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本編
オーク狩り
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今日は、朝から森へ来ている。
ゴブリンが居た場所とは反対側の更に奥の方に、オークの集落がある。
集落まで行っちゃうと、オークに囲まれて【転移】のスクロール発動して逃げるしか無くなっちゃうので、手前にバラけて彷徨いているオークに狙いを定めて、1匹ずつ釣って倒していきたいところ。
2、3匹で動いてるオークが多いから、それを探すのに少し時間が掛かるが、こればかりは焦るわけには行かない。
ゴブリンであれば、2匹同時でも相手出来る様になったけれど、オークは1匹でも素早く倒せるかどうか分からない状態だから、2匹来てしまったら・・・クマさんに頼るしか無くなるという情けない状態に陥ってしまう。
『坊ちゃん、ちょっと落ち着こうか』
「・・・・・・そ、そうだよね。ほら、新しいモンスターだと、緊張しちゃうよね」
『はいっ、深呼吸ー。吸ってー吐いてー吸ってー吐いてー、その調子。今の状態だとスムーズに魔法陣に魔力流せないよ』
「う、うん。そうだよね。はー、緊張する」
『何かあればクマさんがいるから、落ち着いてやってご覧』
そういうと、クマさんは僕の足をポフポフと叩いて励ましてくれる。
本当に情けない。
1人だったら、今頃初手で失敗して大変なことになっていたかもしれない。
クマさんは僕の精神安定剤だなー。
よしっ!気合を入れ直したところで、行こうか。
左手にスクロールを纏めて持ち、右手で小石を投げてオークを釣る。
走りながら、右手には【バインドII】、左手には【ブリザドII】を準備し、【バインドII】に素早く魔力を流し込み振り返ってオークに【バインドII】を仕掛ける。
無事足止め出来たことを確認し、【ブリザドII】を叩き込む。
流石に、これで仕留めることは出来ないが・・・あれ?なんか構えてる?
手を前に交差してガードしてる?
悠長に見ている場合ではないので、すぐに【ウォーターボールII】を打ち込む。
見たところ、ダメージはそれなりに入っている様なので、あの構えは物理防御力をアップしたのかなと思う。
相手が魔法士タイプだったら、魔法防御力アップされていたかもしれないから、助かった。
魔法防御力アップされちゃうと、長期戦になっちゃうのと、僕が不利になりかねないからね。
魔法を二発打ち込んでも倒れないか・・・それでも弱らせることは出来た。
ふらつきながらこちらに向かってくるオークの前に【ファイアーウォール】を発動し、残った体力を削っていく。
後一歩というところで、【ファイアーウォール】を抜けて来てしまったので、直ぐ様【盾】を張り、【ブリザド】を発動する。
【ブリザド】を発動する前に、一発食らってしまったが、【盾】を張っていたお陰でダメージを受けることは無かった。
最後の【ブリザド】で無事、オークを倒すことが出来てホッとする。
それでも、あの弱っていた状態のオークの最後の一撃で【盾】にヒビが入っていたので、弱っていない状態だった場合は、一撃で【盾】が消滅してしまうなと思う。
どうしたものか。
【盾】を重ね掛けするとか?
うーん、1匹倒すのにコストが掛かり過ぎてる気がするよー!!
そういう戦闘しか出来ないからしょうがないんだけど・・・しょうがないんだけどー!!
『坊ちゃん?どうしたの?』
膝を着いて、頭を抱えているとクマさんが心配してくれる。
「オーク1匹倒すのに、大分スクロールを消費するからコスト掛かるなって思っちゃったんだよね。仕方ないんだけどね」
『あー・・・それは、もう割り切るしかないよね』
「だよねー。分かってるんだけど、なんか考えちゃうんだよね。もう少し効率の良い狩り方出来ないかな」
『効率・・・コストも抑えてとなると難しいね』
「やっぱりそうだよね。うぅーん」
スクロールの数を少なく済ませるなら、【ブリザドII】とか中級魔法陣を使えば良いけど、初級の魔法陣と違い複雑な為、魔法インクを多く使用する事を考えると、そっちの方がコストは掛かってるのかな・・・。
難しいよ!
魔法陣を使って戦闘をすると決めた時点でコストは気にしちゃいけないんだ!
そうだった。それを忘れるところだった。
そうなると、如何にスムーズにモンスターを倒すかということになる。
中級魔法陣を複数打ち込むより、上級魔法陣を一発ドカンと打ち込んで倒しちゃうのが良いのかな。
これまた魔法陣が複雑になって描くのも時間がかかるし、インクも一杯使うことになるけど・・・考えちゃいけない!
サクッと倒すことを考えるならば、【バインドII】発動後、【ブリザドIII】一発撃ち込んで沈めてしまうのが良いかもしれない。
相手が魔道士でなければ、レジストもされにくいと思うからダメージの通りも良いはず。
よしっ!今日はオーク1匹倒すだけで、緊張もあって大分疲れてしまったから帰ろう・・・。
そして、次回の戦闘に備えて上級魔法陣を描き溜めよう。
「クマさん!今日はもう帰ろう?僕ちょっと疲れちゃった・・・」
『うんうん、帰ろう。今日は初めてのモンスターだったから気を張るし疲れちゃうよね』
そういうと、クマさんは僕に両手を広げて抱っこの姿勢をとる。
クマさんを抱っこするだけで、今日の疲れが取れる気がする。
ゴブリンが居た場所とは反対側の更に奥の方に、オークの集落がある。
集落まで行っちゃうと、オークに囲まれて【転移】のスクロール発動して逃げるしか無くなっちゃうので、手前にバラけて彷徨いているオークに狙いを定めて、1匹ずつ釣って倒していきたいところ。
2、3匹で動いてるオークが多いから、それを探すのに少し時間が掛かるが、こればかりは焦るわけには行かない。
ゴブリンであれば、2匹同時でも相手出来る様になったけれど、オークは1匹でも素早く倒せるかどうか分からない状態だから、2匹来てしまったら・・・クマさんに頼るしか無くなるという情けない状態に陥ってしまう。
『坊ちゃん、ちょっと落ち着こうか』
「・・・・・・そ、そうだよね。ほら、新しいモンスターだと、緊張しちゃうよね」
『はいっ、深呼吸ー。吸ってー吐いてー吸ってー吐いてー、その調子。今の状態だとスムーズに魔法陣に魔力流せないよ』
「う、うん。そうだよね。はー、緊張する」
『何かあればクマさんがいるから、落ち着いてやってご覧』
そういうと、クマさんは僕の足をポフポフと叩いて励ましてくれる。
本当に情けない。
1人だったら、今頃初手で失敗して大変なことになっていたかもしれない。
クマさんは僕の精神安定剤だなー。
よしっ!気合を入れ直したところで、行こうか。
左手にスクロールを纏めて持ち、右手で小石を投げてオークを釣る。
走りながら、右手には【バインドII】、左手には【ブリザドII】を準備し、【バインドII】に素早く魔力を流し込み振り返ってオークに【バインドII】を仕掛ける。
無事足止め出来たことを確認し、【ブリザドII】を叩き込む。
流石に、これで仕留めることは出来ないが・・・あれ?なんか構えてる?
手を前に交差してガードしてる?
悠長に見ている場合ではないので、すぐに【ウォーターボールII】を打ち込む。
見たところ、ダメージはそれなりに入っている様なので、あの構えは物理防御力をアップしたのかなと思う。
相手が魔法士タイプだったら、魔法防御力アップされていたかもしれないから、助かった。
魔法防御力アップされちゃうと、長期戦になっちゃうのと、僕が不利になりかねないからね。
魔法を二発打ち込んでも倒れないか・・・それでも弱らせることは出来た。
ふらつきながらこちらに向かってくるオークの前に【ファイアーウォール】を発動し、残った体力を削っていく。
後一歩というところで、【ファイアーウォール】を抜けて来てしまったので、直ぐ様【盾】を張り、【ブリザド】を発動する。
【ブリザド】を発動する前に、一発食らってしまったが、【盾】を張っていたお陰でダメージを受けることは無かった。
最後の【ブリザド】で無事、オークを倒すことが出来てホッとする。
それでも、あの弱っていた状態のオークの最後の一撃で【盾】にヒビが入っていたので、弱っていない状態だった場合は、一撃で【盾】が消滅してしまうなと思う。
どうしたものか。
【盾】を重ね掛けするとか?
うーん、1匹倒すのにコストが掛かり過ぎてる気がするよー!!
そういう戦闘しか出来ないからしょうがないんだけど・・・しょうがないんだけどー!!
『坊ちゃん?どうしたの?』
膝を着いて、頭を抱えているとクマさんが心配してくれる。
「オーク1匹倒すのに、大分スクロールを消費するからコスト掛かるなって思っちゃったんだよね。仕方ないんだけどね」
『あー・・・それは、もう割り切るしかないよね』
「だよねー。分かってるんだけど、なんか考えちゃうんだよね。もう少し効率の良い狩り方出来ないかな」
『効率・・・コストも抑えてとなると難しいね』
「やっぱりそうだよね。うぅーん」
スクロールの数を少なく済ませるなら、【ブリザドII】とか中級魔法陣を使えば良いけど、初級の魔法陣と違い複雑な為、魔法インクを多く使用する事を考えると、そっちの方がコストは掛かってるのかな・・・。
難しいよ!
魔法陣を使って戦闘をすると決めた時点でコストは気にしちゃいけないんだ!
そうだった。それを忘れるところだった。
そうなると、如何にスムーズにモンスターを倒すかということになる。
中級魔法陣を複数打ち込むより、上級魔法陣を一発ドカンと打ち込んで倒しちゃうのが良いのかな。
これまた魔法陣が複雑になって描くのも時間がかかるし、インクも一杯使うことになるけど・・・考えちゃいけない!
サクッと倒すことを考えるならば、【バインドII】発動後、【ブリザドIII】一発撃ち込んで沈めてしまうのが良いかもしれない。
相手が魔道士でなければ、レジストもされにくいと思うからダメージの通りも良いはず。
よしっ!今日はオーク1匹倒すだけで、緊張もあって大分疲れてしまったから帰ろう・・・。
そして、次回の戦闘に備えて上級魔法陣を描き溜めよう。
「クマさん!今日はもう帰ろう?僕ちょっと疲れちゃった・・・」
『うんうん、帰ろう。今日は初めてのモンスターだったから気を張るし疲れちゃうよね』
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