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二章 精霊姫 人間界に降りる

ダンジョンを創っちゃうぞ

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 先程、ダンジョンを作る場所に転移してきたので、周りの木を引っこ抜いて場を整える。
 木は、後ほど焚き火用にするので、大事にマジックバッグ に閉まっておく。

 地面に手を置き、魔力を注ぎ込む。
 1層毎に、どんな構造にするか考えて紙に起こしていた。
 それを50枚。書いては捨てて、書き直し出来上がってダンジョンの構造。

 さぁ、練りに練ったダンジョンをイメージしよう。
 
 ごっそりと身体から何かが抜けていく感覚。
 恐らく魔力を大量に持って行かれたのだろう。
 それでも、魔力切れを起こす事なく、気絶することもないのは、流石精霊姫と言うところか。

 地響きがなり、大地が揺れる。
 数分後に揺れは落ち着いたが、今頃街では何事かと慌てふためいていることだろう。
 
 以前カメラについて考えた蝶型の小型カメラ・・・改良をして動画も撮影出来る様にした。
 さぁ、今こそ使う時。

 蝶型記録魔道具に、ダンジョン内を飛んで貰い中の様子を撮影してきて貰おう。
 その情報をランドール様経由で冒険者ギルドに渡し、調査団の仕事がスムーズに進むように協力してしよう。
 そうすれば、冒険者たちも早くダンジョンに潜れるようになる。

 ダンジョン内には、至る所で鉱石が光り灯りの代わりをしているので、地下道ダンジョンとは言え真っ暗ではなく、視界は確保されている。
 まぁ、薄暗くはあるのだけれど。

 一先ず、ダンジョンは作ったので、今日はもうマグニート辺境伯領に戻ろう。
 数日してから『ダンジョンが出来たと噂を聞いたのですが、この記録魔道具を使ってみても良いですか』とか白々しいこと言って、蝶型記録魔道具の情報を渡そうかな。

 流石に私がダンジョン作ったとは言えないからね。

 ダンジョンの模型とか作っちゃう?
 それを冒険者ギルドに飾るの良いんじゃない?
 そこそこ大きめな模型を作って、筒状の飾る用のケースを作って、そこに入れて飾る。
 目を惹くし、殺風景になりがちなギルド内に良いアクセント?になる?気がする?かも。

 面白そうだし、ダンジョンを冒険者に解放するときに、作って冒険者ギルドに飾ろうっと。
 
 ◇◇◇

 転移で、マグニート辺境伯領の自室に戻ると・・・

 「ロイ義兄様・・・?」

 ロイ義兄様が、ソファーに座ってお茶を飲んで寛いでいた。
 ゆっくりと優雅な仕草で、お茶を置き「おかえり、リア」と声を掛けられる。

 「ただいま戻りました。ロイ義兄様はどうしてこちらに?」

 「あぁ、リアとお茶を飲もうと思って誘いに来たんだけど居なかったから、ここで待たせて貰ったよ」

 「まぁ、そうでしたか。では、今からご一緒しても良いですか?」

 「勿論。ここはリアの部屋だしね。すぐにお茶の用意をさせるよ」

 それから、ロイ義兄様の執事が丁寧にお茶を入れてくれ、すぐに部屋から出ていった。
 本来であれば、部屋の隅で立って待機しているものだが、私と過ごす時は、すぐに部屋を出て行く。
 もしかしたら、そうするようにロイ義兄様に言われているのかもしれない。

 「それで、リアは何処に行っていたのかな?転移して行ったということは、少し遠出をしたのかな?」

 「えぇ、リッドラン辺境伯領に行って参りました」

 「まだ何か打ち合わせが必要な案件があったのかな?」

 「いえ、以前お話ししたダンジョンを創って参りました。」

 「・・・あぁ、そういえば言っていたね。そんなにすぐ出来るものなのかな?」

 「はい、既に構造イメージは確立しておりましたので、数分で出来上がりました。今頃あちらは、異変を調査しに行っていると思います」

 「なるほど。普通では考えられないことだけど・・・まぁ、リアだしね。これから徐々に冒険者も増えて、徐々に領の収益も増していくね」

 「はい。今は発展途上中なので、色々とお金が掛かる時期なので、少しでも領の収益になる事は早く進めて行きたいなと思いまして。既に冒険者ギルドの周りは整っておりますので、冒険者だけであれば迎えるのに問題はありませんからね」

 「冒険者ギルドの周りはか。他はまだと言うことかな?」

 「はい、今はまだ大通りの半分程が終わっているという状況で、観光客を呼び寄せる程には整っていないですね。お土産などの商品もまだ揃っていないので、今観光に来ていただいても、また来たいと思って頂けないと思います」

 「また来たいと思って貰えなければ、失敗と言って良いからね。せめて大通りとお土産や旅館、湖周辺を整えてから呼び込む感じになるか。」

 「はい。今は観光に良いところというよりは、ダンジョンも出来たし、冒険者達が来たい領という感じだと思います」

 「暫くは、それで良さそうだね」

 「はい、これからが楽しみです」

 「私もリアの創ったダンジョンを一度は潜って見たいね」

 「その時は、一緒に行きましょう?」

 「そうだね。一緒に行こう。楽しみだ」

 「私も楽しみです!」

 ロイ義兄様とダンジョンデート!楽しそう!
 ロイ義兄様の戦う姿は、訓練してる姿しか見たことが無いから、ダンジョンで見れるの嬉しい!楽しみ!

 そして、日々は過ぎて行き、寒い季節がきた。
 そろそろリッドラン辺境伯領では雪が降る頃・・・別荘で温泉を楽しむ時期が来た。

 
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