【完結】冒険者になる!え?クマさんも一緒だよ?〜魔力が少ない少年の思考錯誤冒険記録〜

Ria★発売中『簡単に聖女に魅了〜』

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本編

弓を手に入れる

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 「よう、今日はこいつの弓を探しにきたんだが、良いのあるか?」

 ガイルは、僕を指差しながらカウンターにいる店員に声を掛ける。

 「これはまた・・・冒険者らしくない方をお連れになりましたね」

 ・・・分かるよ。ガイルが常連としてくるお店だからね。
 どう見ても僕は冒険者に見えないでしょうね・・・。

 「あー・・・まぁ、仕方ないだろ。最近冒険者になったばかりの初心者だからな」

 「なるほど。そうでしたか、失礼なことを言って申し訳ありません」

 カウンターの彼はそういうと頭を下げた。

 「いえ、冒険者らしくないのは自覚しているので大丈夫です!これから冒険者に見られる様に頑張りますね」

 「そうですか・・・これからが楽しみですね」

 そう言うと彼は優しく微笑んだ。
 なんというか、彼がこれらの武器を作ってるとは思えない雰囲気だ。

 もっと、ゴツい親父!って感じの人が店主だと思っていたけれど・・・

 そう思っていると、奥から1人の男の人が出てきた。

 「おー、ガイルじゃねーか。今日はなんだ?メンテナンスか?」

 「いや、今日は俺じゃなくて、こいつの弓を見にきた」

 そうして、先程と同じようなやりとりをして、僕を指差す。

 奥から出てきた男は、僕を見て「ふーむ。こいつの弓ね」と呟き、考え込む。

 「表に出てる弓は、こいつには大き過ぎて引く事も出来ないな。丁度子供用に作った弓があるから裏から持ってきてやるから、待ってろ」

 ・・・子供用。
 彼らからしたら、僕なんて子供だよね。
 どうしたら、そんなに大きくなれるの!?

 彼は、直ぐに小ぶりの弓を片手に戻ってきた。

 「ほら、これならお前の力でも引けるんじゃないか?」

 そう言われ、渡された弓を引く。

 軽く、そんなに力を入れることなく引く事が出来、良くしなる。
 とても良い弓だと思った。

 「まぁ、軽いしお前の力でも引ける位だから、威力はないけどな」

 なるほど。
 威力か・・・。
 僕が弓を使うときは、何本も射らないとだめか。

 こればかりは仕方がない。
 僕の力では、扱える弓は限られる。
 
 ガイルの様に鍛え上げられた体であれば、表にある大きな弓を使い、ゴブリンを一撃で倒すことも出来るのだろうな。

 無い物ねだりをしてもしょうがない。

 僕は僕なりの戦い方をすると決めたじゃないか。
 
 そうして、僕の戦いに弓が加わった。
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