【完結】魔獣に喰い殺されたくないので、婚約者ではなく幼馴染の立場を希望します!

Ria★発売中『簡単に聖女に魅了〜』

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11歳〜16歳

最後のお茶会

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 今日が、王宮のお茶会に参加するのが最後だと思うと何となく寂しく感じる。
 11歳から参加して、今日で6回目の参加。
 今後は、お茶会ではなく、夜会で皆と会う様になる。

 夜会か・・・もう大人の仲間入りとはあっという間で早いなと感じる。
 
 私は、これから何回夜会に参加出来るのだろうか。

 暗くなりそうな気持ちを振り払い、マリア達の元へ向かう。

 「ご機嫌よう、マリア、ヴィオ、リリア」

 「シア、ご機嫌よう。今日は1人なのね」

 「ご機嫌よう。シアは、いつもサイラス様と一緒だったから不思議な感じがするわね」

 「ご機嫌よう。本当に、シアが1人で居るなんて珍しいものね」

 「もう、3人ともサイラス様とは常に一緒にいるわけじゃないのよ」

 「んー・・・まぁ、そういうことにしておきましょうか」

 やっぱり、私はサイラス様とセット扱いね。
 お茶会の度にサイラス様が私を側から離さないからそう思われても仕方がないわね。

 「今この苺のタルトが美味しいわねと話していたところなのよ」

 「まぁ、とても大きな苺が使われているのね」

 「そうなのよ、この苺が大きさに似合わずとても甘いのよ。周りにも中にもたっぷりと苺が使われていて、これを苺タルトと言わず何という?と言わんばかりの主張が凄いのよ」

 「それは、とても気になるわね」

 「ちょっと、そこのあなた。これと同じものを彼女に持って来てくださるかしら?」

 マリアは手を挙げると、側にいる使用人に声を掛けた。
 王宮で働く使用人達は所作も洗礼されていて、素早く対応出来るため、評判も良い。

 声を掛けられた彼もスッとスマートに下がり、私に例の苺タルトを持って来てくれた。

 本当に大きな苺ね。
 こういうのは小さい方が甘く、大きいと味も大ぶりと言われることが多いけれど・・・。
 そう思いながらナイフで小さく切って口に運ぶ。

 「まぁ、本当に甘いのね。苺と言えば少し酸っぱさがある感じがするのが普通だと思っていたけれど、これはそういうのもなくて純粋に甘いと感じるわね」

 「そうでしょ?今度我が家でもここの苺を仕入れようかなと思ったわ」

 それは良いかも。
 私もお父様にお願いして、この業者から苺を仕入れて貰おうかな。

 こうして王宮で開かれるお茶会などで、貴族達の口に運ばれる食事やスイーツなどは、気に入られれば新規の顧客を手に入れることが出来るため、各店舗は自分の店の商品を使用して貰えるように凌ぎを削っている。
 
 美味しいものを頂きながら、会話に花を咲かせ、和やかにお茶会は進んで行った。

 そこで、ヴィオがお花を摘みにいくというので、私も一緒に行くことにした。
 移動には、それぞれの護衛が一名付き添い、レストルームへ向かう。
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