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二章 精霊姫 人間界に降りる

デビュタント

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 月日は経ち、私は16歳の成人を迎え、家族でお祝いをして貰った。
 ロイ義兄様からは、デビュタントの時につけて欲しいと、アクセサリー一式を贈られた。
 宝石の色は・・・ロイ義兄様の色。
 私の瞳も青みがかった緑色なので、合わせやすい色で良いけれど、少し恥ずかしい。

 初めての夜会でロイ義兄様の色のアクセサリーね・・・。
 周りの令息達への牽制・・・にはならないかなー。
 義兄と義妹だと思われているし、何よりロイ義兄様は結婚しているから・・・可愛い義妹をエスコートする優しい義兄というところかな。

 朝からメイド達に身体を磨かれ、マッサージをされ、オイルを塗りたくられ・・・昼には精神的にぐったりした。
 昼食の後は、髪を整え、メイクを済ませる。
 ドレスは汚すといけないので、出掛ける1時間程前に着替える。

 ロイ義兄様の服はどんな感じなんだろうな。

 エントランスの階段を降りていくと、お義父様とお母様、そしてロイ義兄様、ミリアやお義姉様まで勢揃いで出迎えてくれた。
 
 「我が義娘は、美し過ぎるな。これでは、令息達の目から隠さなければ・・・」

 「お義父様、冗談はやめてくださいね。今日は初めての夜会なのですから、目立つ事はしないでくださいね」

 「ははっ、勿論変に目立ってリアに目をつけられると困るからな」

 お義父様がそういうと、ロイ義兄様も同意する様に頷く。
 
 「本当に美しいよ、リア。初めての夜会でどうすれば良いか分からないことも多いと思うから、絶対に私から離れてはいけないからね?」

 「勿論、ロイ義兄様から離れるつもりはありませんよ。知らない人に話し掛けられてもどう対応したら良いのかわからないですから・・・。ロイ義兄様も今日はいつにも増してキマってますね。私よりもお義兄様がダンスの申し込みが沢山来ちゃいそうですね」

 「いや、流石にそれは・・・。まぁ、そうだったとしても今日はリア以外と踊るつもりはないから、全て断るよ」

 「宜しいのですか?こういう場合、色んな方と踊るものなのではないのですか?」

 「別に断ったらいけないというわけではない。・・・ただ、誘われて断るのは相手に失礼に当たるのであまり良くはないけれど」

 「・・・それでは、今日も断るのは良くないのでは・・・」

 「いや、私の場合は結婚して妻もいるからね。断っても角は立たない。婚約者もいない令息達は誘われたら断りにくいだろうね」

 「そういうものなのですね」

 「それでは、そろそろ行こうか。リアのデビューだからね。遅れるわけにはいかない。では、行ってくるが、君はゆっくり休んでいてくれ。」

 「はい。気をつけて行ってきてくださいね」

 「お義姉様行って参ります」

 「えぇ、楽しんできてね」

 お義姉様は、まだ子供も小さいし、産後からまだ数ヶ月しか経っていないので、ミリアと一緒に家で過ごす事になった。
 お義姉様も「体型がまだ戻らないから、ドレスは着れないわ」と今シーズンは全ての夜会を欠席する事になっている。
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