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本編

安心感

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 前日、眠れなかったのが、嘘の様に、熟睡出来た。
 
 ガイルに抱き込まれて、少し高めの体温を感じると安心感があり、すぐに眠りにつくことが出来た。

 「ガイル、おはよう。僕の我儘に付き合ってくれて、ありがとう。お陰で、ぐっすり眠れたよ。ガイルって何か安心感があるよね」

 「・・・そうか。それなら良かった。良かったが、安心感って言うのは、なんとも言えないな・・・」

 「・・・・・・?」

 安心感って良い意味じゃないのかな?
 ガイルは、強いし、優しいし、包容力もあるし、安心感が半端ないよね。

 「まぁ、いいや。今日は、飯食ったら、家見に行くぞ。出来るだけ、数を見て回った方が良いだろ」

 「分かった!ガイルの家だけど、まるで自分の家の事の様に楽しみだよ!」

 「いや・・・まぁ、俺の家だが、イズも一緒に住むんだから、自分の家だと思えよ」

 「何か・・・居候させて貰うみたいな感じで、申し訳ない感じがするけど、生活費はちゃんと払うからね!」

 「そんなもの要らないって言った所で、言うこと聞かないんだろうな」

 「だって、家に住まわせて貰うのに、生活費も払わないんじゃ、居心地が悪くなっちゃうよ・・・」
 
 「まっ、それで、イズが納得するって言うなら、生活費とやらは貰っとこうか」

 「うんっ!」

 流石に、何も支払わずに、住まわせて貰うなんて、まるで・・・こう言うのなんて言うんだっけ?
 ヒモっていうんだったかな?

 そんな人に寄生する様な生き方はしたくないかな・・・。
 一応、魔法陣売ったりして、稼ぎはあるんだし、家賃も払える。

 でも、ガイルが家を買うことにしたから、家賃は掛からなくなっちゃう。
 それなら、生活費を入れる位しか、出来ることがないからね。

 簡単なものしか作れないから、料理の勉強とかもして、ガイルに作ってあげられる様になろうかな。

 僕の仕事は、魔法陣を描くことだから、家にいる時間が長いし、家の中の事は、出来るだけ、僕が出来る様にした方がいいよね。

 居候させて貰う上に、添い寝までして貰うんだからね。

 新居か。
 どんなお家になるのかな。
 凄い楽しみだ。

 『坊ちゃん。顔がにやけ過ぎてるよ』

 「・・・・・・気をつけるね」

 新しいお家がどんな感じになるのか、楽しみで、つい顔が緩んでしまっていたみたいだ。
 気をつけないと。

 「それだけ楽しみにしてくれるんなら、家を買うことにして良かったな」

 「本当に、急に家を買うなんて、驚いちゃったよ!こんなに思いつきで決めちゃっていいの?」

 「いいんだよ。こういうのは、何か切っ掛けがないと、中々買うことにならないだろうからな。今回は、丁度良かったのさ」

 「そうなんだ。ガイルが、そういうなら、そうなんだよね!折角の新居なのに、同居人が僕で申し訳ないけど・・・」

 「何言ってるんだよ。イズと暮らすの楽しみにしてるからな」

 「へへっ。そう言って貰えて良かった。僕も楽しみだよ」

 あー!どんなお家になるんだろー!
 僕の好みのって昨日言ってたけど・・・。
 ガイルに合いそうなお家が見つかるといいな。
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