上 下
88 / 106
三章 精霊姫 側妃になる

閨禁止期間

しおりを挟む
 前回同様、安定期に入るまでは閨禁止と言い付けられているヴァン様。

 抱けない私の所に通うよりも、正妃様の相手にした方が、ヴァン様も発散出来るし、子作り出来るから良いのでは?と思うのだけれど、「既に子が2人もいるし、リアのお腹にはもう2人宿っている。これ以上子作りする必要もないからな」と言って、正妃様の所には通っていなかった。

 子供をこれ以上作るつもりがないのに、子供を産むことが仕事とされている側妃のところに通うのは、なんか違うような気がしなくもないけれど、ヴァン様が私と一緒に居たいと望むのであれば、私はそれに応えるだけ。

 ヴァン様は、私の髪を触るのが好きで、口付けをするときは必ず、指に髪を絡ませるか、髪を梳く様に触れる。
 その触れ方は、とても優しく愛おしいと気持ちを伝えてくる様で、その心地良さに酔いしれ、口付けの甘さに酔いしれる。

 お腹を冷やすのは良くないからと、全てを脱がすわけではなく、夜着を肌けさせる。

 えっと・・・これはお腹を気遣ったというよりは、ヴァン様の好みの問題では!?

 なんというか、ヴァン様って全て脱がすよりも、着衣を肌けさせた方が燃える傾向にある気がする。

 チラリズム・・・とは少し違うわね。
 チラリどこじゃない程、出ちゃってるからね。

 でも、全て脱がせるよりも確かに着衣を乱した方がエロい感じはすると思う。
 
 なんせ、私も別荘でロイ義兄様の浴衣を乱して楽しんだのだから・・・。

 ヴァン様といる時に、ロイ義兄様の事を思い出していたからか、胸元をジュッと強く吸われる。

 ヴァン様の私を見つめる瞳が責めているように感じるのは気のせいだろうか。

 「・・・リア。今は誰といるのか思い出せ。他の事を考えられなくしてやろう」

 そういうと、ヴァン様は私の身体中に口付けを落とし、跡を残して行った。

 その後は、勿論ひたすらに愛撫され、快感を与えられ、ヴァン様の手が私の体を撫でるだけで、快感を拾い何度も上り詰める。

 ヴァン様は何度も何度も私の名を呼び、愛を囁く。

 「リア、愛してる。誰にも渡さない・・・あいつにも・・・」

 そういうと、私の顔を見詰めて、深く口付けをする。

 ・・・あいつ。
 ヴァン様からロイ義兄様について何かを聞かれたわけではないけれど・・・。
 何か察することがあったのかな。

 私とロイ義兄様が一緒にいるところをヴァン様が見たのは、私のデビュタントの時だけな筈。

 あの時の私は・・・ロイ義兄様の瞳の色のアクセサリーをつけていたわね。
 ロイ義兄様の牽制・・・ヴァン様にも伝わったのかしら。

 そんな事を考えている私を咎める様に、口付けは荒くなっていく。
 ヴァン様を宥めるように、首に手を回し、口付けに応える。

 ヴァン様・・・可愛い人ね。
 
 

 
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

皇帝の番~2度目の人生謳歌します!~

saku
恋愛
竜人族が治める国で、生まれたルミエールは前世の記憶を持っていた。 前世では、一国の姫として生まれた。両親に愛されずに育った。 国が戦で負けた後、敵だった竜人に自分の番だと言われ。遠く離れたこの国へと連れてこられ、婚約したのだ……。 自分に優しく接してくれる婚約者を、直ぐに大好きになった。その婚約者は、竜人族が治めている帝国の皇帝だった。 幸せな日々が続くと思っていたある日、婚約者である皇帝と一人の令嬢との密会を噂で知ってしまい、裏切られた悲しさでどんどんと痩せ細り死んでしまった……。 自分が死んでしまった後、婚約者である皇帝は何十年もの間深い眠りについていると知った。 前世の記憶を持っているルミエールが、皇帝が眠っている王都に足を踏み入れた時、止まっていた歯車が動き出す……。 ※小説家になろう様でも公開しています

幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない… そんな中、夢の中の本を読むと、、、

召喚魔法使いの旅

ゴロヒロ
ファンタジー
転生する事になった俺は転生の時の役目である瘴気溢れる大陸にある大神殿を目指して頼れる仲間の召喚獣たちと共に旅をする カクヨムでも投稿してます

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。

けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。 日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。 あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの? ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。 感想などお待ちしております。

みんなで転生〜チートな従魔と普通の私でほのぼの異世界生活〜

ノデミチ
ファンタジー
西門 愛衣楽、19歳。花の短大生。 年明けの誕生日も近いのに、未だ就活中。 そんな彼女の癒しは3匹のペット達。 シベリアンハスキーのコロ。 カナリアのカナ。 キバラガメのキィ。 犬と小鳥は、元は父のペットだったけど、母が出て行ってから父は変わってしまった…。 ペットの世話もせず、それどころか働く意欲も失い酒に溺れて…。 挙句に無理心中しようとして家に火を付けて焼け死んで。 アイラもペット達も焼け死んでしまう。 それを不憫に思った異世界の神が、自らの世界へ招き入れる。せっかくだからとペット達も一緒に。 何故かペット達がチートな力を持って…。 アイラは只の幼女になって…。 そんな彼女達のほのぼの異世界生活。 テイマー物 第3弾。 カクヨムでも公開中。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

「元」面倒くさがりの異世界無双

空里
ファンタジー
死んでもっと努力すればと後悔していた俺は妖精みたいなやつに転生させられた。話しているうちに名前を忘れてしまったことに気付き、その妖精みたいなやつに名付けられた。 「カイ=マールス」と。 よく分からないまま取りあえず強くなれとのことで訓練を始めるのだった。

処理中です...