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三章 精霊姫 側妃になる

安定期再び

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 あれからもヴァン様は毎晩水晶宮へ通っていた。
 そして、ヴァン様が待ちに待った安定期が再び。

 今回は、前回侍医が言い忘れた忠告を今回はしっかりと、「1回だけ。優しく、ゆっくり、短時間で!短時間ですからな!」と短時間を強調し去っていった。

 前回の時は、この「短時間で!」と言うのを言い忘れていたが為に、優しく、ゆっくりだが延々と喘がされて、ぐったりとするという状況になってしまった。

 まぁ、人間だった場合、完全にアウトですね!
 赤ちゃんに何かあったらどうするの!?というレベルです。

 その点、私は人間ではないので、特に体に問題はないけれど、長時間イカされるというのは、精神的に来るものがある。
 いい加減解放して!と何度思ったことか!
 まぁ、翌日には精霊樹の実を食べれば、心身ともにスッキリ回復しちゃうので、問題ないと言えば無いけれど・・・。

 始めは先生に「30分」と言われ、眉間に皺が寄ってしまったヴァン様を見て、「1時間」と言い直してくれた侍医。

 私を抱いた後のヴァン様はそれはそれは不満そうな顔をしていた。

 「1時間などと・・・抱き足りないではないか。リアも満足出来ないであろう?」

 ・・・確かに、抱き潰されるのに慣れてしまうと、若干物足りなさは感じるけれど、流石に妊婦相手というのを理解させる必要はあると思う。
 これを受け入れられるのは私だからだと言う事がヴァン様には分かってないからなー。

 正妃様が妊娠した時は、一度も通われてないと言っていたしね。
 いや、正妃様相手に私みたいなことしてたら、不味いけどね!
 それだけは良かったと言うべきなのかな?

 正妃様の子とラインハルトは、同じ年にはなるけれど、正妃と側妃の子と言う事もあるのか一緒に学ぶと言うこともないみたい。
 まぁ、性別も男と女で違うので、教えることも違うのかもしれないけれど。
 
 王族の場合は、兄弟として接するのが中々難しいよね。
 流石に、正妃様の子とは会う機会も殆ど無いだろう、仲良くしてねとは言いにくいけど、せめて我が子達には、仲良くして欲しいなと思う。
 王位を争う様な仲にはなって欲しくない。
 下の子には、臣下としてお兄ちゃんを支えて欲しいと思うし、娘には嫁ぎ先で幸せになって欲しいと思う。

 我が子達には、精霊達がついている。
 私の加護もあるし、早々困ることにはならないだろうと予想出来るけれど・・・。
 人の心までは、どうすることも出来ないから・・・愛し合う相手とまでは言えないけれど、尊重し合える相手と一緒になってくれれば良いかなと思う。

 王族として生まれる以上、相手は自分では選べないのだから・・・。
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