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二章 精霊姫 人間界に降りる
21層から25層までの敵は・・・
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さて、今日の敵はなんだったかなーとお肉を焼きながら思い出す。
21層から25層までで敵は・・・ハービーが居た気がする。
地下ダンジョンだけど、中は空間拡張されていたりで、階層に寄って中の広さも仕様も異なる。
21層は天井も高く森の様な仕様になっており、鳥達が空高く飛べる様になっている。
ハービーの羽は装飾に使われるので、これもそこそこの値で取引されるので、美味しいが・・・敵が飛んでいる為、遠隔攻撃が出来ないと不利になる。
ハービーは上空から遠隔攻撃をしてくるため、上空にいる敵を如何にして地上に落とすかが重要となる。
その為、パーティーメンバー内に遠隔攻撃が出来る人が居ないと、防戦一方になり、ただの消耗戦になってしまう。
こうなると、ひとつ前の階層にあるセーフティーエリアに逃げ込むしかない。
私たちのパーティーは、恐らくロイ義兄様もフォルス様も魔法で落とすと思うけれど・・・流石にそれでは私もミリアも詰まらないので、私とミリアで落とした所をロイ義兄様達に首を切り落として貰うのが良いかな。
ミリアは弓が出来るし、私は魔法で羽を凍らせて落とそうかな?と思ったが、表向き使える魔法は水・聖・時空間魔法という設定にしてしまったので、それは使えない。
どうしようかな。
精霊界で果物を収穫したみたいに、魔力を練り上げて網ではなく、縄を作り上げよう。
魔力を練って作った縄でハービーを縛って引き摺り下ろすのも良いかも。
その後は、ロイ義兄様にどうにかして貰おう。
出来れば、綺麗な状態で羽を沢山回収したいから斬首はやめてほしいけれど・・・一般的な倒し方がそれだから、ロイ義兄様もそうするかな?
そんなことをつらつら考えていると、昨日絡んできた女性が居たパーティーの男性が結界に近寄ってきた。
なんだろう・・・。
女性達なら分かるけど、男性か。
そこで、ロイ義兄様がサッと私の前に立ち、視界を遮る。
・・・はい、私が男性を見るだけでも駄目なんですね。
とりあえず、なんの用かわからないので、防音だけ解除する事にした。
「何か?」
ロイ義兄様が近寄ってきた男性に端的に聞く。
「いや・・・凄く良い匂いがして・・・俺たち携帯食しか持って来てなくてさ。お金なら払うから良ければ売ってくれないかと思って」
男性は頭を掻きながら、気まずそうに話しているが・・・正直ありえない。
「・・・・・・」
ロイ義兄様も無言でどう言おうか考えている様だった。
まず、冒険者が他の冒険者の食糧を欲しがる事自体が異常だ。
基本的に、冒険者は全てが自己責任。その為、森やダンジョンに潜る際は、しっかりと準備をして出かける。
食糧や飲料水が無くて、弱ったり餓死したりしたとしても自己責任だ。自分でしっかり管理出来ていなかった冒険者が悪い。
その為、他の冒険者の食糧をお金を払ったからと言って、譲ように言うのは間違っている。
そんな非常識な冒険者がいるなんて・・・。
でも、昨日の女性達を思い出して少し納得してしまった。
彼女達とパーティーを組んでいるのだから、この男性も少し・・・いや、かなりズレているのだろう。
「悪いが、人に売る程食糧を持ってきていない」
「またまたー、その肉だって昨日狩ったオークだろ?それなら沢山ある筈だろ?俺たち解体出来る奴が居ないから、昨日狩ったオークもマジックバッグに入れたままなんだわ」
・・・5人居て、誰1人として解体出来ないとは彼らのパーティーは大丈夫なのだろうか。
私のパーティーなんて、女性のミリアですら解体出来るのに・・・。
まぁ、私の場合はナイフを使わずに魔法で綺麗に各部位に分けて解体出来るので、その辺の冒険者とは違う訳だけど。
「はぁ、君たちが解体出来ようが出来まいが、私たちには関係がないことだ。昨日狩ったオークを解体出来ずに食糧にできないからと言っても、元々ダンジョンに潜る為の食糧はあるだろう。それでどうにかすればいい」
「いや、確かに用意はしてるよ?でも、携帯食なんだわー。そこでお前らが旨そうなもん食べてるだろ。そりゃ、そっちが食べたくなるだろ」
「だから何だ。君も冒険者なら食糧の大切さがわかる筈だ。私達が君たちに食糧を渡さなかったとしても、誰に何を言われることもない」
「そんなにケチケチするなよ。どうせ昨日沢山オーク狩ったんだろ?何もただで分けろって言ってるわけじゃないんだからよ」
「これ以上、話すだけ無駄だな。失礼する」
そういうと、ロイ義兄様は私の方に振り返り腰を抱いてミリア達の方へと歩いて行く。
まだギャアギャア言っていたので、再度防音を掛ける。
本当に、何を言っても無駄だなと思う。
話が通じない。何でわからないんだろう。
20層下のセーフティーエリアに居る時点で初級冒険者ではない。中級冒険者だ。
中級でこんな常識も分からないとは・・・。
その辺も初級冒険者のうちにしっかりと学べるようにギルド長にお願いしておこうかな。
これでは、他にも迷惑を掛けられた冒険者がいると思う。
でも、彼らより下の冒険者は強く来られたら断ることは出来ないだろう。
食糧を取られることは死活問題にもなる為、笑って済ませられることではない。
彼らはこの先の階層できっと引き返す事になるだろう。
そこまで強い冒険者には見えない。
最悪、次のセーフティーエリアまでは一緒になっても、その次のセールティーエリアまでは来れないだろう。
21層から25層までで敵は・・・ハービーが居た気がする。
地下ダンジョンだけど、中は空間拡張されていたりで、階層に寄って中の広さも仕様も異なる。
21層は天井も高く森の様な仕様になっており、鳥達が空高く飛べる様になっている。
ハービーの羽は装飾に使われるので、これもそこそこの値で取引されるので、美味しいが・・・敵が飛んでいる為、遠隔攻撃が出来ないと不利になる。
ハービーは上空から遠隔攻撃をしてくるため、上空にいる敵を如何にして地上に落とすかが重要となる。
その為、パーティーメンバー内に遠隔攻撃が出来る人が居ないと、防戦一方になり、ただの消耗戦になってしまう。
こうなると、ひとつ前の階層にあるセーフティーエリアに逃げ込むしかない。
私たちのパーティーは、恐らくロイ義兄様もフォルス様も魔法で落とすと思うけれど・・・流石にそれでは私もミリアも詰まらないので、私とミリアで落とした所をロイ義兄様達に首を切り落として貰うのが良いかな。
ミリアは弓が出来るし、私は魔法で羽を凍らせて落とそうかな?と思ったが、表向き使える魔法は水・聖・時空間魔法という設定にしてしまったので、それは使えない。
どうしようかな。
精霊界で果物を収穫したみたいに、魔力を練り上げて網ではなく、縄を作り上げよう。
魔力を練って作った縄でハービーを縛って引き摺り下ろすのも良いかも。
その後は、ロイ義兄様にどうにかして貰おう。
出来れば、綺麗な状態で羽を沢山回収したいから斬首はやめてほしいけれど・・・一般的な倒し方がそれだから、ロイ義兄様もそうするかな?
そんなことをつらつら考えていると、昨日絡んできた女性が居たパーティーの男性が結界に近寄ってきた。
なんだろう・・・。
女性達なら分かるけど、男性か。
そこで、ロイ義兄様がサッと私の前に立ち、視界を遮る。
・・・はい、私が男性を見るだけでも駄目なんですね。
とりあえず、なんの用かわからないので、防音だけ解除する事にした。
「何か?」
ロイ義兄様が近寄ってきた男性に端的に聞く。
「いや・・・凄く良い匂いがして・・・俺たち携帯食しか持って来てなくてさ。お金なら払うから良ければ売ってくれないかと思って」
男性は頭を掻きながら、気まずそうに話しているが・・・正直ありえない。
「・・・・・・」
ロイ義兄様も無言でどう言おうか考えている様だった。
まず、冒険者が他の冒険者の食糧を欲しがる事自体が異常だ。
基本的に、冒険者は全てが自己責任。その為、森やダンジョンに潜る際は、しっかりと準備をして出かける。
食糧や飲料水が無くて、弱ったり餓死したりしたとしても自己責任だ。自分でしっかり管理出来ていなかった冒険者が悪い。
その為、他の冒険者の食糧をお金を払ったからと言って、譲ように言うのは間違っている。
そんな非常識な冒険者がいるなんて・・・。
でも、昨日の女性達を思い出して少し納得してしまった。
彼女達とパーティーを組んでいるのだから、この男性も少し・・・いや、かなりズレているのだろう。
「悪いが、人に売る程食糧を持ってきていない」
「またまたー、その肉だって昨日狩ったオークだろ?それなら沢山ある筈だろ?俺たち解体出来る奴が居ないから、昨日狩ったオークもマジックバッグに入れたままなんだわ」
・・・5人居て、誰1人として解体出来ないとは彼らのパーティーは大丈夫なのだろうか。
私のパーティーなんて、女性のミリアですら解体出来るのに・・・。
まぁ、私の場合はナイフを使わずに魔法で綺麗に各部位に分けて解体出来るので、その辺の冒険者とは違う訳だけど。
「はぁ、君たちが解体出来ようが出来まいが、私たちには関係がないことだ。昨日狩ったオークを解体出来ずに食糧にできないからと言っても、元々ダンジョンに潜る為の食糧はあるだろう。それでどうにかすればいい」
「いや、確かに用意はしてるよ?でも、携帯食なんだわー。そこでお前らが旨そうなもん食べてるだろ。そりゃ、そっちが食べたくなるだろ」
「だから何だ。君も冒険者なら食糧の大切さがわかる筈だ。私達が君たちに食糧を渡さなかったとしても、誰に何を言われることもない」
「そんなにケチケチするなよ。どうせ昨日沢山オーク狩ったんだろ?何もただで分けろって言ってるわけじゃないんだからよ」
「これ以上、話すだけ無駄だな。失礼する」
そういうと、ロイ義兄様は私の方に振り返り腰を抱いてミリア達の方へと歩いて行く。
まだギャアギャア言っていたので、再度防音を掛ける。
本当に、何を言っても無駄だなと思う。
話が通じない。何でわからないんだろう。
20層下のセーフティーエリアに居る時点で初級冒険者ではない。中級冒険者だ。
中級でこんな常識も分からないとは・・・。
その辺も初級冒険者のうちにしっかりと学べるようにギルド長にお願いしておこうかな。
これでは、他にも迷惑を掛けられた冒険者がいると思う。
でも、彼らより下の冒険者は強く来られたら断ることは出来ないだろう。
食糧を取られることは死活問題にもなる為、笑って済ませられることではない。
彼らはこの先の階層できっと引き返す事になるだろう。
そこまで強い冒険者には見えない。
最悪、次のセーフティーエリアまでは一緒になっても、その次のセールティーエリアまでは来れないだろう。
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