42 / 106
二章 精霊姫 人間界に降りる
ランドール様と話し合い
しおりを挟む
先程、脳内で繰り広げていた妄想を、ランドール様に話す事にしようと、セスに時間が出来たら話がしたいと伝えて貰った。
あ、そうだ。この世界、抹茶とか緑茶とかないんだよね。
日本人の転生者居なかったのかな・・・。
紅茶はあるから、緑茶も作れる。製造工程が違うだけだからね。
抹茶も欲しいけど、碾茶・・・無さそうだな。
ちゃちゃっと出して、碾茶用の茶畑作らないとな。覆いも出来る様に作らないと。
蒸し器や粉末状にする魔道具も作っておかないと、人に作って貰えないしね。
はじめだけ、工程全て魔法でちゃちゃっと抹茶作っちゃおうか。
早く飲みたいし。
あー、緑茶や抹茶もお土産として、用意する?
うーん。それとも、この領地でのみ飲めますよとかにしとく?
この世界は、紅茶が主流だから、旅行先で飲むから特別感があり、美味しく感じるのかも。
それもランドール様に相談しよう。
あ、数日前に使用人達の服などの依頼したけど、和テイストを盛り込みたいので、追加で情報渡さなくちゃ。
デザイン画がまだ上がってきていないから、間に合うけど、今まで考えてたデザイン案が無駄になっちゃうのは、ちょっと申し訳ない。
剣の柄と鞘も和テイストにしてもらう様に依頼を掛けないと。
◇◇◇
「・・・それは、随分と大掛かりですね。ふむ」
流石に町興しするとは思わないですよね。
ランドール様も思案されている。
「集会を何回か開いて、領民へ意見を聞いたりするなど必要になると思いますので、すぐお返事して頂かなくても大丈夫です」
「いや、案はとても良いと思うよ。実際に我が領は、収益の少ない領だからね。提案を受け入れるのが良いという事は分かるよ。ただ、規模が大き過ぎて・・・何と言えば良いか」
なるほど。案は受け入れて貰えてるのね。
領全体を変えるから、戸惑っていると言うところか。
「ふむ。領民へは、領の繁栄の為に改革を行うと決定事項として伝えよう。領民たちも、冬は雪に覆われたこの領で鬱々と過ごすより、良いでしょう。思い切りやりましょうか」
「はい。そう言って貰えて良かったです」
こんなにすんなりと了承されるとは思わなかったけど、良かった!
「では、領民への報告が済みましたら、教えて頂けますか?区画整理したいので、領民達が寝静まった深夜に、魔法を使って家の位置をずらして調整したいと思っています」
「本当にスティーリア嬢は規格外だね。分かった。領民への説明が済んだら、声を掛けるよ」
「楽しみにしています」
部屋に戻り、ぼふんっとソファーに沈み込む。
朝から色々考え過ぎて、少し疲れたなー。
クッションに身体を預け、目を閉じる。
少し休もう。
◇◇◇
サラリと髪を撫でる感触に、ゆっくり目を開ける。
「すまない。起こしてしまったかな?」
「いえ、少し寝過ぎてしまった様です」
窓の外を見ると、陽は落ちてきており、空はオレンジ色に染まっていた。
思ったより疲れていたみたいだ。随分と寝ていた様だ。
ロイ義兄様は、髪を撫でていた手をスルリと滑らせ、耳を指で撫でる。
思わず、ピクリを身体を震わせると、クスリと笑い声が聞こえる。
耳から指を滑らせ、髪を一房掬い、口付けを落とす。
「お疲れの様だね。先程、ランドール様から少し話を聞いたよ。まさかあそこまで考えを巡らせていたとは思わなかったな」
「ここに来た当初は、そこまで考えていなかったのですが・・・。少しずつ変えて行こうと考えて行くうちに、どんどん考えが浮かんでしまって・・・折角なら思いっきり変えてみるのも良いのかなと思いまして」
「本当に思い切った考えだね。まぁ、でも、領収入を増やすことを考えるなら、その位大胆に変えるのも良いのかもしれない。ここはこれと言った特色のない領地だからね」
「リッドラン辺境伯領にとって、マグニート辺境伯領と縁戚になるのは、魅力的なのは分かりますが、マグニート辺境伯家としては、何か有益な何かがあるのですか?」
「あぁ、政略結婚する理由が乏しいという事だよね。まぁ、リッドラン辺境伯領から得られる利益ねー・・・。まぁ、親同士が交流があったと言うのが1番の理由ではあるだろうね。それ以外には、両騎士団で合同軍事演習をしたりといった交流があってね。何かあった時は、人員を割いて援軍を向かわせる事を約束しているんだよ」
「成程。軍事的な政略結婚という訳なのですね。こう言っては悪いですが、これといったものが無い領地なので、政略結婚で得られるものはなんなのだろうと不思議に思ってまして」
「まぁ、そう思っても仕方ないかな。資金援助をするのは、我が家の方で、この政略結婚で得られるものが多いのは、リッドラン辺境伯家になるからね」
「ロイ義兄様。マグニート辺境伯領も思い切って、領全体を変えてみませんか?」
「・・・既にもう考えてあるという顔だね。聞こうか」
「はい。マグニート辺境伯領は、南に位置している為、暖かく過ごしやすい気候です。えーっと・・・人工的に水の都を造り、船で移動したり、荷物を運べたり、華やかなゴンドラを造り、ゴンドラに乗ってで観光するのも涼しげて気持ちが良いかなと思いまして」
「水の都?人工的にね。リアが、魔法で水の通り路を作るという事だよね?水路以外にも、馬車での移動は可能なんだよね?」
「勿論です。橋も造りますし、馬車が問題なく通れる道路も確保します。街並みを統一する事で、美しく見えるので、屋根は明るい色にするのも良いと思います。オレンジ畑なども作るのも良いですね」
「なるほど。今の領地のままでも問題は無いが、確かにリアの提案の方が見栄えの良い領になりそうだ。水路となると、氾濫などが気になるか」
「それに着いては、水を逃す場所を準備しますので、水位が増して氾濫すると言う事はありません」
「良く考えているね。分かった。私から父上に話しておこう。辺境だから、軍事には力を入れているが、観光に力を入れて人を誘致しようとは考えた事は無かったな。きっと良いお返事が貰えると思うよ」
「ありがとうございます。ロイ義兄様大好き!」
ギュッと首に抱きつく。
そっと、私の背を支えて、耳元で囁く。
「私もリアが大好きだよ。私の可愛いリア」
チュッと音を立てて耳に軽く口付けられる。
相変わらず、雰囲気が甘い。
それから、ロイ義兄様にトロトロに蕩けさせられ、日付が変わる頃に解放されたのだった。
あ、そうだ。この世界、抹茶とか緑茶とかないんだよね。
日本人の転生者居なかったのかな・・・。
紅茶はあるから、緑茶も作れる。製造工程が違うだけだからね。
抹茶も欲しいけど、碾茶・・・無さそうだな。
ちゃちゃっと出して、碾茶用の茶畑作らないとな。覆いも出来る様に作らないと。
蒸し器や粉末状にする魔道具も作っておかないと、人に作って貰えないしね。
はじめだけ、工程全て魔法でちゃちゃっと抹茶作っちゃおうか。
早く飲みたいし。
あー、緑茶や抹茶もお土産として、用意する?
うーん。それとも、この領地でのみ飲めますよとかにしとく?
この世界は、紅茶が主流だから、旅行先で飲むから特別感があり、美味しく感じるのかも。
それもランドール様に相談しよう。
あ、数日前に使用人達の服などの依頼したけど、和テイストを盛り込みたいので、追加で情報渡さなくちゃ。
デザイン画がまだ上がってきていないから、間に合うけど、今まで考えてたデザイン案が無駄になっちゃうのは、ちょっと申し訳ない。
剣の柄と鞘も和テイストにしてもらう様に依頼を掛けないと。
◇◇◇
「・・・それは、随分と大掛かりですね。ふむ」
流石に町興しするとは思わないですよね。
ランドール様も思案されている。
「集会を何回か開いて、領民へ意見を聞いたりするなど必要になると思いますので、すぐお返事して頂かなくても大丈夫です」
「いや、案はとても良いと思うよ。実際に我が領は、収益の少ない領だからね。提案を受け入れるのが良いという事は分かるよ。ただ、規模が大き過ぎて・・・何と言えば良いか」
なるほど。案は受け入れて貰えてるのね。
領全体を変えるから、戸惑っていると言うところか。
「ふむ。領民へは、領の繁栄の為に改革を行うと決定事項として伝えよう。領民たちも、冬は雪に覆われたこの領で鬱々と過ごすより、良いでしょう。思い切りやりましょうか」
「はい。そう言って貰えて良かったです」
こんなにすんなりと了承されるとは思わなかったけど、良かった!
「では、領民への報告が済みましたら、教えて頂けますか?区画整理したいので、領民達が寝静まった深夜に、魔法を使って家の位置をずらして調整したいと思っています」
「本当にスティーリア嬢は規格外だね。分かった。領民への説明が済んだら、声を掛けるよ」
「楽しみにしています」
部屋に戻り、ぼふんっとソファーに沈み込む。
朝から色々考え過ぎて、少し疲れたなー。
クッションに身体を預け、目を閉じる。
少し休もう。
◇◇◇
サラリと髪を撫でる感触に、ゆっくり目を開ける。
「すまない。起こしてしまったかな?」
「いえ、少し寝過ぎてしまった様です」
窓の外を見ると、陽は落ちてきており、空はオレンジ色に染まっていた。
思ったより疲れていたみたいだ。随分と寝ていた様だ。
ロイ義兄様は、髪を撫でていた手をスルリと滑らせ、耳を指で撫でる。
思わず、ピクリを身体を震わせると、クスリと笑い声が聞こえる。
耳から指を滑らせ、髪を一房掬い、口付けを落とす。
「お疲れの様だね。先程、ランドール様から少し話を聞いたよ。まさかあそこまで考えを巡らせていたとは思わなかったな」
「ここに来た当初は、そこまで考えていなかったのですが・・・。少しずつ変えて行こうと考えて行くうちに、どんどん考えが浮かんでしまって・・・折角なら思いっきり変えてみるのも良いのかなと思いまして」
「本当に思い切った考えだね。まぁ、でも、領収入を増やすことを考えるなら、その位大胆に変えるのも良いのかもしれない。ここはこれと言った特色のない領地だからね」
「リッドラン辺境伯領にとって、マグニート辺境伯領と縁戚になるのは、魅力的なのは分かりますが、マグニート辺境伯家としては、何か有益な何かがあるのですか?」
「あぁ、政略結婚する理由が乏しいという事だよね。まぁ、リッドラン辺境伯領から得られる利益ねー・・・。まぁ、親同士が交流があったと言うのが1番の理由ではあるだろうね。それ以外には、両騎士団で合同軍事演習をしたりといった交流があってね。何かあった時は、人員を割いて援軍を向かわせる事を約束しているんだよ」
「成程。軍事的な政略結婚という訳なのですね。こう言っては悪いですが、これといったものが無い領地なので、政略結婚で得られるものはなんなのだろうと不思議に思ってまして」
「まぁ、そう思っても仕方ないかな。資金援助をするのは、我が家の方で、この政略結婚で得られるものが多いのは、リッドラン辺境伯家になるからね」
「ロイ義兄様。マグニート辺境伯領も思い切って、領全体を変えてみませんか?」
「・・・既にもう考えてあるという顔だね。聞こうか」
「はい。マグニート辺境伯領は、南に位置している為、暖かく過ごしやすい気候です。えーっと・・・人工的に水の都を造り、船で移動したり、荷物を運べたり、華やかなゴンドラを造り、ゴンドラに乗ってで観光するのも涼しげて気持ちが良いかなと思いまして」
「水の都?人工的にね。リアが、魔法で水の通り路を作るという事だよね?水路以外にも、馬車での移動は可能なんだよね?」
「勿論です。橋も造りますし、馬車が問題なく通れる道路も確保します。街並みを統一する事で、美しく見えるので、屋根は明るい色にするのも良いと思います。オレンジ畑なども作るのも良いですね」
「なるほど。今の領地のままでも問題は無いが、確かにリアの提案の方が見栄えの良い領になりそうだ。水路となると、氾濫などが気になるか」
「それに着いては、水を逃す場所を準備しますので、水位が増して氾濫すると言う事はありません」
「良く考えているね。分かった。私から父上に話しておこう。辺境だから、軍事には力を入れているが、観光に力を入れて人を誘致しようとは考えた事は無かったな。きっと良いお返事が貰えると思うよ」
「ありがとうございます。ロイ義兄様大好き!」
ギュッと首に抱きつく。
そっと、私の背を支えて、耳元で囁く。
「私もリアが大好きだよ。私の可愛いリア」
チュッと音を立てて耳に軽く口付けられる。
相変わらず、雰囲気が甘い。
それから、ロイ義兄様にトロトロに蕩けさせられ、日付が変わる頃に解放されたのだった。
11
お気に入りに追加
405
あなたにおすすめの小説
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
【完結】夫は私に精霊の泉に身を投げろと言った
冬馬亮
恋愛
クロイセフ王国の王ジョーセフは、妻である正妃アリアドネに「精霊の泉に身を投げろ」と言った。
「そこまで頑なに無実を主張するのなら、精霊王の裁きに身を委ね、己の無実を証明してみせよ」と。
※精霊の泉での罪の判定方法は、魔女狩りで行われていた水審『水に沈めて生きていたら魔女として処刑、死んだら普通の人間とみなす』という逸話をモチーフにしています。
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる