない!?
 
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