36 / 46
本編
冒険者ギルドで待ち伏せ
しおりを挟む
空がオレンジ色に染まり出した頃、冒険者ギルドは賑わいを見せる。
狩りを終えて帰ってきた冒険者で混雑している為、ギルド内に入る事なく、外の扉から少し離れた位置でガイルがギルドに来るのを待つ。
「あれー・・・いつぞやの迷子ちゃんだよね」
・・・迷子。
あれか、冒険者ギルドに登録きた日に迷子だと勘違いされた時のことか!
「違いますっ!あの時は、迷子じゃなくて冒険者ギルドに登録に来ただけです」
「え?君冒険者なの?」
「はい・・・」
思わず声が小さくなる。
うー、やっぱり冒険者に見えないよね・・・。
目の前の彼は、背も高く・・・んー、ガイルと同じ位かな?
ラベンダー色の長い髪を緩く編んでいて、優しげな雰囲気の中にもほんのり色気のある人だ。
彼の後ろには、女性が2人・・・3人パーティーなのかな。
「こんなに可愛いのに、冒険者ねー。怪我しちゃうよ?」
彼は、そういうとクマさんの頭をポンポンと手を乗せる。
うっ、それは言い返しにくい・・・。
何度かクマさんが居なければ、大怪我をしていたことがあるから・・・。
クマさんをぎゅっと抱きしめ、黙り込む。
「あー・・・ごめんね?別に虐めてるわけじゃ無いんだけど・・・あ、俺カイっていうの。君の名前はなんていうのかな?」
「イズールです・・・」
「イズール君・・・よし、イズちゃんって呼ぶね」
「え・・・イズちゃん?」
「うん、似合ってるよ」
「・・・・・・」
「で、イズちゃんはギルドに入らずここで何してるの?迷子じゃ無いんだよね?」
まだ迷子だと思われてた!?
「えっと、友人が来るのを待っているんです」
「なるほど。お友達は冒険者なんだね」
「はい、ガイルって言うんですが・・・」
僕がそういうと、カイさんは僕の両肩をガッと掴んで詰め寄る。
「イズちゃん!ガイルの友達なの!?」
「え?えぇ、まぁ・・・」
何!?何なの!?
カイさんはガイルの知り合いなのかな?
「へぇー・・・あのガイルにねぇ」
「あの・・・カイさんはガイルの知り合いですか?」
「あぁ、まぁ知り合いっちゃー知り合いかな?良く狩場でもギルドでも顔合わすしね。自ずと顔見知りになるっていうかさ。軽く話すことはあるんだけど・・・あいつって基本的に他人に興味がないから・・・イズちゃんが友達ねぇ。ガイルは君の何に興味を持ったのかな?」
あー、なるほど。
ガイルって人付き合い悪いのか。
僕は、初めから面倒見の良い人だと思ってたから知らなかったな。
まぁ、ガイルが興味があるのは僕じゃなくて、クマさんなんだけどね!
しかし、ここでクマさんについて話すことは出来ない・・・。
「多分・・・僕が冒険者らしくなかったので心配してくれたんだと思います」
「ふーん、そんな親切な奴には見えないけどね」
そういうと彼は、納得してないと言う様に僕をじーっと見つめてきた。
うぅ、疑うように見られても本当のことは言えないよー!
狩りを終えて帰ってきた冒険者で混雑している為、ギルド内に入る事なく、外の扉から少し離れた位置でガイルがギルドに来るのを待つ。
「あれー・・・いつぞやの迷子ちゃんだよね」
・・・迷子。
あれか、冒険者ギルドに登録きた日に迷子だと勘違いされた時のことか!
「違いますっ!あの時は、迷子じゃなくて冒険者ギルドに登録に来ただけです」
「え?君冒険者なの?」
「はい・・・」
思わず声が小さくなる。
うー、やっぱり冒険者に見えないよね・・・。
目の前の彼は、背も高く・・・んー、ガイルと同じ位かな?
ラベンダー色の長い髪を緩く編んでいて、優しげな雰囲気の中にもほんのり色気のある人だ。
彼の後ろには、女性が2人・・・3人パーティーなのかな。
「こんなに可愛いのに、冒険者ねー。怪我しちゃうよ?」
彼は、そういうとクマさんの頭をポンポンと手を乗せる。
うっ、それは言い返しにくい・・・。
何度かクマさんが居なければ、大怪我をしていたことがあるから・・・。
クマさんをぎゅっと抱きしめ、黙り込む。
「あー・・・ごめんね?別に虐めてるわけじゃ無いんだけど・・・あ、俺カイっていうの。君の名前はなんていうのかな?」
「イズールです・・・」
「イズール君・・・よし、イズちゃんって呼ぶね」
「え・・・イズちゃん?」
「うん、似合ってるよ」
「・・・・・・」
「で、イズちゃんはギルドに入らずここで何してるの?迷子じゃ無いんだよね?」
まだ迷子だと思われてた!?
「えっと、友人が来るのを待っているんです」
「なるほど。お友達は冒険者なんだね」
「はい、ガイルって言うんですが・・・」
僕がそういうと、カイさんは僕の両肩をガッと掴んで詰め寄る。
「イズちゃん!ガイルの友達なの!?」
「え?えぇ、まぁ・・・」
何!?何なの!?
カイさんはガイルの知り合いなのかな?
「へぇー・・・あのガイルにねぇ」
「あの・・・カイさんはガイルの知り合いですか?」
「あぁ、まぁ知り合いっちゃー知り合いかな?良く狩場でもギルドでも顔合わすしね。自ずと顔見知りになるっていうかさ。軽く話すことはあるんだけど・・・あいつって基本的に他人に興味がないから・・・イズちゃんが友達ねぇ。ガイルは君の何に興味を持ったのかな?」
あー、なるほど。
ガイルって人付き合い悪いのか。
僕は、初めから面倒見の良い人だと思ってたから知らなかったな。
まぁ、ガイルが興味があるのは僕じゃなくて、クマさんなんだけどね!
しかし、ここでクマさんについて話すことは出来ない・・・。
「多分・・・僕が冒険者らしくなかったので心配してくれたんだと思います」
「ふーん、そんな親切な奴には見えないけどね」
そういうと彼は、納得してないと言う様に僕をじーっと見つめてきた。
うぅ、疑うように見られても本当のことは言えないよー!
12
お気に入りに追加
256
あなたにおすすめの小説

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)

誰もシナリオを知らない、乙女ゲームの世界
Greis
ファンタジー
【注意!!】
途中からがっつりファンタジーバトルだらけ、主人公最強描写がとても多くなります。
内容が肌に合わない方、面白くないなと思い始めた方はブラウザバック推奨です。
※主人公の転生先は、元はシナリオ外の存在、いわゆるモブと分類される人物です。
ベイルトン辺境伯家の三男坊として生まれたのが、ウォルター・ベイルトン。つまりは、転生した俺だ。
生まれ変わった先の世界は、オタクであった俺には大興奮の剣と魔法のファンタジー。
色々とハンデを背負いつつも、早々に二度目の死を迎えないために必死に強くなって、何とか生きてこられた。
そして、十五歳になった時に騎士学院に入学し、二度目の灰色の青春を謳歌していた。
騎士学院に馴染み、十七歳を迎えた二年目の春。
魔法学院との合同訓練の場で二人の転生者の少女と出会った事で、この世界がただの剣と魔法のファンタジーではない事を、徐々に理解していくのだった。
※小説家になろう、カクヨムでも投稿しております。
小説家になろうに投稿しているものに関しては、改稿されたものになりますので、予めご了承ください。

義妹がピンク色の髪をしています
ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる