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三章 精霊姫 側妃になる
大人の時間とは?
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「あら、ウェンディはおねむかしらね」
ここにくる前に庭園で沢山歩いたみたいだし、お菓子を食べて満足したら、眠くなってしまったみたいね。
もう目が閉じてしまいそうだわ。
すると、すぐにウェンディの従者が、側で膝をつき、声がかかるのを待つ。
「この子を部屋まで連れていってくれるかしら?」
「畏まりました」
「ウェンディ、また一緒にお茶しましょうね」
既に夢の中に旅立ったウェンディからの返事はない。
ふふっ。可愛いわね。額に口付けを落とし、見送ると・・・ヴァン様の手つきが怪しくなっていく。
ウェンディがいなくなった途端、色気が醸し出され、いやらしく腰を撫で上げ、首筋に口付けが落ちてくる。
「ヴァン様・・・」
「ウェンディもいなくなったことだし、大人の時間だろう?」
「大人の時間というには、まだ明るいですわ」
そう、まだ午前中。大人の時間とは言い難い!
「そんな堅いことを・・・」
そう言うヴァン様の手が止まることはなく、徐々に乱れていくドレスからは肌が晒され・・・
ハッとして、あたりを見渡すと、使用人達は既に退出した後だった。
本当に、教育が行き届いているわ・・・
こうなったら、止まるヴァン様ではない。
それならば、素直に受け入れ、終わりを決めなければ!
「んっ・・・ヴァン様、お仕事もありますし・・・はぁ・・・1時間と決めましょう」
「・・・1時間だと?」
「はい。ヴァン様もお仕事がありますし、まだ午前中ですし・・・夜にまたしますでしょう?」
「・・・分かった」
良かった・・・
このままだと一日中抱き潰されていたかもしれない。
「昼までには解放してやろう」
「えっ!? ちょっ、まっ・・・ヴァン様ー!!」
結局、ヴァン様の宣言通り、昼食の時間まで離して貰えなかった。
たっぷり抱いて満足したヴァン様は、仕事をしながら食事を取ると言って、去っていった。
ヴァン様の姿が見えなくなると、どこからともなく、使用人達が顔を出す。
テーブルの上には、冷えた果実水とフルーツなどが用意される。
そのいつもの様子に、慣れたものねと思う。
抱かれた後は、果実水で喉を潤し、軽くフルーツを摘みながら微睡むのが常だ。
なんか、今日はもう何もする気になれないわね。
そうねー・・・湯船にゆっくり浸かった後に、オイルマッサージでもして貰おうかしら。
そのあとは、読書でもしてのんびり過ごすのも良いわね。
側妃なんて、しなければいけないことなんてないんだし、今日はもうだらけて過ごそう!
「湯の用意を。それと、その後にマッサージもお願いしたいわ」
「畏まりました。すぐに準備致します」
この至れり尽くせりな環境、癖になるのよね。
ここを去るときに、普通に冒険出来るかしら。
まだ何十年も先の話・・・その時考えましょう。
これから子供達が育ち、嫁いで行く。
リリアーナは、ロイ義兄様の息子との縁談が内々に決まっている。
顔合わせは、リリアーナが10歳になったときにすることになっているので、5年後、ロイ義兄様に会える。
側妃となってから、一度もロイ義兄様と会っていない。
通信機を使っての会話も少し近状を話す程度・・・ロイ義兄様、元気かしら。
ロイ義兄様のことを考えていると、ヴァン様が敏感に反応するので、普段はロイ義兄様のことは考えないことにしている。
5年後の顔合わせ・・・私は参加させて貰えるのだろうか・・・?
ここにくる前に庭園で沢山歩いたみたいだし、お菓子を食べて満足したら、眠くなってしまったみたいね。
もう目が閉じてしまいそうだわ。
すると、すぐにウェンディの従者が、側で膝をつき、声がかかるのを待つ。
「この子を部屋まで連れていってくれるかしら?」
「畏まりました」
「ウェンディ、また一緒にお茶しましょうね」
既に夢の中に旅立ったウェンディからの返事はない。
ふふっ。可愛いわね。額に口付けを落とし、見送ると・・・ヴァン様の手つきが怪しくなっていく。
ウェンディがいなくなった途端、色気が醸し出され、いやらしく腰を撫で上げ、首筋に口付けが落ちてくる。
「ヴァン様・・・」
「ウェンディもいなくなったことだし、大人の時間だろう?」
「大人の時間というには、まだ明るいですわ」
そう、まだ午前中。大人の時間とは言い難い!
「そんな堅いことを・・・」
そう言うヴァン様の手が止まることはなく、徐々に乱れていくドレスからは肌が晒され・・・
ハッとして、あたりを見渡すと、使用人達は既に退出した後だった。
本当に、教育が行き届いているわ・・・
こうなったら、止まるヴァン様ではない。
それならば、素直に受け入れ、終わりを決めなければ!
「んっ・・・ヴァン様、お仕事もありますし・・・はぁ・・・1時間と決めましょう」
「・・・1時間だと?」
「はい。ヴァン様もお仕事がありますし、まだ午前中ですし・・・夜にまたしますでしょう?」
「・・・分かった」
良かった・・・
このままだと一日中抱き潰されていたかもしれない。
「昼までには解放してやろう」
「えっ!? ちょっ、まっ・・・ヴァン様ー!!」
結局、ヴァン様の宣言通り、昼食の時間まで離して貰えなかった。
たっぷり抱いて満足したヴァン様は、仕事をしながら食事を取ると言って、去っていった。
ヴァン様の姿が見えなくなると、どこからともなく、使用人達が顔を出す。
テーブルの上には、冷えた果実水とフルーツなどが用意される。
そのいつもの様子に、慣れたものねと思う。
抱かれた後は、果実水で喉を潤し、軽くフルーツを摘みながら微睡むのが常だ。
なんか、今日はもう何もする気になれないわね。
そうねー・・・湯船にゆっくり浸かった後に、オイルマッサージでもして貰おうかしら。
そのあとは、読書でもしてのんびり過ごすのも良いわね。
側妃なんて、しなければいけないことなんてないんだし、今日はもうだらけて過ごそう!
「湯の用意を。それと、その後にマッサージもお願いしたいわ」
「畏まりました。すぐに準備致します」
この至れり尽くせりな環境、癖になるのよね。
ここを去るときに、普通に冒険出来るかしら。
まだ何十年も先の話・・・その時考えましょう。
これから子供達が育ち、嫁いで行く。
リリアーナは、ロイ義兄様の息子との縁談が内々に決まっている。
顔合わせは、リリアーナが10歳になったときにすることになっているので、5年後、ロイ義兄様に会える。
側妃となってから、一度もロイ義兄様と会っていない。
通信機を使っての会話も少し近状を話す程度・・・ロイ義兄様、元気かしら。
ロイ義兄様のことを考えていると、ヴァン様が敏感に反応するので、普段はロイ義兄様のことは考えないことにしている。
5年後の顔合わせ・・・私は参加させて貰えるのだろうか・・・?
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