12 / 34
本編
クマさん・・・?
しおりを挟む
徐々に消えていく煙を、呆然と見つめ続ける。
僕が・・・余計な事をしたから、クマさんは消えてしまったの?
元に戻すことは諦めて、あのままのクマさんでも、一緒に居られることに満足しなくちゃいけなかったの?
欲張った結果が、これなの?
足に力が入らず、ペタリと座り込む。
ポタリポタリと静かに流れる涙が、床を染めていく。
視界の端に、クマさんが着けて居たリボンが見えた。
リボンだけ残ったのか。
そう思って、リボンを拾おうと立ち上がると・・・。
なんか小さいのが居る・・・。
「・・・クマさん?」
『やぁ、坊ちゃん。なんか、知らない内に小さくなったみたいだけど、どうしてかな?』
「クマさんっ!!」
小さくなったクマさんを抱き上げて、胸元に抱く。
『坊ちゃん・・・急に抱き上げたりしたら、びっくりしちゃうよ』
「・・・・・・」
クマさんを胸元から離し、マジマジと見つめる。
サイズが・・・大分、小さくなってる。
手乗りクマさんだよ。
黒焦げになっちゃったから、ダメになった部分が削げ落とされて、小さくなっちゃったとかなのかな。
まぁ、いいや。
元に戻った・・・とは、ちょっと違うけど、復活したクマさんに、また会えたんだから、理由なんてどうでもいい。
『坊ちゃん?』
「ううん、また会えて嬉しいよ。最後、どうなったか覚えてるかな?」
『確か、炎に包まれて・・・そこまでしか分からない』
「そう、クマさんは、僕を護るために、炎に包まれちゃったんだ・・・。それで、動かなくなっちゃってね。どうにか元に戻せないかって数ヶ月頑張ってみたんだけど、上手く行かなくて、やっとクマさんを復活させることが出来たみたいなんだけど・・・なんか小さくなっちゃったね」
『・・・だから、坊ちゃん窶れてるんだね』
「う″・・・・・・」
『やっぱり、坊ちゃんには、クマさんが付いていてあげないとダメだね』
「そうだね。だから、これからもずっと一緒に居てね」
『勿論だよ!』
思わぬ出来事で、もうクマさんが、消えて無くなっちゃったかと思ったけど、こうして戻って来てくれて、本当に良かった。
手乗りクマさんも可愛いな。
持ち運びも・・・胸ポケットに入れられるサイズだ。
あ、でも・・・折角の洋服が全てサイズが合わなくなっちゃった。
お店に行って、採寸して貰って、オーダーするしかないかな。
今ある服を使って、リメイクして貰おうかな。
クマさんが、このサイズになっちゃったから、もうこの服たちの出番はないからね。
新しい楽しみが出来た。
「クマさん、明日は、お店に行って、洋服をオーダーしに行こう」
『クマさんの服・・・サイズが合わなくなっちゃったからだね』
「うん」
『坊ちゃんが、折角買ってくれたのに・・・』
「気にしなくて、良いよ。今ある服を元に、サイズを直して貰ったりするから、無駄にならないし、新しく服を選ぶのも楽しいからね」
『坊ちゃん・・・ありがとう。クマさんは、坊ちゃんとお揃いのリボンが欲しいな』
「うん、僕もそう思ってたんだよ!明日は、色んなものを見て、選ぼうね。ふふっ。それにしても、ガイルがクマさんを見たら、きっとびっくりするよ」
『あの冒険者だね。最近は、良く会っているの?』
「えっとね、最近は・・・添い寝をして貰ってるんだ・・・」
良い歳して、添い寝とは、クマさん相手とはいえ、恥ずかしいな。
『添い寝?もしかして、クマさんが居なくて、寂しいから、冒険者に添い寝して貰ってるの?』
「う″・・・だって、クマさんが、動かなくなっちゃってから、寝られなかったんだよ」
『坊ちゃんらしいと言えば、らしいね。今日からは、クマさんが居るからもう大丈夫』
「うん。ガイルにも、迷惑掛けちゃってたからね。添い寝は、もう終わりにして、お礼をしっかりしないと。さてと、何か、どっと疲れが出てきたから、ティータイムにしようか」
『そうだね。坊ちゃんは、休んだ方が良いと思う。見るからに・・・』
あー・・・、クマさんには、こんな姿見せたくなかったのにな。
仕方ない。
「まぁまぁ。さっ、クマさんは、小さくなっちゃったから、椅子じゃなくて、テーブルの上に座って待っててね」
クマさん用の小さな椅子もオーダーしようかな。流石に、テーブルの上に直接座るのは、可哀想かな。
クマさんとの再会を喜びながら、ゆっくりと癒しの時間を手に入れた。
僕が・・・余計な事をしたから、クマさんは消えてしまったの?
元に戻すことは諦めて、あのままのクマさんでも、一緒に居られることに満足しなくちゃいけなかったの?
欲張った結果が、これなの?
足に力が入らず、ペタリと座り込む。
ポタリポタリと静かに流れる涙が、床を染めていく。
視界の端に、クマさんが着けて居たリボンが見えた。
リボンだけ残ったのか。
そう思って、リボンを拾おうと立ち上がると・・・。
なんか小さいのが居る・・・。
「・・・クマさん?」
『やぁ、坊ちゃん。なんか、知らない内に小さくなったみたいだけど、どうしてかな?』
「クマさんっ!!」
小さくなったクマさんを抱き上げて、胸元に抱く。
『坊ちゃん・・・急に抱き上げたりしたら、びっくりしちゃうよ』
「・・・・・・」
クマさんを胸元から離し、マジマジと見つめる。
サイズが・・・大分、小さくなってる。
手乗りクマさんだよ。
黒焦げになっちゃったから、ダメになった部分が削げ落とされて、小さくなっちゃったとかなのかな。
まぁ、いいや。
元に戻った・・・とは、ちょっと違うけど、復活したクマさんに、また会えたんだから、理由なんてどうでもいい。
『坊ちゃん?』
「ううん、また会えて嬉しいよ。最後、どうなったか覚えてるかな?」
『確か、炎に包まれて・・・そこまでしか分からない』
「そう、クマさんは、僕を護るために、炎に包まれちゃったんだ・・・。それで、動かなくなっちゃってね。どうにか元に戻せないかって数ヶ月頑張ってみたんだけど、上手く行かなくて、やっとクマさんを復活させることが出来たみたいなんだけど・・・なんか小さくなっちゃったね」
『・・・だから、坊ちゃん窶れてるんだね』
「う″・・・・・・」
『やっぱり、坊ちゃんには、クマさんが付いていてあげないとダメだね』
「そうだね。だから、これからもずっと一緒に居てね」
『勿論だよ!』
思わぬ出来事で、もうクマさんが、消えて無くなっちゃったかと思ったけど、こうして戻って来てくれて、本当に良かった。
手乗りクマさんも可愛いな。
持ち運びも・・・胸ポケットに入れられるサイズだ。
あ、でも・・・折角の洋服が全てサイズが合わなくなっちゃった。
お店に行って、採寸して貰って、オーダーするしかないかな。
今ある服を使って、リメイクして貰おうかな。
クマさんが、このサイズになっちゃったから、もうこの服たちの出番はないからね。
新しい楽しみが出来た。
「クマさん、明日は、お店に行って、洋服をオーダーしに行こう」
『クマさんの服・・・サイズが合わなくなっちゃったからだね』
「うん」
『坊ちゃんが、折角買ってくれたのに・・・』
「気にしなくて、良いよ。今ある服を元に、サイズを直して貰ったりするから、無駄にならないし、新しく服を選ぶのも楽しいからね」
『坊ちゃん・・・ありがとう。クマさんは、坊ちゃんとお揃いのリボンが欲しいな』
「うん、僕もそう思ってたんだよ!明日は、色んなものを見て、選ぼうね。ふふっ。それにしても、ガイルがクマさんを見たら、きっとびっくりするよ」
『あの冒険者だね。最近は、良く会っているの?』
「えっとね、最近は・・・添い寝をして貰ってるんだ・・・」
良い歳して、添い寝とは、クマさん相手とはいえ、恥ずかしいな。
『添い寝?もしかして、クマさんが居なくて、寂しいから、冒険者に添い寝して貰ってるの?』
「う″・・・だって、クマさんが、動かなくなっちゃってから、寝られなかったんだよ」
『坊ちゃんらしいと言えば、らしいね。今日からは、クマさんが居るからもう大丈夫』
「うん。ガイルにも、迷惑掛けちゃってたからね。添い寝は、もう終わりにして、お礼をしっかりしないと。さてと、何か、どっと疲れが出てきたから、ティータイムにしようか」
『そうだね。坊ちゃんは、休んだ方が良いと思う。見るからに・・・』
あー・・・、クマさんには、こんな姿見せたくなかったのにな。
仕方ない。
「まぁまぁ。さっ、クマさんは、小さくなっちゃったから、椅子じゃなくて、テーブルの上に座って待っててね」
クマさん用の小さな椅子もオーダーしようかな。流石に、テーブルの上に直接座るのは、可哀想かな。
クマさんとの再会を喜びながら、ゆっくりと癒しの時間を手に入れた。
17
お気に入りに追加
129
あなたにおすすめの小説


【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。
【完結】元魔王、今世では想い人を愛で倒したい!
N2O
BL
元魔王×元勇者一行の魔法使い
拗らせてる人と、猫かぶってる人のはなし。
Special thanks
illustration by ろ(x(旧Twitter) @OwfSHqfs9P56560)
※独自設定です。
※視点が変わる場合には、タイトルに◎を付けます。
【完結】ただの狼です?神の使いです??
野々宮なつの
BL
気が付いたら高い山の上にいた白狼のディン。気ままに狼暮らしを満喫かと思いきや、どうやら白い生き物は神の使いらしい?
司祭×白狼(人間の姿になります)
神の使いなんて壮大な話と思いきや、好きな人を救いに来ただけのお話です。
全15話+おまけ+番外編
!地震と津波表現がさらっとですがあります。ご注意ください!
番外編更新中です。土日に更新します。

学園の俺様と、辺境地の僕
そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ?
【全12話になります。よろしくお願いします。】
【完結】雨降らしは、腕の中。
N2O
BL
獣人の竜騎士 × 特殊な力を持つ青年
Special thanks
illustration by meadow(@into_ml79)
※素人作品、ご都合主義です。温かな目でご覧ください。
【完結】守護霊さん、それは余計なお世話です。
N2O
BL
番のことが好きすぎる第二王子(熊の獣人/実は割と可愛い)
×
期間限定で心の声が聞こえるようになった黒髪青年(人間/番/実は割と逞しい)
Special thanks
illustration by 白鯨堂こち
※ご都合主義です。
※素人作品です。温かな目で見ていただけると助かります。
貴族軍人と聖夜の再会~ただ君の幸せだけを~
倉くらの
BL
「こんな姿であの人に会えるわけがない…」
大陸を2つに分けた戦争は終結した。
終戦間際に重症を負った軍人のルーカスは心から慕う上官のスノービル少佐と離れ離れになり、帝都の片隅で路上生活を送ることになる。
一方、少佐は屋敷の者の策略によってルーカスが死んだと知らされて…。
互いを思う2人が戦勝パレードが開催された聖夜祭の日に再会を果たす。
純愛のお話です。
主人公は顔の右半分に火傷を負っていて、右手が無いという状態です。
全3話完結。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる