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11歳〜16歳

サイラス様の成人

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 サイラス様が、16歳になり成人を迎えた。
 運命の日まで後1年を切っている。

 サイラス様の邸で盛大にパーティーが開かれ、私も当然の如く招待されている。
 
 サイラス様の御祝いなのにも関わらず、私はサイラス様から贈られたドレス一式を身につけ参加している。
 全身サイラス様の色を取り入れられ、独占欲の強さを物語っていた。

 パーティーに参加していた人たちは、私の姿を見ては、微笑ましそうな優しい笑顔を向けてくれていた。
 が、私は居た堪れない。

 こんな独占欲を示しといて1年後にはあっさり捨てないよね!?
 そんなことされたら、物凄く恥ずかしい!!

 サイラス様は、もう来年から王宮でのお茶会には参加できない。

 王宮で開かれるお茶会の参加資格は16歳までとなっている。
 それ以降は、夜会などに参加するようになるからだ。

 なので、私は来年1人でお茶会に参加しなければならない。
 ヒロインとサイラス様抜きで会う事になるけれど・・・。
 サイラス様が居ないから、私には近寄って来ないかな?
 私には興味なさそうだったしね。
 サイラス様が私の近くにいたから私に挨拶をしていた感じだったものね。

 パーティーでは、サイラス様は私を一時も離すことなく、腰を抱きながら挨拶回りをしていた。

 挨拶ついでに、「来年には彼女も成人を迎えるので、今から結婚するのが楽しみなんですよ」と言うように、惚気るのも忘れない。
 惚気というか、牽制というか・・・。

 将来有望なサイラス様の婚約者にと思っている令嬢達は多い。
 私という婚約者がいるのにも関わらずだ。

 むしろ、私が婚約者だからこそ、諦められずに未だにサイラス様を狙っている令嬢が多いとも言える。
 
 令嬢達が思っているのは「何故、魔力なしの令嬢なんかを婚約者に・・・」ということだ。
 それは私も同意出来るので、特になんとも思っていないけれど。

 流石に、魔力無しとは言っても、公爵令嬢であり、王弟殿下の娘である私に危害を加えようとするものも居なければ、表立って非難してくる人も居ない。

 なので、比較的平和と言える。

 それでも、アピールしてくる令嬢はいるので、私を全身サイラス様の色に染め上げることで、私たちの間に入る隙はありませんよってアピールしている。

 挨拶回りでも私を離さないのは、仲の良さをアピールするためでもあると思う。

 変な横槍が入るのを防ぐため。

 果たしてこれはいつまで続くのだろうか・・・。
 
 辺りを見回すが、ヒロインの姿は見えない。
 今までの言動から察するに、招待していないのだろう。
 
 残り約1年。
  
 私は何を何処まで備えればいいのだろう・・・。
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