今世は精霊姫 〜チートで異世界を謳歌する。冒険者?薬師?...側妃!?番!?〜

Ria★発売中『簡単に聖女に魅了〜』

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二章 精霊姫 人間界に降りる

邸へ帰る・・・そして

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 ロイ義兄様と別荘で濃厚な時間を過ごすことが出来、お互いに満足してマグニート辺境伯領へ戻った。

 ミリアとフォルス様も温泉旅館を堪能した様で、また行きたいと言っていた。
 ミリアは、簪とお香をお土産として買い、フォルス様は、さっぱりした飲み味の緑茶が気に入ったとお土産に買って帰ってきていた。

 2人とも馴染みのないもので、抵抗があるかなと心配したけれど杞憂だったようで、目一杯楽しんだ様で良かった。

 リッドラン辺境伯領の街興しは大成功だ。
 
 邸に戻ってから2週間と3日過ぎた頃、お義姉様がロイ義兄様そっくりの男の子を出産した。
 ロイ義兄様と同じ金髪に緑色の瞳。
 ロイ義兄様の赤ちゃんの頃とそっくりとのこと。
 天使の様に可愛らしい赤子。
 
 「良いなー、私も赤ちゃん欲しいな」

 ポロッと思ったことが口から零れ落ちる。

 (あれ、私子供産みたいのかな・・・)

 視線を感じて、赤ちゃんから視線を外すと、驚いたように目を瞠いたロイ義兄様がいた。

 (あー・・・先程の呟き聞こえちゃったのかな)

 どうすれば良いのか分からず、曖昧に笑みを浮かべる。

 赤ちゃんは可愛い・・・私もいずれ産んでみたい。
 でも、相手は・・・ロイ義兄様では駄目だ。

 ロイ義兄様は、結婚していて、今はこんな可愛い後継までいる。
 私とロイ義兄様の間に子供が出来ても、祝福して貰える子にはならない。

 今後どうするか少し考えなければいけないなと漠然と思う。
 
 丁度そろそろ世界樹のところに行こうと思っていたので、2週間ほど精霊界に滞在しよう。

 ◇ ◇ ◇
 
 精霊樹に魔力を注ぎ7日間眠りにつき、世界樹の葉と精霊樹の実を収穫する。

 精霊達に精霊樹の実を切ってあげながら、たわいも無い会話をする。
 
 (この子達ならあの事も分かるのかな・・・聞いてみよう)

 「ねぇ、聞きたいことがあるんだけど・・・」

 『なになにー?』
 『分かることだと良いなー』
 『姫様の悩み相談なの?』
 
 果物を手に持ちながら、ふわふわと私の周りに集まり出す精霊達。

 「あのね・・・えっと、精霊姫って赤ちゃん産めるの!?」

 『・・・・・・』
 『・・・・・・』
 『・・・・・・』

 シーン・・・

 (えー、何か言ってよー!出来るの出来ないの!?)

 精霊達は顔を見合わせてコソコソとナイショ話を始めた。
 一頻り話し合いが終わったのか、くるりと私の方を向き・・・

 『今まで子供を産んだ精霊姫はいないね』
 『うん、いなかった』
 『でも、子供産めると思うー』

 そんな気はしてた。
 精霊姫だし、なんか人間みたいに子供を産むってイメージしずらかったから、誰も産んでないんじゃない?と思ってた。

 「・・・それでも、なんで産めると思うの?誰も産んでないんだよね?」

 そう、前例がないのに、何故産めると思うのか。

 『だって、姫様だもーん』
 『うんうん、姫様だもーん』
 『そうだよ!精霊姫様だよ?出来ないことなんて無いよね?』

 (あぁ、例の精霊姫特典的な感じ・・・?)

 望めば大体のことは叶っちゃうよーって言う精霊姫のチート特典ね。
 そう言われると、産める気がする。
 後は、相手なわけだけれど・・・。

 ロイ義兄様の事は、愛している。
 けれど、子供を授かる為の相手には向いていない。
 と言うより、絶対に駄目。

 ロイ義兄様以外に抱かれるのも想像出来ないけど・・・。

 まだ私は成人もしていないから、成人後にでもゆっくり考えてみよう。
 成人後に夜会などに出て、良い人がいるかもしれないし・・・。

 まずは、デビュタントを無事乗り切る事を考えないとね。
 基本的にデビュタントは白のドレスに、それぞれの瞳の色や髪の色に合わせた刺繍を入れる様になっている。
 婚約者がいる場合は、婚約者がエスコートし、いない場合は父親や兄といった家族にエスコートをして貰う。

 私の場合は、ロイ義兄様がエスコートすると譲らなかった為、ロイ義兄様がエスコートしてくれる予定だ。
 衣装も私の刺繍の色などとコーディネイトを合わせてくれているとのことで、当日が楽しみだった。

 

 

 
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