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11歳〜16歳

ヒロインに挨拶

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 何事もなく平和に日々過ぎて行き、私は14歳になっていた。
 後2年で運命の日。

 今から備えられるだけ備えようと・・・あることを日課にするようになった。
 
 サイラス様からは、相変わらず良くお手紙が来て、婚約者になったからと良くお茶会もしている。
 毎回、私への愛を囁きながら綺麗な花束をプレゼントしてくれる。

 ・・・サイラス様ってヒロインと今どういう状況なんだろうか。

 毎年王宮で開かれるお茶会では、ヒロインがサイラス様に挨拶をするタイミングで、静かに消える様にしているが、すぐにサイラス様に捕まる。
 
 この時のサイラス様は、笑顔の圧が怖い・・・。
 笑顔って怖いものだったかな?

 そんなことをしていたら、今年はサイラス様が私の腰をガッチリ掴み離さなくなった。

 え・・・ヒロインとサイラス様と3人で仲良くお喋りなんて想像するだけで怖いんだけど。

 これはもう1人巻き込んだ方が良い!
 と言うことで、毎度の事ながらルーズベルト様頼りに・・・。

 ルーズベルト様とヒロインは、一度馬車に乗り合わせた仲だし、ルーズベルト様自身も攻略対象なので、ヒロインとしては良いんじゃないかな?

 両方とも高感度高いという事だろうしね。

 ヒロインが現れる前に、ルーズベルト様とサイラス様と3人で会話をし、ヒロインの登場を待つ。
 
 彼女は、会場についてすぐにサイラス様に挨拶をするので、会場についたらすぐ分かるはず。

 「サイラス様・・・こんにちは」

 ほら、きた!

 「ウェルダー子爵令嬢。何度も言うようだが、名前で呼ぶのをやめて貰えるかな?」

 「えっ、ですが・・・私たち・・・」

 「私たちと言う言い方もやめて貰いたい。私は君と親しくしているわけでもないので、勘違いされるような言い方は困るんだよね」

 「・・・・・・」

 サイラス様からの冷たい言葉に、黙り込むしか出来ないヒロイン。
 いやー・・・空気が悪い。

 どうしたら良いのだろうかと助けを求めるように、ルーズベルト様の方を見た瞬間に、腰に回っていたサイラス様の手に力が入る。

 恐る恐るサイラス様の方を向くと、笑顔・・・いつもの笑顔の圧ー!
 え、ルーズベルト様を見るだけでもだめなの!?

 「そちらの方は・・・どちらかお伺いしても宜しいですか?」
 
 おーっと、ヒロインめげない!凄い!
 ここで、私について聞いちゃうのね・・・。

 「彼女は私の最愛の婚約者、フェリシア・オルガイン公爵令嬢だよ」
 
 そう言うと、満面の笑みを浮かべた。

 「公爵令嬢・・・婚約者・・・」

 ヒロインは私の紹介を聞いて、何やら呟いていた。
 ここで挨拶しないわけにはいかないよね。

 「サイラス様の婚約者、フェリシア・オルガインと申します」
 
 「アンネ・ウェルダーと申します。ご挨拶ありがとうございます」

 そう言うと、ヒロインは顔を下げたので、どんな表情をしていたのか分からなかった。
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