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本編
商業ギルドへ
しおりを挟む今日は、冒険者ギルドで薬草採取の依頼を受け、森へ向かう前に商業ギルドにきた。
商業ギルドには、大きな倉庫があり、精査されて認められた商品が多く納品されている。
僕の魔法陣も、その一角に納品されている。
「あら、イズールちゃん。いらっしゃい」
商業ギルドに入ると、商品棚に商品を並べているエイナさんに声を掛けられる。
エイナさんは、商業ギルドで働いているギルド員さんで、髪を後ろの高い位置で結い上げた元気の良い可愛らしい女性だ。
「エイナさん、おはようございます!今日は、魔法陣の納品にきました」
「あぁ、【転移】の魔法陣かしら?あれ需要あるから、すぐ品薄になっちゃうのよね」
「そうです。【転移】の魔法陣って緊急時の時に使うもので、あまり消費しない物だと思っていたのですが、結構使われるんですかね?」
「あー、お金の少ない初級冒険者は、逃げる時とかの緊急時にしか使わないわね。ただ、中級~上級はそこそこお金持ってるから、遠くに狩りに行った時とか戻るの面倒で【転移】の魔法陣を良く使うのよ。だから、良く買われるわね」
「そうなんですね。知らなかったです。僕が魔法陣売る前までは、ここには【転移】の魔法陣置いて無かったと思うんですが、今まではどうしてたんですか?」
「魔法陣描ける人が少ないからねー・・・。今までは、隣国から来た商人から手に入れたり、身体強化して走って帰ってきたりしてたかな。戦闘の後に身体強化して帰るって中々キツイのよね」
「うわぁ、思ったより過酷ですね・・・」
「そうなのよ。だから、イズールちゃんが魔法陣持ってここに来た時は、良い人材が手に入ったと思ったわよ!」
「そうだったんですね。僕としても、商業ギルドでお墨付きを頂いたので、安定して収入を得ることが出来たので助かりました」
「ふふっ、お互い様ね。じゃ、魔法陣貰っちゃうわね。いつも通り、これにサインしてね」
エイナさんは、紙にサラサラとペンを走らせ、納品書を作ってくれた。
僕の様に、定期的に商品を納品する人には専用の納品書が用意されている。
それには、商品名と単価が既に書いてあり、納品時に数量を記入し、合計金額を計算し、支払いがされる。
僕の場合も、専用の納品書が用意されていて、【魔法陣:転移】【魔法陣:盾】【魔法陣:煙幕】と単価が書かれた納品書が用意されている。
今後、魔法陣の種類を増やして納品しようと思っているので、ここに新しい商品名が追加されるのも、そう遠くないと思う。
僕は、納品書にサインをしてギルドカードを翳す。
これで納品完了だ。
僕は、冒険者ギルドカードと商業ギルドカードの2枚持ちだ。
それぞれにお金が入っていて、どちらで幾ら稼げたか明確にわかる。
勿論・・・商業ギルドカードの方に一杯お金が入っている。
冒険者ギルドカードは・・・子供のお小遣い程度の金額しか貯まっていない。
薬草採取は、1番レベルの低い依頼だから大したお金にはならない。
これから少しずつ冒険者ギルドカードの方にもお金が貯まっていくといいな。
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