100 / 106
三章 精霊姫 側妃になる
大人の時間とは?
しおりを挟む
「あら、ウェンディはおねむかしらね」
ここにくる前に庭園で沢山歩いたみたいだし、お菓子を食べて満足したら、眠くなってしまったみたいね。
もう目が閉じてしまいそうだわ。
すると、すぐにウェンディの従者が、側で膝をつき、声がかかるのを待つ。
「この子を部屋まで連れていってくれるかしら?」
「畏まりました」
「ウェンディ、また一緒にお茶しましょうね」
既に夢の中に旅立ったウェンディからの返事はない。
ふふっ。可愛いわね。額に口付けを落とし、見送ると・・・ヴァン様の手つきが怪しくなっていく。
ウェンディがいなくなった途端、色気が醸し出され、いやらしく腰を撫で上げ、首筋に口付けが落ちてくる。
「ヴァン様・・・」
「ウェンディもいなくなったことだし、大人の時間だろう?」
「大人の時間というには、まだ明るいですわ」
そう、まだ午前中。大人の時間とは言い難い!
「そんな堅いことを・・・」
そう言うヴァン様の手が止まることはなく、徐々に乱れていくドレスからは肌が晒され・・・
ハッとして、あたりを見渡すと、使用人達は既に退出した後だった。
本当に、教育が行き届いているわ・・・
こうなったら、止まるヴァン様ではない。
それならば、素直に受け入れ、終わりを決めなければ!
「んっ・・・ヴァン様、お仕事もありますし・・・はぁ・・・1時間と決めましょう」
「・・・1時間だと?」
「はい。ヴァン様もお仕事がありますし、まだ午前中ですし・・・夜にまたしますでしょう?」
「・・・分かった」
良かった・・・
このままだと一日中抱き潰されていたかもしれない。
「昼までには解放してやろう」
「えっ!? ちょっ、まっ・・・ヴァン様ー!!」
結局、ヴァン様の宣言通り、昼食の時間まで離して貰えなかった。
たっぷり抱いて満足したヴァン様は、仕事をしながら食事を取ると言って、去っていった。
ヴァン様の姿が見えなくなると、どこからともなく、使用人達が顔を出す。
テーブルの上には、冷えた果実水とフルーツなどが用意される。
そのいつもの様子に、慣れたものねと思う。
抱かれた後は、果実水で喉を潤し、軽くフルーツを摘みながら微睡むのが常だ。
なんか、今日はもう何もする気になれないわね。
そうねー・・・湯船にゆっくり浸かった後に、オイルマッサージでもして貰おうかしら。
そのあとは、読書でもしてのんびり過ごすのも良いわね。
側妃なんて、しなければいけないことなんてないんだし、今日はもうだらけて過ごそう!
「湯の用意を。それと、その後にマッサージもお願いしたいわ」
「畏まりました。すぐに準備致します」
この至れり尽くせりな環境、癖になるのよね。
ここを去るときに、普通に冒険出来るかしら。
まだ何十年も先の話・・・その時考えましょう。
これから子供達が育ち、嫁いで行く。
リリアーナは、ロイ義兄様の息子との縁談が内々に決まっている。
顔合わせは、リリアーナが10歳になったときにすることになっているので、5年後、ロイ義兄様に会える。
側妃となってから、一度もロイ義兄様と会っていない。
通信機を使っての会話も少し近状を話す程度・・・ロイ義兄様、元気かしら。
ロイ義兄様のことを考えていると、ヴァン様が敏感に反応するので、普段はロイ義兄様のことは考えないことにしている。
5年後の顔合わせ・・・私は参加させて貰えるのだろうか・・・?
ここにくる前に庭園で沢山歩いたみたいだし、お菓子を食べて満足したら、眠くなってしまったみたいね。
もう目が閉じてしまいそうだわ。
すると、すぐにウェンディの従者が、側で膝をつき、声がかかるのを待つ。
「この子を部屋まで連れていってくれるかしら?」
「畏まりました」
「ウェンディ、また一緒にお茶しましょうね」
既に夢の中に旅立ったウェンディからの返事はない。
ふふっ。可愛いわね。額に口付けを落とし、見送ると・・・ヴァン様の手つきが怪しくなっていく。
ウェンディがいなくなった途端、色気が醸し出され、いやらしく腰を撫で上げ、首筋に口付けが落ちてくる。
「ヴァン様・・・」
「ウェンディもいなくなったことだし、大人の時間だろう?」
「大人の時間というには、まだ明るいですわ」
そう、まだ午前中。大人の時間とは言い難い!
「そんな堅いことを・・・」
そう言うヴァン様の手が止まることはなく、徐々に乱れていくドレスからは肌が晒され・・・
ハッとして、あたりを見渡すと、使用人達は既に退出した後だった。
本当に、教育が行き届いているわ・・・
こうなったら、止まるヴァン様ではない。
それならば、素直に受け入れ、終わりを決めなければ!
「んっ・・・ヴァン様、お仕事もありますし・・・はぁ・・・1時間と決めましょう」
「・・・1時間だと?」
「はい。ヴァン様もお仕事がありますし、まだ午前中ですし・・・夜にまたしますでしょう?」
「・・・分かった」
良かった・・・
このままだと一日中抱き潰されていたかもしれない。
「昼までには解放してやろう」
「えっ!? ちょっ、まっ・・・ヴァン様ー!!」
結局、ヴァン様の宣言通り、昼食の時間まで離して貰えなかった。
たっぷり抱いて満足したヴァン様は、仕事をしながら食事を取ると言って、去っていった。
ヴァン様の姿が見えなくなると、どこからともなく、使用人達が顔を出す。
テーブルの上には、冷えた果実水とフルーツなどが用意される。
そのいつもの様子に、慣れたものねと思う。
抱かれた後は、果実水で喉を潤し、軽くフルーツを摘みながら微睡むのが常だ。
なんか、今日はもう何もする気になれないわね。
そうねー・・・湯船にゆっくり浸かった後に、オイルマッサージでもして貰おうかしら。
そのあとは、読書でもしてのんびり過ごすのも良いわね。
側妃なんて、しなければいけないことなんてないんだし、今日はもうだらけて過ごそう!
「湯の用意を。それと、その後にマッサージもお願いしたいわ」
「畏まりました。すぐに準備致します」
この至れり尽くせりな環境、癖になるのよね。
ここを去るときに、普通に冒険出来るかしら。
まだ何十年も先の話・・・その時考えましょう。
これから子供達が育ち、嫁いで行く。
リリアーナは、ロイ義兄様の息子との縁談が内々に決まっている。
顔合わせは、リリアーナが10歳になったときにすることになっているので、5年後、ロイ義兄様に会える。
側妃となってから、一度もロイ義兄様と会っていない。
通信機を使っての会話も少し近状を話す程度・・・ロイ義兄様、元気かしら。
ロイ義兄様のことを考えていると、ヴァン様が敏感に反応するので、普段はロイ義兄様のことは考えないことにしている。
5年後の顔合わせ・・・私は参加させて貰えるのだろうか・・・?
41
お気に入りに追加
405
あなたにおすすめの小説
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【完結】番が見つかった恋人に今日も溺愛されてますっ…何故っ!?
ハリエニシダ・レン
恋愛
大好きな恋人に番が見つかった。
当然のごとく別れて、彼は私の事など綺麗さっぱり忘れて番といちゃいちゃ幸せに暮らし始める……
と思っていたのに…!??
狼獣人×ウサギ獣人。
※安心のR15仕様。
-----
主人公サイドは切なくないのですが、番サイドがちょっと切なくなりました。予定外!
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
異世界を満喫します~愛し子は最強の幼女
かなかな
ファンタジー
異世界に突然やって来たんだけど…私これからどうなるの〜〜!?
もふもふに妖精に…神まで!?
しかも、愛し子‼︎
これは異世界に突然やってきた幼女の話
ゆっくりやってきますー
転生したらチートすぎて逆に怖い
至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん
愛されることを望んでいた…
神様のミスで刺されて転生!
運命の番と出会って…?
貰った能力は努力次第でスーパーチート!
番と幸せになるために無双します!
溺愛する家族もだいすき!
恋愛です!
無事1章完結しました!
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる