12 / 46
本編
作戦会議
しおりを挟む
僕とクマさんは、部屋に戻り作戦会議をする事にした。
僕とクマさんは、ベッド中央で座り込み腕を組んで考える。
「クマさん・・・あの人何かしてくると思う?」
『うーん、正直なところ良く分からない。ただ、彼強そう。気配も殺して近付いてきてたし、レベル高い冒険者だよ』
「あー、やっぱりそうだよね。視線だけで黙らせる感じあるし、怖かったな・・・」
『でも、悪い感じはしなかった。ただ単純に未知のものを見て興味が沸いたっていう感じだと思う』
「そっかぁ。興味・・・困ったなぁ」
『まぁ、上級冒険者と冒険者なりたての初級冒険者の坊ちゃんとじゃ、狩場も同じになることは無いし、そんなに会うことはないんじゃないかな?朝依頼を受ける時だけ気をつければ、大丈夫だと思うよ。狩りをする冒険者達は大体夕方に依頼完了報告にするからね。昼に依頼完了報告にくる坊ちゃんとは会うこともないでしょ』
「おー、それもそうだね。朝会わないように、こっそり入れば良いか」
クマさんと今後の方針が決まったところで、カードゲームをして遊ぶ事にした。
カードを全部裏返して並べて、カードを2枚ずつ捲って当てていくゲーム。
・・・クマさんが記憶力良過ぎて、僕がボロ負けしたのは悲しい思い出になった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
朝、冒険者ギルドの扉をそっと開けて中を見る。
中を見渡すが、彼はいない!
よし!さっさと受付を済ませて、森へ行くぞ!
と、意気込み受付を済ませて森へ来てみると・・・
既に彼が来ていた。
切り株に腰を掛けて、ナイフで果物の皮を剥いて食べている。
「・・・・・・」
「・・・・・・よう、昨日ぶりだな」
「はい、おはようございます」
とりあえず、挨拶をする。
彼は何しに来たのだろうか。クマさんが目当てか。
「まぁ、そんなに硬くなるなよ。別に取って食おうって訳でもない。ただ、それがどうにも気になってな」
それ・・・はい、クマさんですね。
どうしたものかと、クマさんを抱きしめる腕に力が入る。
「もう動いてるの見てるんだから、そいつ下ろして好きにさせてやれよ」
確かに、今更彼に隠す事はない・・・。
仕方なく、無言でクマさんを下ろすが、クマさんは僕の足にしがみついて離れようとしない。
(あぁーーーー!!クマさんが可愛いーーーー!!!こんな時だけど、クマさんが可愛すぎるーーーー!!!!)
彼もクマさんの行動が可愛いと思ったのか、「ぷっ」と吹き出し笑う声が聞こえた。
「お前らね、そんなに警戒するなよ。って言っても難しいか。俺はガイル。S級冒険者だ。お前は?」
(S級冒険者ー!!だから、周りがあんなに注目していたのかー!!納得)
「僕は、イズール。こっちはクマさんです」
「・・・クマさんって名前なのか?他の名前ないのか?」
「クマさんは、クマさんです。小さい頃からずっとそう呼んでいるので、別の呼び方はないです」
「そうか。まぁ、なんでも良いか。それで、お前は薬草採取してるってことは、初級冒険者か?」
「はい、僕最近冒険者登録したばかりで、まだ薬草採取しかした事がないんです。狩りをするには、剣術も魔術も全然使えないので、狩りに向けて色々と考えているところです」
「剣も魔法も使えないのに、冒険者になったのか?」
「・・・・・・そうですけど。でも、僕魔法陣が描けるので、魔法陣を使った戦闘をしようかと模索しているところです」
「へぇ、それは珍しい。魔法陣を使った戦闘ね。ちょっと面白そうだな。そのクマといい、お前ら面白いな」
「面白い・・・うーん、クマさんは面白いかもしれないですが」
「その魔法陣を使った戦闘興味あるから、お前の狩りの練習付き合ってやるよ。俺が付いていれば、何かあっても助けてやれる。どうだ?S級冒険者に初級冒険者が面倒見て貰える事なんてないんだぜ?」
(それは・・・興味本位だとしても、ありがたい申し出だ)
「ですが、僕そんなに稼いでないので大したお礼は出来ないのですが、ガイルさんは依頼受けたりしないのですか?」
「俺のことは、ガイルで良い。敬語も不要だ。お礼なんて要らない。俺が面白そうだから付いてやるだけだ」
「えーっと、それでは、宜しくお願いしま・・・宜しくね、ガイル」
「おう!」
良く分からないが、僕はS級冒険者という最強カードを手に入れた。
僕とクマさんは、ベッド中央で座り込み腕を組んで考える。
「クマさん・・・あの人何かしてくると思う?」
『うーん、正直なところ良く分からない。ただ、彼強そう。気配も殺して近付いてきてたし、レベル高い冒険者だよ』
「あー、やっぱりそうだよね。視線だけで黙らせる感じあるし、怖かったな・・・」
『でも、悪い感じはしなかった。ただ単純に未知のものを見て興味が沸いたっていう感じだと思う』
「そっかぁ。興味・・・困ったなぁ」
『まぁ、上級冒険者と冒険者なりたての初級冒険者の坊ちゃんとじゃ、狩場も同じになることは無いし、そんなに会うことはないんじゃないかな?朝依頼を受ける時だけ気をつければ、大丈夫だと思うよ。狩りをする冒険者達は大体夕方に依頼完了報告にするからね。昼に依頼完了報告にくる坊ちゃんとは会うこともないでしょ』
「おー、それもそうだね。朝会わないように、こっそり入れば良いか」
クマさんと今後の方針が決まったところで、カードゲームをして遊ぶ事にした。
カードを全部裏返して並べて、カードを2枚ずつ捲って当てていくゲーム。
・・・クマさんが記憶力良過ぎて、僕がボロ負けしたのは悲しい思い出になった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
朝、冒険者ギルドの扉をそっと開けて中を見る。
中を見渡すが、彼はいない!
よし!さっさと受付を済ませて、森へ行くぞ!
と、意気込み受付を済ませて森へ来てみると・・・
既に彼が来ていた。
切り株に腰を掛けて、ナイフで果物の皮を剥いて食べている。
「・・・・・・」
「・・・・・・よう、昨日ぶりだな」
「はい、おはようございます」
とりあえず、挨拶をする。
彼は何しに来たのだろうか。クマさんが目当てか。
「まぁ、そんなに硬くなるなよ。別に取って食おうって訳でもない。ただ、それがどうにも気になってな」
それ・・・はい、クマさんですね。
どうしたものかと、クマさんを抱きしめる腕に力が入る。
「もう動いてるの見てるんだから、そいつ下ろして好きにさせてやれよ」
確かに、今更彼に隠す事はない・・・。
仕方なく、無言でクマさんを下ろすが、クマさんは僕の足にしがみついて離れようとしない。
(あぁーーーー!!クマさんが可愛いーーーー!!!こんな時だけど、クマさんが可愛すぎるーーーー!!!!)
彼もクマさんの行動が可愛いと思ったのか、「ぷっ」と吹き出し笑う声が聞こえた。
「お前らね、そんなに警戒するなよ。って言っても難しいか。俺はガイル。S級冒険者だ。お前は?」
(S級冒険者ー!!だから、周りがあんなに注目していたのかー!!納得)
「僕は、イズール。こっちはクマさんです」
「・・・クマさんって名前なのか?他の名前ないのか?」
「クマさんは、クマさんです。小さい頃からずっとそう呼んでいるので、別の呼び方はないです」
「そうか。まぁ、なんでも良いか。それで、お前は薬草採取してるってことは、初級冒険者か?」
「はい、僕最近冒険者登録したばかりで、まだ薬草採取しかした事がないんです。狩りをするには、剣術も魔術も全然使えないので、狩りに向けて色々と考えているところです」
「剣も魔法も使えないのに、冒険者になったのか?」
「・・・・・・そうですけど。でも、僕魔法陣が描けるので、魔法陣を使った戦闘をしようかと模索しているところです」
「へぇ、それは珍しい。魔法陣を使った戦闘ね。ちょっと面白そうだな。そのクマといい、お前ら面白いな」
「面白い・・・うーん、クマさんは面白いかもしれないですが」
「その魔法陣を使った戦闘興味あるから、お前の狩りの練習付き合ってやるよ。俺が付いていれば、何かあっても助けてやれる。どうだ?S級冒険者に初級冒険者が面倒見て貰える事なんてないんだぜ?」
(それは・・・興味本位だとしても、ありがたい申し出だ)
「ですが、僕そんなに稼いでないので大したお礼は出来ないのですが、ガイルさんは依頼受けたりしないのですか?」
「俺のことは、ガイルで良い。敬語も不要だ。お礼なんて要らない。俺が面白そうだから付いてやるだけだ」
「えーっと、それでは、宜しくお願いしま・・・宜しくね、ガイル」
「おう!」
良く分からないが、僕はS級冒険者という最強カードを手に入れた。
22
お気に入りに追加
256
あなたにおすすめの小説

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。

誰もシナリオを知らない、乙女ゲームの世界
Greis
ファンタジー
【注意!!】
途中からがっつりファンタジーバトルだらけ、主人公最強描写がとても多くなります。
内容が肌に合わない方、面白くないなと思い始めた方はブラウザバック推奨です。
※主人公の転生先は、元はシナリオ外の存在、いわゆるモブと分類される人物です。
ベイルトン辺境伯家の三男坊として生まれたのが、ウォルター・ベイルトン。つまりは、転生した俺だ。
生まれ変わった先の世界は、オタクであった俺には大興奮の剣と魔法のファンタジー。
色々とハンデを背負いつつも、早々に二度目の死を迎えないために必死に強くなって、何とか生きてこられた。
そして、十五歳になった時に騎士学院に入学し、二度目の灰色の青春を謳歌していた。
騎士学院に馴染み、十七歳を迎えた二年目の春。
魔法学院との合同訓練の場で二人の転生者の少女と出会った事で、この世界がただの剣と魔法のファンタジーではない事を、徐々に理解していくのだった。
※小説家になろう、カクヨムでも投稿しております。
小説家になろうに投稿しているものに関しては、改稿されたものになりますので、予めご了承ください。

異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる