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11歳〜16歳

バリエーション

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 今日は、お父様にお願いしていた魔道具師との打ち合わせ。

 兎が可愛いなと思って、影人形を兎の形にしていたけれど、それだけではちょっと使い勝手が悪い気がしてきたので、バリエーションを増やすことにした。

 小鳥、大鳥、ネズミ、猫の4種類を増やすことにした。

 影人形は基本的に私と繋がっているので、私が魔力切れを起こさない限りは動き続ける。
 私が、魔力切れを起こして倒れるようなことがあれば、影人形達はその場で霧散してしまう。
 魔道具の目だけが残ってしまうことになるので、出来ればそれは避けたいところ。

 今回は、ウサギと4種類の影人形の目を作って貰う。

 始めは、両目ではなく、片目だけを作って貰えば良いかなとも思ったのだけれど、壊れた時のためのスペアとして両目作ってもらう事にした。
 
 基本的には、右目を起動し、壊れた場合は、左目が自動的に起動するようにすれば、情報が途切れることなく得ることが出来る。

 「お嬢様・・・あの、本当にこの形の物を造るのですか?」

 「えぇ、見本があった方が形が明確になると思って、ぬいぐるみを持ってきたから、それを参考にして貰えると助かるわ」

 「わ、分かりました。中々受けることのないご要望だったので、少し戸惑ってしまいましたが、ご依頼となれば、しっかりと造らせて頂きます」

 「期待しているわ。我が家の魔道具もあなたが造っていると聞いているの。いつもありがとう」

 「いえ、こちらこそ、公爵家からご依頼頂き、誉でございます」

 「ふふっ、楽しみにしているわね」

 「出来るだけ、ご要望に応えられるように頑張らせて頂きます」

 無事、魔道具師との打ち合わせも終わり、後は仕上がりを待つだけ。
 
 影人形は、黒いので、目の色もそれに合わせて黒にして貰った。
 目だけが光って目立つようでは隠密活動には向かないからね。

 隠密活動・・・響きが忍者っぽいわ!

 影人形に色をつけるか迷ったけれど、夜に紛れやすいし、影と同化して見えなく出来るから、色はつけずに黒のままで行くことにした。

 小鳥は、街中の様子を見るのに適してそうだし、大鳥は高い位置から広い範囲を把握出来るのも良い。
 猫とネズミは庭先とか民家とか探る時に良さそうかな。

 うさちゃんは・・・私の相手用かな・・・。
 ちょっと情報収集には向かないからね。
 見た目の可愛さということで、私と一緒に遊んでくれればそれでOK!

 そうだね。
 常にうさちゃん型の影人形は連れ歩こうかな。
 人前に出る時は、私の影に隠れさせて、1人になったらぴょんと出てくる・・・萌える! 
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