【完結】冒険者になる!え?クマさんも一緒だよ?〜魔力が少ない少年の思考錯誤冒険記録〜

Ria★発売中『簡単に聖女に魅了〜』

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本編

狩りに使える魔法陣を考える

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 部屋に戻り、自分が狩りで使える魔法陣は何か考える事にした。

 僕が今持っている魔法陣は【転移】【盾】【煙幕】の3つだけ。
 しかも、これは戦うのが目的ではなく、逃げることを前提とした魔法陣だ。

 今は、薬草採取だけだから、これで良いけれど・・・
 これから本格的に冒険者として活動していくのであれば、モンスターを狩れる様にならなければならない。

 まず、僕には剣術の才も魔法の才もないので、戦うなら魔法陣を駆使していくしかない。
 
 うーん・・・どうしよう。

 ベッドの上で、手を動かし、バタ足をしてシーツの上で泳ごうとしているクマさんに話しかける。

 「クマさん、僕モンスターを狩れる様になりたいんだ。何か狩りに使えそうな魔法陣とかあるかな」
 
 クマさんは、ピタリと動きを止めて、むくりを起き上がる。
 その動作だけで、悶えるほど可愛い。

 クマさんは、顎に手を当てて、首を少し傾げて考える。

 『狩り・・・坊ちゃんが狩り・・・無理はやめよう?』

 「いやいや、クマさん!諦め早いよ!」

 『でも・・・坊ちゃん剣苦手だよね?攻撃魔法も魔力少ないから擦り傷程度しか与えられないよね?』

 「・・・う、うん。」

 流石、クマさん。
 僕がいつも連れ歩いていただけあって、良くご存じだ。

 『・・・魔法陣の発動を早める練習をした方が良いかもしれない』

 「なるほど?」

 『逃げるにしても、戦うにしても、魔法陣の発動が早い方が良いよ。今より早く魔力を魔法陣に注げる様にして、即時対応出来る様にしないと、敵が強かったら、逃げることも出来ないかもしれない』

 「クマさんすごーい!良く考えてるね!もう師匠だね」

 『・・・坊ちゃん。やっぱり狩りはまだ早いよ。暫くは、薬草採取と魔法陣描いて稼いで行こう?』

 「うん、そうだね。今はそうしようか。朝は薬草採取して、午後は魔法陣描いて、合間に魔力操作の練習をしようかな」

 『それが良いと思うよ。魔力操作が上達したら、敵の動きを止める魔法陣描くのも良いかもしれない』

 「ん?今ある【盾】ではなくてってこと?」

 『あれは、シールドを張って足止めをするけど、クマさんが言ってるのは・・・敵を直接絡め取って動きを止める方法だね』

 「体を直接縛ったりするってことかな。蔓が体に巻きつく様な?」

 『うん、そうだね。そう言うのを使って、【盾】を使うと、逃げれる確率も高くなるし、それを使って体の自由を奪って、攻撃して倒すって言うことも出来るよね』

 「さっすがクマさん!それいいね!ちょっと考えてみるね」

 (ふふふっ、僕のクマさんは、可愛い上に賢い。素晴らしいお友達だ!)
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