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三章 精霊姫 側妃になる

長い・・・夜?

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 長い夜・・・のはずが、朝まで抱き潰され、長い夜どころでは無かった。
 私が誘ったから、自業自得とは言え、長過ぎるー!!

 サイドテーブルに、用意しておいた果実水をヴァン様に口移しで飲まされ、ヴァン様も私も気怠い疲労が無くなり、もう一戦と言いかけたヴァン様に待ったをかけて、一緒にまったり過ごしましょうと提案し、ベッドの上で身を寄せながら、微睡む。

 果実水で、回復はしたが、流石に朝まで相手するのは精神的にも疲れるのか、ゆっくり眠りたいと思う。
 うとうとする中でも、ヴァン様は私の体に手を這わすので、時々ぺちっと叩き、自制するようにジッと見つめる。

 「はぁ・・・分かった。これ以上は、触らない。私はそろそろ執務室へ向かうから、リアは、ゆっくり眠っていると良い」

 「はい、ヴァン様も休みながらお仕事してくださいね。いってらっしゃいませ」

 最後に、唇にリップ音をさせながら、口付けする。
 
 「・・・リア、もう一回」

 ヴァン様は、そういうと、覆いかぶさる様に抱き込み、口付けを深くしていく。
 これ以上は、触らないと言っていた様に、手は体を這う事なく、固定されている。
 いつもであれば、口付けしながら、私の感じる場所を的確に触ってくるので、快感に溺れることが出来るのに・・・自分から駄目だと言ったのに、物足りなさを感じてしまうのには、困ったわね。

 「そんな顔をしていると、休ませてあげられなくなるぞ」

 「う″っ・・・流石に、今から一戦は遠慮したいです」

 「じゃあ、良い子で寝てるんだな。今度こそ、行ってくる」

 「はい、行ってらっしゃいませ」

 名残惜しそうに、髪を指に絡ませならが離れていくヴァン様。
 扉から出ていくヴァン様を見送り、ベッドに横たわる。

 やっぱり、眠るって大事よね。
 疲れが取れる気がするもの。気がするって大事。
 
 起きたら、全身マッサージして貰って、リフレッシュしましょう。
 この全身マッサージ、一度やって貰うと、気持ち良過ぎて病みつきになってしまう。
 温められたオイルを使い、体を解されるのは、本当に最高!

 こればかりは、今後、冒険者になったとしても、続けていきたい。
 マッサージ専用の人を雇って、拠点とする家に住み込みで雇っても良いかもしれないわね。
 それなら、いつ帰宅したとしても、好きな時にマッサージを受けることが出来る。
 贅沢だわ。

 私は、基本的に料理はあまりしないから、料理人とメイドとマッサージ師の3人雇えば、十分かな。
 家も余り広くしなければ、大変じゃ無いだろうし、冒険者になったら、狩りに行ってて、夜しか家に帰らなさそうだしね。

 拠点にするのは・・・マグニート辺境伯領かリッドラン辺境伯領のどちらかになるわね。
 リッドラン辺境伯領には、別荘があるけど・・・ここはロイ義兄様との思い出の場所だから、誰も入れたくない。
 新しく別荘を建てるか、空き家を買い取って、リフォームするか。

 まぁ、数十年は、側妃を続ける事になるから、細かな事は暫く考えなくても良いわね。

 でも、冒険者活動に必要そうな、下地だけは整えていこう。
 
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