27 / 58
11歳〜16歳
護身術を習いたい
しおりを挟む
14歳の公爵令嬢が習う物ではないけれど、護身術を教えて欲しいと我儘を言ってみた。
公爵令嬢の時点で、護衛がつかないと言う事は無く、護身術なんて不要だろうと言われてしまえば何も言い返せないけれど・・・。
私の場合は、家を出るかもしれない可能性がある以上、備えは必要!
そして・・・出来れば・・・暗器なるものも使ってみたい!
格好良い!
私もクイナとか投げてみたい!!
お父様には「魔法が使えないので、いざとなった時に自分で対応出来る手段を持っておきたいのです!」とおねだりした。
お父様は、私が魔法が使えないという事に敏感に反応するので、それならば「怪我をしないようにくれぐれも注意するように」と何度も言われ、許可してくれた。
私に護身術を教える騎士は、お父様に何度も「怪我をさせるな」「くれぐれも乱暴にしないように」などと、くどくどと言われていて申し訳なかったわね。
私に、護身術を教えてくれたのは、比較的若い騎士だった。
なんでも、体格に差がありすぎると技も掛けにくいだろうから、騎士の中でも小柄な部類に入る彼が相手をする事になったのだとか。
・・・小柄?
・・・・・・彼を小柄と表現して良いのだろうか?
ガッチリと鍛え上げられた逞しい体躯。
身長も私より20cm以上高いんじゃないかしら?
騎士の中では、彼を小柄と呼ぶのね。
騎士の世界は恐ろしいわね。
まずは、彼ともう1人の騎士が2人で、見本を見せてくれ、どういうものかを学ぶ。
なんとなく、そういうものかーと分かったところで、実践に入る。
まずは・・・後ろから腕を回された時に、どう対応するかというのを実践するために、小柄?な彼が私の背後から腕を回す。
そこで・・・
「・・・ねぇ、フェリシアは何をしているのかな?」
そこには、表情が抜け落ちたサイラス様が立っていた。
何故、サイラス様がいるのよー!!!
なんでこのタイミングなのよー!!!
笑顔の圧も怖いけど、無表情って何!?恐ろしいんですけど!!
私の後ろから腕を回していた彼も、サイラス様の雰囲気に呑まれ、動きが固まっていたが、サイラス様が一歩こちらへ近付いたタイミングで、素早く腕を外し後ろに下がる。
サイラス様は、私に近付くと彼が触れていた部分をパッパと手で払う。
「私という婚約者がいるのに、騎士といちゃつくなんて酷いと思わないか?」
「いえ・・・いちゃついていたわけでは・・・」
「彼、フェリシアに触れていたよね?私がそれを許すとでも?」
「あの、触れると言うか・・・護身術を・・・」
「フェリシア、護身術を習いたいのであれば、私が手取り足取り教えて上げるよ?だから、私以外から習うのは禁止させて貰うよ。君の父上にも話をしておいてあげるからね」
「・・・ありがとうございます」
そうして、私の護身術の授業1日目は何も出来ずに終わった。
公爵令嬢の時点で、護衛がつかないと言う事は無く、護身術なんて不要だろうと言われてしまえば何も言い返せないけれど・・・。
私の場合は、家を出るかもしれない可能性がある以上、備えは必要!
そして・・・出来れば・・・暗器なるものも使ってみたい!
格好良い!
私もクイナとか投げてみたい!!
お父様には「魔法が使えないので、いざとなった時に自分で対応出来る手段を持っておきたいのです!」とおねだりした。
お父様は、私が魔法が使えないという事に敏感に反応するので、それならば「怪我をしないようにくれぐれも注意するように」と何度も言われ、許可してくれた。
私に護身術を教える騎士は、お父様に何度も「怪我をさせるな」「くれぐれも乱暴にしないように」などと、くどくどと言われていて申し訳なかったわね。
私に、護身術を教えてくれたのは、比較的若い騎士だった。
なんでも、体格に差がありすぎると技も掛けにくいだろうから、騎士の中でも小柄な部類に入る彼が相手をする事になったのだとか。
・・・小柄?
・・・・・・彼を小柄と表現して良いのだろうか?
ガッチリと鍛え上げられた逞しい体躯。
身長も私より20cm以上高いんじゃないかしら?
騎士の中では、彼を小柄と呼ぶのね。
騎士の世界は恐ろしいわね。
まずは、彼ともう1人の騎士が2人で、見本を見せてくれ、どういうものかを学ぶ。
なんとなく、そういうものかーと分かったところで、実践に入る。
まずは・・・後ろから腕を回された時に、どう対応するかというのを実践するために、小柄?な彼が私の背後から腕を回す。
そこで・・・
「・・・ねぇ、フェリシアは何をしているのかな?」
そこには、表情が抜け落ちたサイラス様が立っていた。
何故、サイラス様がいるのよー!!!
なんでこのタイミングなのよー!!!
笑顔の圧も怖いけど、無表情って何!?恐ろしいんですけど!!
私の後ろから腕を回していた彼も、サイラス様の雰囲気に呑まれ、動きが固まっていたが、サイラス様が一歩こちらへ近付いたタイミングで、素早く腕を外し後ろに下がる。
サイラス様は、私に近付くと彼が触れていた部分をパッパと手で払う。
「私という婚約者がいるのに、騎士といちゃつくなんて酷いと思わないか?」
「いえ・・・いちゃついていたわけでは・・・」
「彼、フェリシアに触れていたよね?私がそれを許すとでも?」
「あの、触れると言うか・・・護身術を・・・」
「フェリシア、護身術を習いたいのであれば、私が手取り足取り教えて上げるよ?だから、私以外から習うのは禁止させて貰うよ。君の父上にも話をしておいてあげるからね」
「・・・ありがとうございます」
そうして、私の護身術の授業1日目は何も出来ずに終わった。
40
お気に入りに追加
653
あなたにおすすめの小説
記憶を失くした代わりに攻略対象の婚約者だったことを思い出しました
冬野月子
恋愛
ある日目覚めると記憶をなくしていた伯爵令嬢のアレクシア。
家族の事も思い出せず、けれどアレクシアではない別の人物らしき記憶がうっすらと残っている。
過保護な弟と仲が悪かったはずの婚約者に大事にされながら、やがて戻った学園である少女と出会い、ここが前世で遊んでいた「乙女ゲーム」の世界だと思い出し、自分は攻略対象の婚約者でありながらゲームにはほとんど出てこないモブだと知る。
関係のないはずのゲームとの関わり、そして自身への疑問。
記憶と共に隠された真実とは———
※小説家になろうでも投稿しています。
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
猛禽令嬢は王太子の溺愛を知らない
高遠すばる
恋愛
幼い頃、婚約者を庇って負った怪我のせいで目つきの悪い猛禽令嬢こと侯爵令嬢アリアナ・カレンデュラは、ある日、この世界は前世の自分がプレイしていた乙女ゲーム「マジカル・愛ラブユー」の世界で、自分はそのゲームの悪役令嬢だと気が付いた。
王太子であり婚約者でもあるフリードリヒ・ヴァン・アレンドロを心から愛しているアリアナは、それが破滅を呼ぶと分かっていてもヒロインをいじめることをやめられなかった。
最近ではフリードリヒとの仲もギクシャクして、目すら合わせてもらえない。
あとは断罪を待つばかりのアリアナに、フリードリヒが告げた言葉とはーー……!
積み重なった誤解が織りなす、溺愛・激重感情ラブコメディ!
※王太子の愛が重いです。
婚約破棄をいたしましょう。
見丘ユタ
恋愛
悪役令嬢である侯爵令嬢、コーデリアに転生したと気づいた主人公は、卒業パーティーの婚約破棄を回避するために奔走する。
しかし無慈悲にも卒業パーティーの最中、婚約者の王太子、テリーに呼び出されてしまうのだった。
全ては望んだ結末の為に
皐月乃 彩月
恋愛
ループする世界で、何度も何度も悲惨な目に遭う悪役令嬢。
愛しの婚約者や仲の良かった弟や友人達に裏切られ、彼女は絶望して壊れてしまった。
何故、自分がこんな目に遇わなければならないのか。
「貴方が私を殺し続けるなら、私も貴方を殺し続ける事にするわ」
壊れてしまったが故に、悪役令嬢はヒロインを殺し続ける事にした。
全ては望んだ結末を迎える為に──
※主人公が闇落ち?してます。
※カクヨムやなろうでも連載しています作:皐月乃 彩月
婚約破棄したい悪役令嬢と呪われたヤンデレ王子
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「フレデリック殿下、私が十七歳になったときに殿下の運命の方が現れるので安心して下さい」と婚約者は嬉々として自分の婚約破棄を語る。
それを阻止すべくフレデリックは婚約者のレティシアに愛を囁き、退路を断っていく。
そしてレティシアが十七歳に、フレデリックは真実を語る。
※王子目線です。
※一途で健全?なヤンデレ
※ざまああり。
※なろう、カクヨムにも掲載
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる