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三章 精霊姫 側妃になる
剣術の授業開始
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剣術を教えてくれる騎士の事は、「先生」と呼ぶことになった。
何故か?
ヴァン様が、自分以外の男の名前を口にするのは、許せないと言うから。
嫉妬深過ぎませんか!?
先生と何か間違いがあってはいけないからと、周囲には、多くの使用人達が見守っている。
いや、剣術を教えて貰うだけだよ?
何もないよ?
寧ろ、私に何か出来るなら、やってご覧なさい!な感じなのだけど・・・。
流石に、この状況は、先生も苦笑いをせずには、いられない。
「・・・それでは、剣術の授業を始めたいと思いますが、お二人とも準備は、宜しいでしょうか?」
「はい、問題ありませんわ」
「はいっ!私も問題ありません。宜しくお願いします!」
レオンハルトも張り切っているわね。
やっぱり、男の子は、剣に憧れるものかしらね。
ヴァン様と私の血を引いているから、きっと、レオンハルトも色々な事を、すぐに吸収出来るようになるでしょう。
「では、まずは、剣を構えるところから、始めます。構えがしっかりしていなければ、剣を振るう事は出来ません。正しく構えることが出来たら、次は素振りに入ろうと思います。では、まず、私が構えを見せますので、真似して構えて見て下さい。違う様であれば、その都度、直させて頂きます」
剣を構えた先生を、前から後ろから、左右からと、先生の周りをぐるぐると回りながら、構えを観察し、記憶していく。
暫く、観察してから、真似て構えてみる。
あ、なんか、それっぽい感じがする。
すんなりと、イメージ通り構えることが出来た。
「・・・側妃様は、特に言うことは無いようです。剣を持つのは初めてと伺いましたが・・・」
「えぇ、初めてね。ただ、私、目が良いみたいで、先生の構えをじっくりと観察させて頂いたので、ちゃんと真似することが出来たみたいですわ」
「素晴らしい才能です。水晶宮に籠られるには、惜しい才能ですが・・・っと、こんなことを言ってしまうと、殿下からお叱りを受けてしまいますね」
「そうね・・・褒め言葉は嬉しいけれど、気をつけないと、ヴァン様がご機嫌斜めになってしまうわね」
ヴァン様は、私が水晶宮から出ることを良しとして居ないので、今の褒め言葉は、宜しくないわね。
私の横で、真剣に構えているレオンハルトを見ると、少し剣の持ち方がおかしい様に見える。
「レオンハルト様、少し腰が引けているので、気を付けて頂いて、剣は、少し上げて・・・そうですね。良いです」
「ありがとうございます」
「お二人とも筋が良さそうですね。側妃様に関しては、言うことは無いですし、レオンハルト様も一度の指摘で、すぐに調整が出来る。素晴らしいです。後は、暫く、その状態をキープして頂いてから、素振りに入りましょう」
そう言われ、剣を構えた状態をキープする。
それなりに、重さもあるので、ずっとこの状態をキープするには、女性の細腕では厳しい所だけど、そこは精霊姫特典!
筋肉痛ってなに?な、素晴らしいボディを持っている!
何時間でも、剣を構えることが出来る!
そんな私とは裏腹に、腕がプルプルと震えてくるレオンハルト。
まだ7歳児だものね。
仕方ないわ。
「はい、そこまでにしましょう。レオンハルト様、頑張りましたね。少し休憩にしましょう」
「はい、構えをキープするのは、大変なことですね」
「そうですね。剣を振るうには、筋力を付けねばなりませんし、構えの状態をキープし続けることで、筋力も鍛えられますので、毎日数分でも良いので、やって頂けると良いですね」
「分かりました。頑張ります!」
こんなの辛い、もう嫌だって言わないのも凄いわね。
7歳児なのに、本当に、しっかりした子だわ。
何故か?
ヴァン様が、自分以外の男の名前を口にするのは、許せないと言うから。
嫉妬深過ぎませんか!?
先生と何か間違いがあってはいけないからと、周囲には、多くの使用人達が見守っている。
いや、剣術を教えて貰うだけだよ?
何もないよ?
寧ろ、私に何か出来るなら、やってご覧なさい!な感じなのだけど・・・。
流石に、この状況は、先生も苦笑いをせずには、いられない。
「・・・それでは、剣術の授業を始めたいと思いますが、お二人とも準備は、宜しいでしょうか?」
「はい、問題ありませんわ」
「はいっ!私も問題ありません。宜しくお願いします!」
レオンハルトも張り切っているわね。
やっぱり、男の子は、剣に憧れるものかしらね。
ヴァン様と私の血を引いているから、きっと、レオンハルトも色々な事を、すぐに吸収出来るようになるでしょう。
「では、まずは、剣を構えるところから、始めます。構えがしっかりしていなければ、剣を振るう事は出来ません。正しく構えることが出来たら、次は素振りに入ろうと思います。では、まず、私が構えを見せますので、真似して構えて見て下さい。違う様であれば、その都度、直させて頂きます」
剣を構えた先生を、前から後ろから、左右からと、先生の周りをぐるぐると回りながら、構えを観察し、記憶していく。
暫く、観察してから、真似て構えてみる。
あ、なんか、それっぽい感じがする。
すんなりと、イメージ通り構えることが出来た。
「・・・側妃様は、特に言うことは無いようです。剣を持つのは初めてと伺いましたが・・・」
「えぇ、初めてね。ただ、私、目が良いみたいで、先生の構えをじっくりと観察させて頂いたので、ちゃんと真似することが出来たみたいですわ」
「素晴らしい才能です。水晶宮に籠られるには、惜しい才能ですが・・・っと、こんなことを言ってしまうと、殿下からお叱りを受けてしまいますね」
「そうね・・・褒め言葉は嬉しいけれど、気をつけないと、ヴァン様がご機嫌斜めになってしまうわね」
ヴァン様は、私が水晶宮から出ることを良しとして居ないので、今の褒め言葉は、宜しくないわね。
私の横で、真剣に構えているレオンハルトを見ると、少し剣の持ち方がおかしい様に見える。
「レオンハルト様、少し腰が引けているので、気を付けて頂いて、剣は、少し上げて・・・そうですね。良いです」
「ありがとうございます」
「お二人とも筋が良さそうですね。側妃様に関しては、言うことは無いですし、レオンハルト様も一度の指摘で、すぐに調整が出来る。素晴らしいです。後は、暫く、その状態をキープして頂いてから、素振りに入りましょう」
そう言われ、剣を構えた状態をキープする。
それなりに、重さもあるので、ずっとこの状態をキープするには、女性の細腕では厳しい所だけど、そこは精霊姫特典!
筋肉痛ってなに?な、素晴らしいボディを持っている!
何時間でも、剣を構えることが出来る!
そんな私とは裏腹に、腕がプルプルと震えてくるレオンハルト。
まだ7歳児だものね。
仕方ないわ。
「はい、そこまでにしましょう。レオンハルト様、頑張りましたね。少し休憩にしましょう」
「はい、構えをキープするのは、大変なことですね」
「そうですね。剣を振るうには、筋力を付けねばなりませんし、構えの状態をキープし続けることで、筋力も鍛えられますので、毎日数分でも良いので、やって頂けると良いですね」
「分かりました。頑張ります!」
こんなの辛い、もう嫌だって言わないのも凄いわね。
7歳児なのに、本当に、しっかりした子だわ。
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