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二章 精霊姫 人間界に降りる

薬を売る

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 昨夜は、中々の売り上げを記録し、満足して眠りに・・・つけるわけもなく、朝方までロイ義兄様に離して貰えず、ぐったりしていたが、精霊樹の果実水を飲んで回復したので、今日も朝から元気です。

 朝食の準備をしていると、オズさんがテントから出てくるのが見えたので、ロイ義兄様に声をかけてオズさんのテントへ向かう。
 勿論、ロイ義兄様も一緒に。

 「おはようございます。昨日の傷を見せて頂きたいのですが良いですか?」

 「あぁ、そうだったな。ここでいいか?」

 オズさんは眠たそうに目を擦りながら、簡易な木の椅子に腰を掛ける。

 「はい、では見せて頂きますね」

 そういって、包帯を外そうとしたところでロイ義兄様から待ったが掛かり、ロイ義兄様が包帯を解くことに。
 オズさんも朝からロイ義兄様と絡むのは正直嫌そうだったが、ロイ義兄様も凄い嫌そうだった・・・。

 薄らと傷跡が残ってる状態かなと思っていたが、綺麗さっぱり跡がなくなって居たので、効果は大分高そう。
 
 「これは・・・随分性能の良い薬だな。いや、疑って居たわけでは無いけどな」

 「ふふっ、そう言って貰えて良かったです。薬どうされますか?」

 「買っていく事にする。そうだな・・・次いつ会うか分からないしな、5個貰っていこうか」

 薬の入れ物は時間停止機能付きでは無いので、使用期限は1年としている。
 しかし、彼は時間停止機能付きのマジックバッグ は持って居ないみたいだけど・・・?
 そう思って、見ていると・・・昨日お買い上げ頂いた、時間停止機能付きのガラスケースに入れ始めた。

 あー・・・中に仕切り作ってあげた方が良いかもしれない。
 お得意様ということで、彼にはちょっとサービスをしてあげよう。
 パパッとカスタマイズして薬を収納しやすくしてあげた。
 ただ、これを人前でやるのは宜しく無いので、あたかも新しいガラスケースを出しましたよ?というようにマジックバッグ から取り出した様に見せる。

 「へぇ、この薬の幅に合わせた仕切り付きのケースもあるわけか。良く考えてるな。欲を言えば・・・このガラスケース小さくして薬収納専用のがあると取り出し安くていいな。毎回このガラスケースを出して薬を出すのはちょっと場所を取るな」

 なるほど。それは言えてる。
 まず、そのガラスケース・・・薬収納用に作ってないからね!
 パン10個入れられる程度って説明した通り、パンとか食べ物入れてくれるといいかなと思って作ったものだからね!
 あぁ、でも薬箱程度の大きさなら小さいし、時間停止機能付けてもそこまでお高くないし、良いのかもしれない?

 う~ん・・・、時間停止機能付きの入れ物を細々持つより、適度な大きさの時間停止機能付きのマジックバッグ 買った方が良いよね?まぁ、高いけど・・・。

 オズさんなら1番小さい時間停止機能付きのマジックバッグ なら買えそうな気がする。
 ここは、ガラスケースを買い取って時間停止機能付きのマジックバッグ を推してみるかな。

 1番小さい時間停止機能付きのマジックバッグ を取り出しオズさんに見せる。
 容量は、正六面体で1辺5m。これだけあれば、狩った魔獣を入れない限り困ることはないと思う。
 これとは別に、今使っている普通のマジックバッグ と併用すれば問題ない。
 時間停止機能が必要ないテントや夜営用の薪、服といったものは今までのマジックバッグ に入れて置けば、効率良く使うことが出来る。

 時間停止機能付きのマジックバッグ には、主に劣化して困る食料品や薬など命に関わってくるものを入れるのが良い。
 
 オズさんは、時間停止機能付きのマジックバッグ を見て、悩ましげに眉を寄せたが、最終的に買うことを決断した。
 
 「いやー、時間停止機能付きのマジックバッグ なんて早々お目に掛かれないから、いい買い物だったが・・・またガッツリ稼がないと不味いな」

 お高い買い物だとはわかるので、出血大サービスで当店の人気商品である【結界玉】と【精霊樹の果実水】をプレゼントすることにした。
 【精霊樹の果実水】なんて私が作っただけだから、ただも同然だけど、本来お高いものなので大事に飲んで欲しいな。
 【結界玉】は、ソロ冒険者には必需品とも言えるものなので、幾つあっても困らないので喜んで貰えたので良かった。

 やっぱり、ソロ行動してる人は野営するときに結界張れないと体を休ませることが出来なくて困るしね。

 それとは別に・・・彼の手の甲に口付けを落とし、加護を授けた。
 
 その時のロイ義兄様の表情が消えた顔と言ったら恐ろしかった・・・。
 一瞬で周りの地面が凍りつき、しんと空気が静まり返り時間が止まったように感じた。

 オズさんには、薬を試して貰ったり、昨日の出店にも貢献して貰ったので、色々既にサービスはしているけれど、感謝の意味を込めて加護を授けることにしたのだ。

 ただ単に彼のことを気に入ったので、贔屓しただけだとも言えるけれど・・・。
 恋だ愛だという理由ではなく、これからも冒険者として頑張って欲しいなという意味で、気に入ったので加護を与えただけなんだけど、まぁロイ義兄様が許せるわけもないよね。

 本当ならロイ義兄様にバレずにこっそり加護を与えたかったんだけど、ロイ義兄様が私から離れることはないので、こっそりなんて無理。
 それなら、もうロイ義兄様の前で堂々とするしかない。
 手の甲だから許して欲しい!

 今夜も朝まで寝れそうにないかな・・・。

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 11日ぶりの更新になりました。
 待って居てくださりありがとうございますーっ!

 新作をアップしたので、宜しければこちらも読んで見てください♪

 【簡単に聖女に魅了される様な男は、捨てて差し上げます。~植物魔法でスローライフを満喫する~】

 【魔獣に喰い殺されたくないので、婚約者ではなく幼馴染の立場を希望します!】

 【冒険者になる!え?クマさんも一緒だよ?~魔力が少ない少年の思考錯誤冒険記録~】
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