【完結】魔獣に喰い殺されたくないので、婚約者ではなく幼馴染の立場を希望します!

Ria★発売中『簡単に聖女に魅了〜』

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11歳〜16歳

運命のお茶会

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 今日は、王宮へのお茶会へ行く。
 とうとう運命の日が訪れた。

 そして、思う。

 ・・・ヒロインの外見を知らないと。

 子爵家に引き取られたと言う事は知ってるんだけど、髪色やら瞳の色やら全く知らない。
 これでは、2人の出会いを邪魔しない様に、そっと離れることが出来ない。

 あれかな?
 ヒロインあるあるの、ピンクの髪とかだったりするのかな?
 それなら分かりやすいけど・・・。

 もうこの際、王宮の庭園に着いたら、すぐにバラ園の方に隠れちゃう?
 そうすれば、万が一にも邪魔する事はない。

 ただ、周りに一切挨拶もせずに隠れるのも不味い気がする。
 それに、マリア達には挨拶したいし、お喋りもしたい。

 でも、それをすると絶対にサイラス様とも挨拶することになる。

 彼が私を見かけて声を掛けてこないとは思えないから・・・。

 サイラス様と話してるところに、ヒロイン来ちゃったら1番最悪なパターンだし困ったな。

 どうすれば良いか分からないまま、馬車に揺られて王宮へ到着してしまった。

 悶々とした気持ちのまま、庭園に案内される。

 既にマリア達は到着していた様で、すぐ見つけることが出来た。
 早速挨拶しに向かおうとしたところで、横から声を掛けられる。

 「フェリシア嬢、今きたところかな?」

 声を掛けられた方に顔を向けると・・・

 サイラス様とルーズベルト様がいた。

 「サイラス様、ルーズベルト様、ご機嫌よう。丁度今ついたところですわ」

 「そう、俺たちもさっき着いたところなんだ」

 「私が馬車で着いた時に、丁度前の馬車にルーズベルト様が乗っていてね。一緒にここまできたんだ」

 「そうだったんですね」

 サイラス様を避ける予定が・・・1番始めに会ってどうする。
 しかし、これは不可抗力。
 私にはどうする事もできない・・・。

 いつヒロインと出会っちゃうか分からないから、さっさとマリア達のところに逃げよう。

 「サイラス様、ルーズベルト様、きたばかりで友人への挨拶も済ませていないので、少し挨拶に行ってきますね」
 
 「あぁ、そうだったね。彼女達は・・・あぁ、あそこにいるね。フェリシア嬢を待っているみたいだ」

 マリア達の方を見ると、目が合って小さく手を振っている。

 「そう見たいです。それでは、また後程」

 よし!サイラス様から離れられた。

 後は、マリア達と楽しくお喋りして、適当な時間になったら、バラ園の方へ隠れよう。

 そこからこっそりと、お茶会の会場内を覗いて、サイラス様とヒロインの運命の再会を見届けて、誰がヒロインか確認しなくちゃ。
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