今世は精霊姫 〜チートで異世界を謳歌する。冒険者?薬師?...側妃!?番!?〜

Ria★発売中『簡単に聖女に魅了〜』

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二章 精霊姫 人間界に降りる

ランドール様と話し合い

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 先程、脳内で繰り広げていた妄想を、ランドール様に話す事にしようと、セスに時間が出来たら話がしたいと伝えて貰った。

 あ、そうだ。この世界、抹茶とか緑茶とかないんだよね。
 日本人の転生者居なかったのかな・・・。

 紅茶はあるから、緑茶も作れる。製造工程が違うだけだからね。
 抹茶も欲しいけど、碾茶てんちゃ・・・無さそうだな。
 ちゃちゃっと出して、碾茶てんちゃ用の茶畑作らないとな。覆いも出来る様に作らないと。
 蒸し器や粉末状にする魔道具も作っておかないと、人に作って貰えないしね。

 はじめだけ、工程全て魔法でちゃちゃっと抹茶作っちゃおうか。
 早く飲みたいし。

 あー、緑茶や抹茶もお土産として、用意する?
 うーん。それとも、この領地でのみ飲めますよとかにしとく?
 この世界は、紅茶が主流だから、旅行先で飲むから特別感があり、美味しく感じるのかも。

 それもランドール様に相談しよう。

 あ、数日前に使用人達の服などの依頼したけど、和テイストを盛り込みたいので、追加で情報渡さなくちゃ。
 デザイン画がまだ上がってきていないから、間に合うけど、今まで考えてたデザイン案が無駄になっちゃうのは、ちょっと申し訳ない。
 剣の柄と鞘も和テイストにしてもらう様に依頼を掛けないと。

 ◇◇◇

 「・・・それは、随分と大掛かりですね。ふむ」
 
 流石に町興しまちおこしするとは思わないですよね。
 ランドール様も思案されている。

 「集会を何回か開いて、領民へ意見を聞いたりするなど必要になると思いますので、すぐお返事して頂かなくても大丈夫です」

 「いや、案はとても良いと思うよ。実際に我が領は、収益の少ない領だからね。提案を受け入れるのが良いという事は分かるよ。ただ、規模が大き過ぎて・・・何と言えば良いか」

 なるほど。案は受け入れて貰えてるのね。
 領全体を変えるから、戸惑っていると言うところか。

 「ふむ。領民へは、領の繁栄の為に改革を行うと決定事項として伝えよう。領民たちも、冬は雪に覆われたこの領で鬱々と過ごすより、良いでしょう。思い切りやりましょうか」

 「はい。そう言って貰えて良かったです」

 こんなにすんなりと了承されるとは思わなかったけど、良かった!

 「では、領民への報告が済みましたら、教えて頂けますか?区画整理したいので、領民達が寝静まった深夜に、魔法を使って家の位置をずらして調整したいと思っています」

 「本当にスティーリア嬢は規格外だね。分かった。領民への説明が済んだら、声を掛けるよ」

 「楽しみにしています」
 
 部屋に戻り、ぼふんっとソファーに沈み込む。
 朝から色々考え過ぎて、少し疲れたなー。

 クッションに身体を預け、目を閉じる。
 少し休もう。

 ◇◇◇

 サラリと髪を撫でる感触に、ゆっくり目を開ける。
 
 「すまない。起こしてしまったかな?」

 「いえ、少し寝過ぎてしまった様です」

 窓の外を見ると、陽は落ちてきており、空はオレンジ色に染まっていた。
 思ったより疲れていたみたいだ。随分と寝ていた様だ。

 ロイ義兄様は、髪を撫でていた手をスルリと滑らせ、耳を指で撫でる。
 思わず、ピクリを身体を震わせると、クスリと笑い声が聞こえる。

 耳から指を滑らせ、髪を一房掬い、口付けを落とす。

 「お疲れの様だね。先程、ランドール様から少し話を聞いたよ。まさかあそこまで考えを巡らせていたとは思わなかったな」

 「ここに来た当初は、そこまで考えていなかったのですが・・・。少しずつ変えて行こうと考えて行くうちに、どんどん考えが浮かんでしまって・・・折角なら思いっきり変えてみるのも良いのかなと思いまして」

 「本当に思い切った考えだね。まぁ、でも、領収入を増やすことを考えるなら、その位大胆に変えるのも良いのかもしれない。ここはこれと言った特色のない領地だからね」

 「リッドラン辺境伯領にとって、マグニート辺境伯領と縁戚になるのは、魅力的なのは分かりますが、マグニート辺境伯家としては、何か有益な何かがあるのですか?」

 「あぁ、政略結婚する理由が乏しいという事だよね。まぁ、リッドラン辺境伯領から得られる利益ねー・・・。まぁ、親同士が交流があったと言うのが1番の理由ではあるだろうね。それ以外には、両騎士団で合同軍事演習をしたりといった交流があってね。何かあった時は、人員を割いて援軍を向かわせる事を約束しているんだよ」

 「成程。軍事的な政略結婚という訳なのですね。こう言っては悪いですが、これといったものが無い領地なので、政略結婚で得られるものはなんなのだろうと不思議に思ってまして」

 「まぁ、そう思っても仕方ないかな。資金援助をするのは、我が家の方で、この政略結婚で得られるものが多いのは、リッドラン辺境伯家になるからね」

 「ロイ義兄様。マグニート辺境伯領も思い切って、領全体を変えてみませんか?」

 「・・・既にもう考えてあるという顔だね。聞こうか」

 「はい。マグニート辺境伯領は、南に位置している為、暖かく過ごしやすい気候です。えーっと・・・人工的に水の都を造り、船で移動したり、荷物を運べたり、華やかなゴンドラを造り、ゴンドラに乗ってで観光するのも涼しげて気持ちが良いかなと思いまして」

 「水の都?人工的にね。リアが、魔法で水の通り路を作るという事だよね?水路以外にも、馬車での移動は可能なんだよね?」

 「勿論です。橋も造りますし、馬車が問題なく通れる道路も確保します。街並みを統一する事で、美しく見えるので、屋根は明るい色にするのも良いと思います。オレンジ畑なども作るのも良いですね」

 「なるほど。今の領地のままでも問題は無いが、確かにリアの提案の方が見栄えの良い領になりそうだ。水路となると、氾濫などが気になるか」

 「それに着いては、水を逃す場所を準備しますので、水位が増して氾濫すると言う事はありません」

 「良く考えているね。分かった。私から父上に話しておこう。辺境だから、軍事には力を入れているが、観光に力を入れて人を誘致しようとは考えた事は無かったな。きっと良いお返事が貰えると思うよ」

 「ありがとうございます。ロイ義兄様大好き!」

 ギュッと首に抱きつく。

 そっと、私の背を支えて、耳元で囁く。

 「私もリアが大好きだよ。私の可愛いリア」
 
 チュッと音を立てて耳に軽く口付けられる。
 相変わらず、雰囲気が甘い。

 それから、ロイ義兄様にトロトロに蕩けさせられ、日付が変わる頃に解放されたのだった。
 
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