【完結】続:クマさんも一緒 〜S級冒険者と少年の恋物語〜

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本編

クマさん・・・?

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 徐々に消えていく煙を、呆然と見つめ続ける。

 僕が・・・余計な事をしたから、クマさんは消えてしまったの?
 元に戻すことは諦めて、あのままのクマさんでも、一緒に居られることに満足しなくちゃいけなかったの?
 欲張った結果が、これなの?

 足に力が入らず、ペタリと座り込む。
 ポタリポタリと静かに流れる涙が、床を染めていく。

 視界の端に、クマさんが着けて居たリボンが見えた。
 リボンだけ残ったのか。
 そう思って、リボンを拾おうと立ち上がると・・・。

 なんか小さいのが居る・・・。

 「・・・クマさん?」

 『やぁ、坊ちゃん。なんか、知らない内に小さくなったみたいだけど、どうしてかな?』

 「クマさんっ!!」

 小さくなったクマさんを抱き上げて、胸元に抱く。

 『坊ちゃん・・・急に抱き上げたりしたら、びっくりしちゃうよ』

 「・・・・・・」

 クマさんを胸元から離し、マジマジと見つめる。
 サイズが・・・大分、小さくなってる。
 手乗りクマさんだよ。

 黒焦げになっちゃったから、ダメになった部分が削げ落とされて、小さくなっちゃったとかなのかな。
 まぁ、いいや。
 元に戻った・・・とは、ちょっと違うけど、復活したクマさんに、また会えたんだから、理由なんてどうでもいい。

 『坊ちゃん?』

 「ううん、また会えて嬉しいよ。最後、どうなったか覚えてるかな?」

 『確か、炎に包まれて・・・そこまでしか分からない』

 「そう、クマさんは、僕を護るために、炎に包まれちゃったんだ・・・。それで、動かなくなっちゃってね。どうにか元に戻せないかって数ヶ月頑張ってみたんだけど、上手く行かなくて、やっとクマさんを復活させることが出来たみたいなんだけど・・・なんか小さくなっちゃったね」

 『・・・だから、坊ちゃん窶れてるんだね』

 「う″・・・・・・」

 『やっぱり、坊ちゃんには、クマさんが付いていてあげないとダメだね』

 「そうだね。だから、これからもずっと一緒に居てね」

 『勿論だよ!』

 思わぬ出来事で、もうクマさんが、消えて無くなっちゃったかと思ったけど、こうして戻って来てくれて、本当に良かった。
 手乗りクマさんも可愛いな。

 持ち運びも・・・胸ポケットに入れられるサイズだ。
 あ、でも・・・折角の洋服が全てサイズが合わなくなっちゃった。
 お店に行って、採寸して貰って、オーダーするしかないかな。
 今ある服を使って、リメイクして貰おうかな。
 クマさんが、このサイズになっちゃったから、もうこの服たちの出番はないからね。

 新しい楽しみが出来た。

 「クマさん、明日は、お店に行って、洋服をオーダーしに行こう」

 『クマさんの服・・・サイズが合わなくなっちゃったからだね』

 「うん」

 『坊ちゃんが、折角買ってくれたのに・・・』

 「気にしなくて、良いよ。今ある服を元に、サイズを直して貰ったりするから、無駄にならないし、新しく服を選ぶのも楽しいからね」

 『坊ちゃん・・・ありがとう。クマさんは、坊ちゃんとお揃いのリボンが欲しいな』

 「うん、僕もそう思ってたんだよ!明日は、色んなものを見て、選ぼうね。ふふっ。それにしても、ガイルがクマさんを見たら、きっとびっくりするよ」

 『あの冒険者だね。最近は、良く会っているの?』

 「えっとね、最近は・・・添い寝をして貰ってるんだ・・・」

 良い歳して、添い寝とは、クマさん相手とはいえ、恥ずかしいな。
 
 『添い寝?もしかして、クマさんが居なくて、寂しいから、冒険者に添い寝して貰ってるの?』

 「う″・・・だって、クマさんが、動かなくなっちゃってから、寝られなかったんだよ」

 『坊ちゃんらしいと言えば、らしいね。今日からは、クマさんが居るからもう大丈夫』

 「うん。ガイルにも、迷惑掛けちゃってたからね。添い寝は、もう終わりにして、お礼をしっかりしないと。さてと、何か、どっと疲れが出てきたから、ティータイムにしようか」

 『そうだね。坊ちゃんは、休んだ方が良いと思う。見るからに・・・』

 あー・・・、クマさんには、こんな姿見せたくなかったのにな。
 仕方ない。

 「まぁまぁ。さっ、クマさんは、小さくなっちゃったから、椅子じゃなくて、テーブルの上に座って待っててね」

 クマさん用の小さな椅子もオーダーしようかな。流石に、テーブルの上に直接座るのは、可哀想かな。

 クマさんとの再会を喜びながら、ゆっくりと癒しの時間を手に入れた。

 
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