30 / 46
本編
試し撃ちがしたい
しおりを挟む
僕は弓を手に入れて浮かれていた。
今すぐにでも試したい。
昼も過ぎて大分時間も経っている為、今から森に行くと薄暗くなってしまう。
どうしようかな・・・と考えていると、ガイルが僕の頭に手を置いた。
なんだろう?とガイルを見上げる。
「お前・・・まさか今から森に行くつもりじゃないだろうな?」
「・・・・・・」
どうして分かっちゃうの!?
S級冒険者の感とか言うやつなの!?
「はぁ、冒険者成り立ての上に、慣れない弓を持ってこれから暗くなる森に向かうなんて、自殺行為だからやめとけよ」
「・・・だよね。ちょっと思ったんだけどね。なんか新しい弓を手に入れたら試したくなっちゃって・・・」
「そうだな・・・森まで行かなくても開けた場所があるから、そこで試し撃ちしてみたらどうだ?俺も付き合ってやるよ」
おぉー、相変わらず面倒見が良い!
「良いの?ありがとう!」
◇ ◇ ◇
ガイルに案内されてきた場所は、周りには何もない、ただ広いだけの場所。
えーっと・・・つまりは的になるものもない。
どうやって試し撃ちするの!?
と、思っているとガイルがマジックバッグ から何やら焚き火用の木を取り出している。
ん・・・?ここで焚き火?なんで?
不思議に思い、ガイルが作業しているのを見守る。
薪にナイフで穴を開けて、紐を通していた。
何作ってるんだろう?
周りに誰も居ないからか、クマさんが僕の腕から抜け出し、地面に降りる。
『冒険者は、坊ちゃんの為に的を作ってるんだな』
「ん?あれ的作ってたの?」
『紐で通せば、薪が風で揺れるから動くものを狙う練習にもなるから、今の坊ちゃんには最適だね』
「おー!凄いね!やっぱり経験の違いか!」
ただ、的がないと思うだけの僕とは大違い!
僕もこういう風に考えられる様になりたいな。
ガイルと一緒にいると色んな事を知ることが出来る。
僕に出来ることなんて、お礼としてスクロールを渡す事位だ。
でも、悲観することもないか。
ガイルは商業ギルドで僕が描いた【転移】のスクロールを良く買ってる見たいだし、お礼としては最適だと思う。
そんなことを考えていると、ガイルが「ちょっとこっち来い」と声を掛けてきた。
「そっち側を持って、地面に刺せ。俺はこっちをやるから」
そう言うと、ガイルは持っていた木の棒を地面に突き刺した。
それを真似るように、僕もガイルから離れたところに、棒を刺した。
紐が通された薪が5本風に揺られていた。
これが、弓の練習をするための即席の的。
「ガイル!的を作ってくれてありがとー!」
「まぁ、ここに誘ったのは俺だからな。これくらいしてやるよ」
S級冒険者凄すぎる!
今すぐにでも試したい。
昼も過ぎて大分時間も経っている為、今から森に行くと薄暗くなってしまう。
どうしようかな・・・と考えていると、ガイルが僕の頭に手を置いた。
なんだろう?とガイルを見上げる。
「お前・・・まさか今から森に行くつもりじゃないだろうな?」
「・・・・・・」
どうして分かっちゃうの!?
S級冒険者の感とか言うやつなの!?
「はぁ、冒険者成り立ての上に、慣れない弓を持ってこれから暗くなる森に向かうなんて、自殺行為だからやめとけよ」
「・・・だよね。ちょっと思ったんだけどね。なんか新しい弓を手に入れたら試したくなっちゃって・・・」
「そうだな・・・森まで行かなくても開けた場所があるから、そこで試し撃ちしてみたらどうだ?俺も付き合ってやるよ」
おぉー、相変わらず面倒見が良い!
「良いの?ありがとう!」
◇ ◇ ◇
ガイルに案内されてきた場所は、周りには何もない、ただ広いだけの場所。
えーっと・・・つまりは的になるものもない。
どうやって試し撃ちするの!?
と、思っているとガイルがマジックバッグ から何やら焚き火用の木を取り出している。
ん・・・?ここで焚き火?なんで?
不思議に思い、ガイルが作業しているのを見守る。
薪にナイフで穴を開けて、紐を通していた。
何作ってるんだろう?
周りに誰も居ないからか、クマさんが僕の腕から抜け出し、地面に降りる。
『冒険者は、坊ちゃんの為に的を作ってるんだな』
「ん?あれ的作ってたの?」
『紐で通せば、薪が風で揺れるから動くものを狙う練習にもなるから、今の坊ちゃんには最適だね』
「おー!凄いね!やっぱり経験の違いか!」
ただ、的がないと思うだけの僕とは大違い!
僕もこういう風に考えられる様になりたいな。
ガイルと一緒にいると色んな事を知ることが出来る。
僕に出来ることなんて、お礼としてスクロールを渡す事位だ。
でも、悲観することもないか。
ガイルは商業ギルドで僕が描いた【転移】のスクロールを良く買ってる見たいだし、お礼としては最適だと思う。
そんなことを考えていると、ガイルが「ちょっとこっち来い」と声を掛けてきた。
「そっち側を持って、地面に刺せ。俺はこっちをやるから」
そう言うと、ガイルは持っていた木の棒を地面に突き刺した。
それを真似るように、僕もガイルから離れたところに、棒を刺した。
紐が通された薪が5本風に揺られていた。
これが、弓の練習をするための即席の的。
「ガイル!的を作ってくれてありがとー!」
「まぁ、ここに誘ったのは俺だからな。これくらいしてやるよ」
S級冒険者凄すぎる!
22
お気に入りに追加
256
あなたにおすすめの小説

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

最強願望~二度目の人生ハードライフ〜
平涼
ファンタジー
異世界転生を果たした主人公は夢を叶えるため魔法剣士として、チートなしで異世界最強を目指す。
そんな中色んな困難があり、何度も挫折しそうになるが、それでも頑張る物語です。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる