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三章 精霊姫 側妃になる

ロイ義兄様は・・・

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 ヴァン様に嫁いでから、ロイ義兄様とは会っていない。

 嫁ぐ前は、たまに鳥籠で会ってお茶でもと話していたけれど・・・ヴァン様がしょっちゅう私の所に、逢いにくるし、毎晩私の寝室で寝ているので、ロイ義兄様に会う時間が取れない。

 ただ、お互い通信魔道具は付けているので、念話で少しではあるけれど会話はしている。

 現在妊娠中の双子の内、女の子の方は、ロイ義兄様の息子に嫁がせることにしている。
 
 まだ、侍医に診察を受けていないので、私が妊娠していることも、お腹の子が双子の事も誰も知らない。
 
 それでも、もし女の子が生まれたら、1人はマグニート辺境伯領へ嫁がせるとヴァン様と約束している。
 やっぱり、お世話になったし、私の血をそちらにも残したい。

 辺境を守る彼らと王族が血で繋がることも、忠誠心を高めるために良いとされる。
 
 ロイ義兄様にそっくりな息子と私によく似ていると精霊達が言っている娘の結婚か。
 まだ生まれていないのに、ついつい想像してしまう。

 まるで、私とロイ義兄様の擬似結婚みたいに感じる。
 我が子に何を重ねるつもりなんだかね・・・。

 ロイ義兄様には、念話で妊娠したことを告げる。

 『そう・・・リアは今お腹に子供がいるんだね』

 「はい・・・。それで、女の子の方はロイ義兄様のところに嫁がせたいと思っています」

 『うん、良いと思うよ。うちには王族が嫁いできたこともあるからね』

 「あの・・・ロイ義兄様のところは・・・2人目どうされますか?」

 もし、2人目も欲しいということであれば、1人目を作った時のように私が協力しなければならない。
 ロイ義兄様はどう考えているのだろうか。

 『・・・2人目ね。いや、1人いるから良いかなと思っているんだ。もし、何かあればミリアの子を養子に迎えるという手もあるからね』

 「お義父様達は納得されているのですか?」

 『流石に、察しているみたいだよ。私が初夜以外では一度しか彼女の元に通ってないのは、使用人達からも聞いて知っているだろうからね』

 「そうですか・・・」

 確かに、お義父様が知らないわけがないか。
 ロイ義兄様がお義姉様の所に夜通っていれば、使用人達にはすぐ知れ渡る。
 逆に言えば、ロイ義兄様がお義姉様の所に通っていないことも、使用人達には知れ渡る・・・。

 お義姉様は、今何を思っているのだろうか。
 1人子供を産んだことで満足しているのか。
 それとも2人目が欲しいと、ロイ義兄様の訪れを待っているのか・・・。

 ロイ義兄様と関係を持っている私が考えることでもないわね。
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